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「ペン型注射器」事件(均等論要件「発明の本質的部分」「意識的除外」に関する判例)

【判示事項】
 特許発明特有の作用効果を生じさせる技術的思想の中核をなす特徴的部分が当該発明の本質的部分であると解すべきであり、また、原告が補正で付加した構成が拒絶理由を回避するためのものではない場合、意識的除外の判断に影響を与えるものではないとした事例。

【判決要旨】
 特許発明の本質的部分とは、「特許請求の範囲に記載された特許発明の構成のうちで、当該特許発明特有の作用効果を生じるための部分、換言すれば、右部分が他の構成に置き換えられるならば、全体として当該特許発明の技術的思想とは別個のものと評価されるような部分をいうと解するのが相当であり、特許発明特有の作用効果を生じさせる技術的思想の中核をなす特徴的部分が当該発明の本質的部分であると解すべきである。被告の発明が、そのような本質的部分において特許発明の構成と異なれば、特許発明の構成と均等であるとは言えない。」とし、これに照らして被告製品の本質的部分として認定した「ネジ機構」が、原告製品のネジ機構と具体的構成において異なるとして、装置の発明について均等不成立、非侵害とした。
 被告方法は、「アンプルの前端部を水平やや斜め上向きにして」注射液の調製を行う点で、原告方法の「アンプルが前端部を上向きにしてほぼ垂直に保持された状態で」を文言上充足しないが、原告が補正により付加した構成「ほぼ垂直に保持された状態で」は、拒絶理由を回避するために行ったものではないから、被告方法は、原告方法から意識的に除外されたものに該当せず、依然として原告方法と均等であるとし、侵害を認めた。

【判決日】平成13年4月19日
【裁判所】大阪高等裁判所
【事件番号】平成11年(ネ)2198号
【判決要約担当者】弁理士 松村 一城
【判決全文URL】
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=01

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