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「酸性糖タンパク質」事件(プロダクトバイプロセスクレームの技術的範囲に関する判例)

【判示事項】
 製造方法によって特定された本件発明にかかる酸性糖タンパク質はその製造方法によって得られたものに限定されるものではなく、同一の構造ないし特性を有するものも含まれると解されるところ、本件発明における酸性糖タンパク質であると認められるSDS処理したエリスロポエチンと、被告の製造するエリスロポエチンとは、同一の構造ないし特性を有するものと認められないとして、特許権を侵害するとの原告の主張を斥けた事例。

【判決要旨】
 本件発明に係る酸性糖タンパク質は、必ずしも構成要件に掲げられた製造方法によって得られたものに限定されるものではなく、その製造方法によって特定される物と同一の構造ないし特性を有する限り、構成要件を充足するというべきである。
 本件明細書の記載によれば、本件発明に係る酸性糖タンパク質は、SDS処理をしたエリスロポエチン含有液をその取得の原料とし、SDS処理をしたエリスロポエチンを免疫原として作製されたハイブリドーマ細胞によって産出された抗エリスロポエチンモノクローナル抗体に、右原料液中のSDS処理をしたエリスロポエチンを吸着させることによって取得されるものであり、「SDS処理を行ったエリスロポエチンに対して強い結合性を有し、天然のエリスロポエチンに対してはゆるやかな結合性を有する抗エリスロポエチンモノクローナル抗体」に強い結合性を有するという特性を有するものであると認められる。このような抗エリスロポエチンモノクローナル抗体に強い結合性を有する酸性糖タンパク質とは、右モノクローナル抗体に強い結合性を有することから天然のエリスロポエチンとは異なるものであり、また、その取得の原料がSDS処理をしたエリスロポエチン含有液に限られていることなどに照らせば、SDS処理をしたエリスロポエチンであるといわざるを得ない。

【判決日】平成11年9月30日
【裁判所】東京地方裁判所
【事件番号】平成9年(ワ)第8955号
【判決要約担当者】弁理士 山口 充子
【判決全文URL】
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=01

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