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「黄桃育種増殖法」事件(特許権の成立・有効性に関する判例)

【判示事項】
 発明の再現性が低い場合にも、当業者が再現可能であれば、その確率が高くなくても、産業上の利用性は否定されない。

【判決要旨】
 1.発明は、自然法則の利用に基礎付けられた一定の技術に関する創作的な思想であるが、その創作された技術内容は、その技術分野における通常の知識経験を持つ者であれば何人でもこれを反復実施してその目的とする技術効果を挙げることができる程度にまで具体化され、客観化されたものでなければならいから、その技術内容がこの程度に構成されていないものは、発明としては未完成のものであって、特許法第2条1項にいう「発明」とはいえない。したがって、同条にいう「自然法則を利用した」発明であるためには、当業者がそれを反復実施することにより同一結果をえられること、すなわち、反復可能性のあることが必要である。そして、この反復可能性は、「植物の新品種を育種し増殖する方法」に係る発明の育種過程に関しては、その特性にかんがみ、科学的にその植物を再現することが当業者において可能であれば足り、その確率が高いことを要しないものと解するのが相当である。けだし、右発明においては、新品種が育種されれば、その後は従来用いられている増殖方法により再生産することができるのであって、確率が低くても新品種の育種が可能であれば、当該発明の目的とする技術効果を挙げることができるからである。
 2.発明の反復可能性は、特許出願時にあれば足りる。

【判決日】平成12年2月29日
【裁判所】最高裁判所
【事件番号】平成10年(行ツ)第19号
【判決要約担当者】弁理士 木村 佳宏
【判決全文URL】
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=01

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