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「抗真菌外用剤」事件(発明の詳細な説明及び出願経過の参酌に関する判例)

【判示事項】
 発明の構成要件の解釈にあたり、発明の詳細な説明、出願の過程における主張内容、及び、欧州特許庁に対する提出書類の内容を参酌して、組成物の発明を製造方法の要素により限定解釈した事例。

【判決要旨】
 「一般式(I)で表わしうる化合物と、これを溶解するに十分な量のハッカ油、サリチル酸メチル、サリチル酸モノグリコールエステルまたはクロタミトンの一種もしくは二種以上からなる溶液を外用基剤で製剤化してなる抗真菌外用剤」との請求の範囲の解釈において、明細書の発明の詳細な説明の内容、出願の過程における主張内容、及び、欧州特許庁に対する提出書類の内容を参酌すると、本件特許請求の範囲における「溶液」とは、化合物(I)を溶質とし、クロタミトン等を溶媒とする溶液を指すものと解釈するのが相当である。
 したがって本件発明の構成要素を充足するためには、構成要件aの溶液が構成要件bの外用基剤とは別個に調製され、構成要件aの溶液が構成要件bの外用基剤によって製剤化された抗真菌外用剤であることを要するものと解するべきである。
 本件発明が、抗真菌外用剤という組成物の発明であることは原告主張のとおりであるけれども、本件発明の特許請求の範囲が、組成物の発明について、構成要件aの溶液及び構成要件bの外用基剤という原料を規定することによって構成されており、右原料のうち、構成要件aの物質が、特定の溶質と特定の溶媒からなる溶液であることから、構成要件の解釈として、構成要件bの外用基剤とは別に構成要件aの溶液が調製されていなければならないという製造方法の要素が不可避的に現れるものにすぎない。
 被告製剤においては、構成要件aに該当する溶液の存在が認められないから、被告製剤は本件発明の構成要件を充足せず、その技術的範囲に属しない。

【判決日】平成9年11月28日
【裁判所】東京地方裁判所
【事件番号】平成7年(ワ)第23005号
【判決要約担当者】弁理士 山口 充子
【判決全文URL】
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=01

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