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Bilski 事件後の最初のビジネスメソッド特許無効の連邦地裁判決

特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
平成21年02月02日
(文責:新 井)

Bilski 事件後の最初のビジネスメソッド特許無効の連邦地裁判決


Fort Properties, Inc. v. Master Lease LLC, (SACV07-365 AG) C.D. Ca., January 22, 2009



リンク先:
http://271patent.blogspot.com/search?updated-min=2009-01-01T00%3A00%3A00-06%3A00&updated-max=2010-01-01T00%3A00%3A00-06%3A00&max-results=19
http://www.mediafire.com/?mo3xn2myugt



1.はじめに
2008年10月30日に、CAFCの大法廷(en banc)は、Bilski 事件において、コンピュータを用いないBusiness Method Claims(商品取引における需要の変動リスクを回避する方法に係る。)が米国特許法(35 U.S.C. § 101)下の法定特許主題に該当するか否かについての判断を下しました。同大法廷は、Business MethodやSoftware に係る発明を排除することを示しませんでしたが、プロセスクレーム発明が35 U.S.C. § 101下の法定特許主題に該当するか否かについて、判断基準(“machine or transformation test”)を新たに提示しており、この判断基準をクリアできた場合には特許性を有すると認定されます。
なお、上記の大法廷判決を不服とし、Bilski氏等は(代理人:Finnegan, Henderson, Farabow, Garrett & Dunner)、米国連邦最高裁判所の判断を求めるべく、writ of certiorari(裁量上訴)をファイルしました(*1)。

2.簡単な経過説明
 Bilski 事件に関するCAFCの大法廷判決前に、Fort PropertiesがMaster Leaseを相手取って確認訴訟を提起し、不動産から投資証券を創作するビジネスメソッドに係るMaster Lease所有の特許(US patent 6,292,788)を侵害していないこと及び/又は無効であることの確認を求めました。
 Bilski 事件に関するCAFCの大法廷判決直後、Fort Propertiesは、略式裁判を申し立て、上記特許が35 U.S.C. 101に反し無効である旨を主張しました。上記特許の出願審査経過に依拠し、連邦地方裁判所は、Fort Propertiesの主張を認めました。詳しくは、本件の担当審査官は、本件のクレームが技術に係るものではないので、法定特許主題ではない旨を認定していました。その後、担当審査官はUSPTOを退職し、別の審査官が本件の審査を引き継ぎました。引き継いだ審査官は、最終的には、2001年の4月に上記クレーム発明に対して特許付与しました。Notice of Allowanceにおいて、担当審査官は35 U.S.C. § 101については言及せず、特許権者は、Notice of Allowance発行前の応答において、本件特許クレームが有用、具体的、且つ有形の結果を生み出すものである旨の反論を行っていました。また、審査過程での個人面談において、審査官が自らの見解(本件クレームが35 U.S.C. § 101の要件を充足している旨の見解)を出願人に説明していました。

*1 この上訴を認めるかどうかを連邦最高裁の裁量に委ねられています。裁量上訴が認められると下級審に移送命令が発せられます。裁量上訴が認められない場合には下級審の判決が確定します。原告は、米国連邦最高裁判所に対し、次ぎの2つの質問に対する回答を求めています。
(i) CAFCは、「プロセス」が、特定の機械や装置と関連付けられているか、あるいは特定の物品を異なる状態や物体に変化させるものでなければならない旨の判決を下しているが、この判決は失当か否か。
(ii) 多数のビジネスメソッドに対する意味のある特許保護を事実上無効にするCAFCの特許性に係る”machine or transformation test”は、35 U.S.C. § 273に規定の「特許は、ビジネスを行う方法を保護する」という議会の明確な意図と矛盾するか否か。

3.連邦地方裁判所の判示内容
連邦地方裁判所は、クレームの特許性に関し、審査官の認定の大部分が、Bilski事件によって否定された“useful, concrete, and tangible result” testに依拠していた旨を判示し、本件特許クレームを”machine-or-transformation” testに基づいて審理しました。

(3-1) Machineについて
特許権者(被告)は、出願審査経過において、クレームに記載の方法がコンピュータによって実行される必要がない旨をはっきりと認めていました。opposition brief において、被告は、‘machine’ testというよりはむしろ物品の変化(‘transformation of an article’)が上記特許(US patent 6,292,788)に特許性を付与する所以である旨を認めました。

(3-2) Transformationについて
被告は、不動産証書株の創作(“creation of deedshares”)を指摘し、これが物品への変化および変形(‘transformation and reduction of an article’)とみなし得る旨を反論しました。

これに対し、連邦地方裁判所は、次のように判示しました。すなわち、原告が開陳したように、創作したと被告が主張するものは、印刷された書類の形態でるかどうかに関係なく、概念的な権利の取り決めにすぎない。不動産証書株は、物品でもないし物理的な実体でもない(See Bilski, 545 F.3d at 963)。また、不動産証書株は法的な所有権であり、これら所有権は、物品ではない。したがって、不動産証書株の創作は、Bilski事件に鑑み、物品の変化ではない。


以 上

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