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ビルスキ事件の米国連邦最高裁判決速報

特許業務法人 原謙三国際特許事務所
平成22年07月01日
(文責:新 井)

1.はじめに

ビルスキ事件において、CAFCは、特定の機械と結びついた方法、又は物質を異なる状態に変質させる方法でなければ、特許の保護対象となる発明ではない(所謂、”machine-or-transformation test”)旨の判決を下していました。これを不服とし、原告(バーナード・ビルスキ氏とランド・ウォルソー氏)は、米国最高裁判所に裁量上訴し、2009年11月9日に、Oral Argument が行われました。これによれば、米国連邦最高裁判所の判事の大半は、抽象的なビジネス関連発明が特許の保護対象となる発明であることに同意していませんでした。
そして、このたび、2010年6月28日に、米国最高裁判所が本件ビルスキ事件に対する判決を下しました。以下に、判決の内容を簡単に説明します。

2.最高裁判所の判決内容

米国最高裁判所は、2010年6月28日、判例に依拠し,本件特許発明(エネルギーなどの商品取引で価格変動のリスクを回避する発明)が抽象的概念に係るものである(just like the algorithms at issue in Benson and Flook.)ので、米国特許法第101条(patent protection for "any new and useful process, machine, manufacture, or composition of matter.")の規定を満たす保護対象となる発明ではない旨の判決を下しました *1 。ただし、現行の判断基準が狭すぎるので、ビジネス方法発明の特許の扉を閉じるものではない旨、付言されています。

米国連邦最高裁判所は、CAFCの”machine-or-transformation test”が、保護対象となる発明か否かを判断する有用なツールであるが、唯一のテストではない旨を明らかにしました。事実、最近の判例Gottschalk v. Benson, Parker v. FlookやDiamond v. Diehrにおいても、CAFCの”machine-or-transformation test”が唯一のテストではないことが示されています。
なお、米国最高裁判所は、上記の”machine-or-transformation test”の代替テストを提示していない共に、今後どのようなビジネス方法が保護対象となる発明となり得るかについての明確な指針も提示していません。


以 上

*1 http://www.supremecourt.gov/opinions/09pdf/08-964.pdf

スタッフ紹介


特許部 課長
IT知財情報 室長
スペシャリスト
児島 賢明 (こじま たかあき)
特許部課長 児島 賢明 航空工学専攻
研究経験:制御工学、人工知能、マンマシンインタフェース
主要取扱分野:IT、通信ネットワーク、ユーザインタフェース、ビジネスモデル

IT分野を中心に物理系全般にわたる豊富な実務経験を生かし、発明発掘から強い権利を目指してアドバイスさせて頂きますので、お気軽にご相談ください。また、特許サーチャーとしての経験も豊富ですので、こちらでもお役に立てると思います。
特許部 課長
弁理士/特定侵害訴訟代理人
I T知財情報担当
リサーチャー
村上 尚 (むらかみ たかし)
村上 尚 1970年生まれ 情報工学専攻
研究経験:情報工学、コンテンツ流通技術
専門分野:IT、通信ネットワーク、情報処理、情報理論、ソフトウェア

近年、IT分野は急速な進展を遂げており、IT関連の知的財産権は、非常に重要度の高いものとなっています。
そのため私は、IT関連の発明に対し、企業での研究開発経験を生かしつつ、迅速かつ質の高いサービスを提供するよう最善を尽くします。
IT分野全般にわたり、どのような内容でもお気軽にご相談ください。


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