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米国連邦最高裁判所が35 U.S.C. § 271(b)に規定の侵害教唆に関するCAFCの判断のレビュ-を決定

特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
平成22年10月18日
(文責:新 井)

1.はじめに

 米国特許法には、二つのタイプの間接侵害が規定されています。一つは、35 U.S.C. § 271(b)に規定されており、他の一つは35 U.S.C. § 271(c)に規定されています*1 。


 すなわち、35 U.S.C. § 271(b)には、『特許の侵害を積極的に教唆する者は、侵害者としての責を負う』旨、規定されています。

 35 U.S.C. § 271(c)には、『特許対象機械、製造物、組合せもしくは組成物の部品、または特許対象プロセスの実施に用いる物質もしくは装置であって、当該発明の重要部分を構成し、かつ実質的な非侵害使用に適する一般商品でない物を、それが当該特許の侵害に用いられるために特に作られた、あるいは適合されたことを知りながら、米国において販売もしくは販売の申し出をする者、または米国へ輸入する者は、寄与侵害者としての責を負う』旨、規定されています。


 このたび、米国連邦最高裁判所は、35 U.S.C. § 271(b)に規定される侵害教唆に関するCAFCの判断のレビュ-を決定しました。


2.一貫性のない過去の判例

たとえば、米国外の部品メーカBから米国外で調達した部品を組み込んで製品を完成させた後に、米国外のメーカAが米国へ輸出販売した場合、次のような事態が生じることが考えられます。すなわち、上記の部品メーカBが、上記完成品の米国へ輸出販売を知りながら、上記の部品をメーカAに米国外で販売し、米国へ輸出することを誘導したので、侵害教唆の規定(35 U.S.C. § 271(b))を充足するとの理由で、上記の部品メーカBを相手取り、米国外で調達した上記の部品に係る米国特許の所有者が訴訟を提起することがあります。このような事態が生じるのは、侵害教唆の規定 (35 U.S.C. § 271(b))が非常に広く曖昧であるからです。


 このことを裏付けるように、侵害教唆に係る過去の判例は、たとえば以下に示すように、一貫したものではありませんでした。*2

  • ・ 特許権者は、被告が特許の存在について知った後、積極的かつ悪意で第三者の直接侵害を教唆したことを証明することが必要である(Water Technologies Corp. v. Calco, Ltd.(850 F.2d 660, Fed.Cir. 1988)) 。
  • ・ 直接侵害を構成する第三者の行為を生じさせることを教唆者が意図していただけで侵害教唆が成立する(Hewlett-Packard Co. v. Bausch & Lomb, Inc .(909 F.2d 1464, Fed.Cir. 1990 ))。
  • ・ 被疑教唆者の行為が侵害行為を誘発したこと、及び被疑教唆者は自身の行為が現実の侵害を誘発することを知っていた又は知りうべきであったことを証明する責任を特許権者告は有している。加えて、第三者の行為が侵害となる可能性について知っているだけでは不十分であり、侵害を教唆する具体的意思と行為とが存在したことも証明されなければ、侵害教唆は成立しない(Manville Sales Corp. v. Paramount Systems, Inc.(917 F.2d 544, Fed.Cir. 1990))。
  • ・ 侵害を構成することになる行為を認識しているだけでは、侵害教唆は成立しない(Warner-Lambert Co. v. Apotex Corp. 316 F.3d 1348 (Fed.Cir. 2003))。
  • ・ 侵害教唆における意思の要件とは、直接侵害を構成する行為を生じさせる意思と、直接侵害を生じさせる積極的意思との双方の存在を必要とする。教唆者が直接侵害者の行為を知っていたと共に、第三者に侵害を促すことを意図した証拠を示した場合のみ、侵害教唆が成立する(Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. v. Grokster L td.事件(125 S.Ct. 2764 (2005) ))。
  • ・ 被疑侵害教唆者が特許の存在を知っていたことのみによって侵害教唆が成立する(DSU Medical Corp. v. JMS Co., Ltd., 471 F.3d 1293 (Fed. Cir. 2006) (en banc))。
  • ・ 問題の特許の存在を被疑侵害者が知っていたという直接的な証拠を特許権者が示さなかった場合でも、侵害教唆に対する賠償請求が可能である(SEB (T-Fal) v. Montgomery Ward & Co., 594 F.3d 1360 (Fed. Cir. 2010))
3.米国連邦最高裁判所が裁量上訴を認める

 Global-Tech v. SEB事件*3 における裁量上訴の申立 (petition for writ of certiorari)を認め、米国連邦最高裁判所は、2010年10月12日、35 U.S.C. § 271(b)に規定される侵害教唆に関するCAFCの判断のレビュ-を決定しました。


 米国連邦最高裁判所は、次の疑問に対して回答することになります*4 。

 Question presented: Whether the legal standard for the "state of mind" element of a claim for actively inducing infringement under 35 U.S.C. § 271(b) is "deliberate indifference of a known risk" that an infringement may occur or instead "purposeful, culpable expression and conduct" to encourage an infringement.

 (参考訳:35 U.S.C. § 271(b)下で侵害を積極的に教唆することに対する賠償請求に係る「侵害教唆における意思の要件」の法的基準は、(i) 侵害が生じるかもしれない危険性を知っていたという故意の無関心にあるのか、あるいは(ii) 侵害を誘導する意図的で咎むべき表現および行為にあるのか?)



以 上


*1 35 U.S.C. 271 Infringement of patent.
   (b) Whoever actively induces infringement of a patent shall be liable as an infringer.
   (c) Whoever offers to sell or sells within the United States or imports into the United States a component of a patented machine, manufacture, combination, or composition, or a material or apparatus for use in practicing a patented process, constituting a material part of the invention, knowing the same to be especially made or especially adapted for use in an infringement of such patent, and not a staple article or commodity of commerce suitable for substantial noninfringing use, shall be liable as a contributory infringer.

*2 LINK: http://www.ngb.co.jp/ip_articles/detail/70.html
*3 LINK: http://www.onthedocket.org/cases/2010/global-tech-appliances-v-seb
*4 LINK: http://www.onthedocket.org/articles/2010/10/14/court-review-deliberate-indifference-standard-patent-infringement-oct-12-2010
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