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「平成18年意匠法等の一部を改正する法律(平成18年法律第55号)」(2)
~商標法の改正項目~

2007年2月6日
                        特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
                               担当 佐藤 由香理

 本稿では、平成18年法改正のうち、「ブランド保護の強化」(商標法改正)の概略について説明する。

①  小売業等の役務商標としての保護

(ⅰ)改正点
小売業者等が使用する標章をサービスマークとして保護する。

(ⅱ)改正の趣旨
「商標の使用」という観点では、特定の商品との具体的な関連性がなければ、商標を商品について使用したとは認められない。そのため、小売業者等により提供されるサービス活動の出所を示す商標は、個別の商品との具体的関連性が見出しにくい状態で使用される場合が多い(例:総合小売店における店舗名、従業員の制服に使用される商標)ことから、商標法による直接的な保護の対象となっているとは言い難かった。
 さらに、欧米諸国との協調やニース協定における国際的ハーモナイゼーションの観点から、小売業等の役務商標としての保護を求める声が高まっていた。
 以上のような状況のもとで、小売業者が使用する標章がサービスマークとして保護されるに至った。

(ⅲ)注意点
商品商標と小売等役務に係る商標との関係が問題となるが、表示する出所の相違、つまり、商品の出所を表示するのか、役務(小売等役務)の出所を表示するのかという概念上の切り分けがなされる。たとえば、制服や陳列台等に表示される小売等役務におけるサービス活動と密接な関連性を有する商標は、小売等役務の出所を表示するものと解されるが、プライベートブランドに表示される商標等のように、商品と密接な関連性を認識させる商標は商品の出所を表示するものと考えられる。

(ⅳ)関連事項
(A)特例小売商標出願(附則第7条)
施行日(平成19年4月1日)から3ヶ月以内の出願は、特例小売商標出願となる。なお、特例小売商標出願が二以上ある場合については、出願の集中を緩和するために、これらの出願については先願規定が適用されず、同日に出願されたものとして、協議により定められたいずれか一方が登録になる。
※特例商標登録出願は、商品商標出願との関係では先願・商標法第4条第1項第11号の規定が適用される。したがって、同一若しくは類似する商標で、小売役務と類似する商品商標が先願・先登録である場合には、特例小売商標登録出願は拒絶される可能性がある。

(B)使用特例商標出願(附則第8条第1項~第4項)
特例小売商標出願が二以上ある場合、施行前から日本国内において不正競争の目的なく使用しているものは、協議命令があったときに、その応答期間中に使用に基づく特例の適用の主張ができる(これを使用特例商標登録出願という)。
使用特例商標登録出願は、通常の特例小売商標登録出願に優先して登録され、また使用特例商標登録出願同士が複数競合した場合には、いずれも登録となる。

(C)重複登録に伴う調整措置(附則第8条第5項)
使用特例商標登録出願が複数登録された場合、一方の権利者は重複登録に係る他方の登録商標の使用を禁止することができない。そこで、重複登録の当事者間のトラブルを調整し、重複登録の弊害を防止する観点から、類似の登録商標の分離移転に伴う調整措置である混同防止表示請求(商標法第24条の4)及び取消審判(商標法第52条の2)の規定を準用している。

(D)その他(附則第6条)
施行前から、不正競争の目的なく小売業等について登録商標またはこれに類似する商標を使用していたものには、その役務に係る業務を行っている範囲内でその商標を使用する権利が認められる(継続的使用権)。
また、この継続的使用権を有するものの商標が施行の際に需要者の間に広く認識されているときは、その業務の範囲に限定されることなくその役務について当該商標を使用することができる(先使用権)。

②  団体商標の主体の見直し

(ⅰ)改正点
 団体商標の出願人適格が現在の社団法人のほかに、商工会議所、商工会、NPO法人、中間法人等の社団についても認められる(商標法第7条第1項)。

(ⅱ)改正の趣旨
近年、構成員を有する法人格のある商工会議所等の社団において、構成員に商標を使用させている実情がある。また、公益法人制度改革の一環として、民法第34条の社団法人は、一般社団法人へ移行することが予定されており、公益性を有する従来の社団法人に加えて、公益性のない中間法人についても一般社団法人として認められることとなる。
こうしたことから、商工会議所、商工会、中間法人等の構成員を有する社団については広く団体商標の主体として追加することとした。

(ⅲ)注意点
法人格を有する社団であっても、株式会社や持分会社のような商法により設立された会社や日本たばこ産業株式会社のような日本たばこ産業株式会社法等の特別の法律によって設立された会社については、株主等を構成員とする社団であり、構成員に共通して使用させる商標が想定し難いことから、団体商標の登録主体には含まれていない。この場合は通常の商標登録出願となる。

以上


《参考文献》特許庁総務部総務課制度改正審議会編   
『平成18年意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説』

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