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出願審査請求期間の改正の内容および理由

2001年10月3日
原謙三国際特許事務所
弁理士 金子 一郎

1.出願審査請求期間の改正の内容(平成13年10月1日施行)

(1)出願審査の請求をすることができる期間
出願日が平成13年10月1日以降の特許出願より、出願審査請求をすることができる期間が、これまでの出願日より「7年以内」から「3年以内」に変更された(特許法第48条の3)。
なお、平成13年9月30日以前の特許出願については、従来どおり、出願日から7年の審査請求期間が適用される。

(2)審査請求期間の適用の基準となる出願日
①分割または変更の特許出願は、もとの出願の出願日が基準となる。
ただし、もとの出願の出願日から所定の期間内(3年または7年)の経過後であっても、特許出願の分割または変更の日から30日以内に限り、出願審査の請求をすることができる(特許法48条の3第2項)。
②特許出願等に基づく優先権(国内優先権、特許法第41条)の主張を伴う特許出願は、現実の出願日が基準となる。
③パリ条約による優先権(パリ条約第4条)の主張を伴う特許出願は、現実の出願日が基準となる。
④国際特許出願は、特許法第184条の3の規定により特許出願とみなされた国際出願の出願日が基準となる。

2.審査請求期間の改正の理由

(1)審査請求制度導入の趣旨(昭和45年法)
審査請求制度は、特許出願のうち真に審査をする価値のあるもののみ審査し、審査を必要としない出願の審査を省略することにより、全体としての審査の促進を図ることを目的として導入された制度である。
そして、出願人が出願について審査を受けるか否かを選択するために十分な期間とすること、およびドイツ、オランダの審査請求期間が7年であることを考慮して、審査請求期間は出願日から7年と規定された。

(2)審査請求制度導入当時からの状況の変化
①特許庁における特許電子図書館の構築
出願人による先行技術の調査、審査請求すべき出願の選定が容易となっている。
②特許庁における審査処理能力の向上
審査請求から1年以内に審査に着手できる状況となっている。
③特許権に対する認識の変化
特許権取得の目的が、防衛目的から権利活用(投資の回収)へと変化している。

(3)審査請求期間を7年としていたことによる問題点
①知的創造活動の促進、新規産業の創出に逆効果
審査請求の多くが出願日から6〜7年目に集中するため、権利未確定の出願が大量に存在し、第三者の研究開発および事業化に支障をきたしていた。
②日本特許の空洞化
権利取得の時期が我が国よりも数年早い欧米の審査結果を中心にして、特許の国際相場が確立されてしまう恐れがあった。
(米国→審査請求制度なし、EPO(欧州特許庁)・イギリス→約2年、中国・ロシア→3年、韓国・カナダ→5年、ドイツ→7年(但し、出願維持料金制度採用))
③審査協力における支障
審査能力が不十分な諸外国から、審査請求が未請求であって審査結果の存在しない案件に関して審査協力の要請がなされた場合に支障をきたしていた。

(4)審査請求制度の必要性
防衛目的の出願、出願後に権利取得が不要となる出願等、審査を要しない出願も依然として存在するため、全ての出願を審査することは重要発明の迅速な審査の妨げにつながる。したがって、審査請求制度は維持する必要がある。

(5)審査請求期間の改正
現在の状況下において、出願人が審査請求の要否を判断するために必要な期間を考慮しつつ、上記弊害を解消するため、平成11年改正において、審査請求期間をこれまでの出願日より「7年以内」から「3年以内」に改正した。

以上

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