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characterized in that (by)”の文言位置とクレームの権利範囲との関係

特許業務法人 原謙三国際特許事務所
平成20年06月30日
(文責:新 井)

1.はじめに
Rule 71(3) を受領したときに、Proposed Textが付されており、クレームが審査官によって補正されていることがあります。この場合、直近に出願人によってファイルされたクレーム補正の内容と審査官によるクレーム補正の内容とが、”characterized in that”(又は、”characterized by”)の文言位置において異なっていることがあります。この点につき、発明の保護範囲上の差異について、EP特許弁護士に確認を行いました。

2.EPCのクレームのフォームと内容
 EPCには、”characterized in that”(又は、”characterized by”)の文言位置とクレームの権利範囲との関係を規定する条文がなく、単に、”characterized in that”(又は、”characterized by”)に関し、Rule 43 EPCに次のように規定されているだけです。

(1)The claims shall define the matter for which protection is sought in terms of the technical features of the invention. Wherever appropriate, claims shall contain:
(a)a statement indicating the designation of the subject-matter of the invention and those technical features which are necessary for the definition of the claimed subject-matter but which, in combination, form part of the prior art;
(b)a characterizing portion, beginning with the expression“characterized in that”or“characterized by”and specifying the technical features for which, in combination with the features stated under sub-paragraph (a),protection is sought. 

3.two-part形式のクレーム記載
EPCによれば、ルール上は、適切な場合にtwo-part形式でクレームを記載することと規定されています。つまり、”preamble portion”と”characterizing portion”(又は、”characterized by”)とに分けてクレームを記載できる場合には,two-part形式で記載することが通例です。したがって、two-part形式でクレームを記載することが適切でない場合には、combination type でクレームを記載することが認められています。

”preamble portion”の記載は、必ずしも出願時に公知の技術に基づいて行われることが求められているのではなく、審査過程において引用された最も近い引用文献が開示する情報を明細書中に追加記載することが求められます。”preamble portion”を記載する際、引用された最も近い引用文献が開示する内容に基づく上位概念を必要に応じて記載したとしても、出願当初の明細書に記載されていないとの理由により新規事項と認定されることはありません。

Proposed Textにおいて、審査官が、”characterized in that”(又は、”characterized by”)の文言位置を異ならせるようにクレームを補正することを提案してきた場合、それは、最も近い引用文献に鑑み、本願クレーム発明の上位概念が”preamble portion”に記載されているとの審査官の理解を示しています。EPCにおいて”preamble portion”の記載は,公知技術の自白であるとはみなされません。したがって、”characterized in that”(又は、”characterized by”)の文言位置によりクレーム発明の保護範囲における解釈が変わることはありません。

4.EPC指定国における保護範囲
 EPCの各指定国における発明の保護範囲によれば、出願人によってファイルされたクレームの記載内容と、審査官が提案したProposed Textに記載のクレームの記載内容とが、”characterized in that”(又は、”characterized by”)の文言位置において異なっていたとしても、両者における発明の保護範囲に差はありません(つまり、”characterized in that” (又は、”characterized by”)の文言位置によって発明の保護範囲における解釈が変わることはありません)。


以 上

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