| USA/知財情報 |
 |
|
USA・UK支援室 室長 新井 孝政
|
代表電話
FAX
E-mail
|
: 06 - 6351 - 4384
: 06 - 6351 - 5664
: 
|
|
|
米国コンピュータ読み取り可能媒体の発明主題としての適格性
特許業務法人 原謙三国際特許事務所
平成22年02月22日
(文責:新 井)
1.はじめに
2010年1月26日付で、USPTOの長官がコンピュータ読み取り可能媒体の発明主題としての適格性に係るNotice (“Subject Matter Eligibility of Computer Readable Subject Matter”) を発表しました。Noticeによれば、「一時的でない(non-transitory)」旨の限定を付すことが35 U.S.C. §101 下の拒絶理由を克服する上で効果的です(なぜならば、クレームに信号自体が含まれると解釈されなくなるからです。)。以下は、Noticeの公表内容です。*1
2.コンピュータ読み取り可能媒体の発明主題適格性
USPTOは、種々の手続中において、明細書の範囲内であって最も広く合理的にクレームを解釈する義務を有しています。In re Zletz, 893 F.2d 319(Fed. Cir. 1989において、特許審査中に、ペンディングクレームは、文言が合理的に許すかぎりできるだけ広く解釈されなければならないことが判示されています。
コンピュータ読み取り可能媒体(機械読み取り可能媒体とその他の変形物とも言われている。)に係るクレームを最も広く合理的に解釈することは、特に明細書が言及していない場合、コンピュータ読み取り可能媒体の一般的且つ通例の意味に鑑み、一般的には、一時的でない有形の媒体と一時的な(transitory)伝播信号自体との双方の形態をカバーしています。MPEP 2111.01. を参照ください。クレームを合理的に最も広く解釈することが、信号自体をカバーしている場合、そのクレームは、不特許事由をカバーしているとの理由で35 U.S.C. §101 に基づき拒絶されなければなりません(In re Nuijten, 500 F.3d 1346, 1356-57 (Fed. Cir. 2007) (一時的な実施例は法定発明主題ではない。) と、Interim Examination Insnuctions for Evaluatig Subject Matter Eligibility Under 35 U.S.C.j101, Aug. 24,2009; p. 2を参照。).
USPTOは、信号自体をカバーするコンピュータ読み取り可能媒体に係るクレームを出願人が記載してもよい認識していますが、この信号自体については、非発明法定主題と発明法定主題の双方をカバーしているとの理由で35 U.S.C. §101 に基づき拒絶されなければなりません。この状況下で、patent communityをアシストし、35 U.S.C. §101に基づく拒絶理由または潜在的な拒絶理由を克服しようとする目的で、USPTOの提案は、次のアプローチをとることです。
すなわち、非発明法定主題と発明法定主題の双方の実施例をカバーしているコンピュータ読み取り可能媒体に係るクレームに対し、「一時的でない」という限定をクレームに付す補正を行うことによって、法定実施例のみをカバーするようにし、35 U.S.C. §101 に基づく拒絶理由を回避できます(Animals -Patentability, 1 077 0)Gaz. Pat. Ofice 24 (April 21, 1987) (suggesting that applicants add the limitation "non-human" to a claim covering a multi-cellular organism to avoid a rejection under 35 U.S.C. §101)参照。)。
このような補正は、たとえ明細書には言及されていない場合であっても、一般的には、新規事項を導入するとは認定されません。なぜならば、最も広く合理的に解釈することは、信号自体を含む一般的かつ通例の意味に依拠しているからです。そのような補正が新規事項を導入するような限られた状況は、次のような場合に生じます。たとえば、信号自体が唯一の実行可能な実施例であり、上記のような補正の結果、サポートしている開示の範囲を超えてクレームが拡大されているという理由で、明細書が一時的でない実施例をサポートしていない場合,新規事項が導入されたと認定されます(See, e.g.,Gentqv Galleiy, Inc. v. Berkline Corp., 134 F.3d 1473 (Fed. Cir. 1998)。
以 上
*1 LINK:http://www.uspto.gov/patents/law/notices/101_crm_20100127.pdf