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農林水産省への提言

2006年12月25日
特許業務法人 原謙三国際特許事務所
弁理士 祐末 輝秀

先般、農林水産省生産局種苗課より、「植物新品種の保護の強化及び活用の促進に関する検討会」の中間とりまとめに対するパブリックコメントの募集が行われました。
当所としても、知的財産権の一種として育成者権を重視しており、そのため、パブリックコメントを提出いたしました。
以下にその内容を公開し、広く皆様の意見をお聞かせ頂きたいと存じます。


Ⅰ 育成者権の権利付与手続の充実と迅速化について
(1)独立行政法人種苗管理センターにおける栽培試験実施体制の強化及び実施点数の増強について
中間とりまとめにおいて、独立行政法人種苗管理センターにおける栽培試験実施体制の強化及び実施点数の増強が「(2)施策のあるべき方向」の「①審査体制の拡充・強化」の項に記載されている。このこと自体に対して反対するものではない。
しかし、現状独立行政法人種苗管理センターにおける栽培試験は、種子繁殖性植物およびきのこ類に限られており、栄養繁殖性植物については現地調査でもってDUS要件の審査が行われている。
そして、出願件数の最も多い観賞用植物は、その多くは栄養繁殖性の植物である。また、国内の花卉業者自らが育成することが通常である。
しかしながら、外国からの出願を考えた場合、日本国内ですでに栽培していなければ、品種登録をすることができないという自体となり、一種の参入障壁となりかねない。
そのため、栄養繁殖性植物については、原則は現地調査としつつも、出願者の選択肢の一つとして、独立行政法人種苗管理センターにおける栽培試験を実施することが望ましいと考える。
すなわち、育成者は、自らのほ場等において栄養繁殖性植物を育成し、現地調査を受けることができるとともに、自らほ場等を有しない等の場合には、独立行政法人種苗管理センターにおける栽培試験を経て品種登録を得ることができるよう、制度を改正すべきではないかと思料する。
また、このような取り組みをアジア地域諸地域へ推奨していくことが、わが国における育成者の海外における権利取得を容易にし、件数増加を促進することにつながっていくものと考える。

(2)海外との審査協力の推進について
中間とりまとめにおいて、「③海外との審査強力の推進」において、「EU、アジア諸国等UPOV同盟国との審査協力を勧めるための基盤作りとして、栽培試験の方法、審査基準の調和等、審査の国際的標準化を急ぐべきである」と提言されている。このこと自体に対して反対するものではない。
しかし、出願者代理人としての立場に立てば、出願手続の統一化または調和が強く望まれる。けだし、出願国によって出願手続が異なるというのは非常に煩雑であり、海外における優良品種の登録の妨げとなり得るからである。
したがって、この点についても、各国との協力を推進して頂きたい。


Ⅱ 海外での権利取得に対する支援策
中間とりまとめにおいて、「アジア地域におけるUPOV締結国は、日本、中国、韓国、シンガポールである。」旨記載されている。これは事実に関することであり、意見を述べるべきものではない。
しかし、台湾は政治的な理由からUPOVへの加盟が絶望的な状況にある。このことは、工業所有権の保護に関するパリ条約や著作権の保護に関するベルヌ条約に台湾は加盟していないことからも容易に推測される。そして、台湾はコンピュータ関連製品等について模造品天国となっていることは周知の事実であると思料する。
そして、台湾は温暖湿潤な気候であり、高山も存在することから、これらの特有の気候を利用した、特に観賞用の栄養繁殖性植物(たとえば洋ラン)の模造品の潜在的生産地となり得ると考えられる。
そのため、工業所有権等にならって、植物新品種保護に関する日台間の2国間条約の締結へ向けた努力も必要であると考える。

以上



【 農林水産省のホームページ 】
第5回 植物新品種の保護の強化及び活用の促進に関する検討会
http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/seisan/newplants/05/index.html
最終報告
http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/seisan/newplants/last_report.pdf



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