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「発熱組成物収納用袋」事件(発明者の同一に関する判例)

【判示事項】
 特許法29条の2における発明者の同一は、共同発明の場合には全員が一致しなければならないとした事例。

【判決要旨】
 特許法29条の2かっこ書において、発明者が同一の者である場合に同法29条の2の規定が適用されないとした趣旨は、発明者が自己の発明によって特許出願が拒絶されることがないようにすべきであること、および先願の特許請求の範囲に当該発明を記載していないことが直ちにその発明についての権利を放棄したものとはいえない場合があること等を考慮したものと解される。その趣旨からして、発明者の「同一」とは完全な同一をいい、当該発明が共同発明の場合には全員が一致しなければならず、一人でも異なる場合には、「同一の者」とはいえないものと解するのが相当である。
 本件発明は、本件特許出願日前に出願され本件特許出願後に公開された特許出願に係る願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、かつ両発明の発明者は同一であるともいえないから、本件特許は特許法29条の2の規定に違反してなされたものであり、同法123条1項2号の無効理由があることが明らかである。そうすると、原告の本件特許権に基づく本訴請求は、特段の事情がない限り権利の濫用として許されないところ(最高裁判所平成12年4月11日第三小法廷判決・民集54巻4号1368頁参照)、本件において特段の事情があるとも認められないから、原告の請求は権利の濫用に当たるというべきである。

【判決日】平成13年4月19日
【裁判所】大阪地方裁判所
【事件番号】平成10年(ワ)第13560号
【判決要約担当者】弁理士 西尾 正之
【判決全文URL】
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=01

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