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上記トレードマークの背景地図は、1991年当時の特許登録件数を陸地の大きさと形状に擬態化して、地図状に表現したものです。

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$シンガポール知的財産情報$



■1.概要

シンガポール共和国(以下「シンガポール」といいます)は、東南アジアのほぼ中心の赤道直下に位置し、1年を通して常夏の熱帯国です。面積は約716平方キロメートルで日本の淡路島ぐらいの大きさであり、人口は約540万人(2013年9月)です。シンガポールは、かつてイギリスの植民地でしたが1965年に正式に独立国家となりました。

製造業(エレクトロニクス、化学関連、バイオメディカル、輸送機械、精密器械)、商業、ビジネスサービス、運輸・通信業、金融サービス業等がシンガポールの主要産業と言われています。多数の日系企業がシンガポールに進出しており、多くの在留邦人がシンガポールで生活しています。

知的財産権の保護に関して、シンガポールは、WIPO設立条約、TRIPS協定、パリ条約、PCT、マドリッド協定、ベルヌ条約等に加入しています。



■2.特許

シンガポール特許法(以下「特許法」といいます)は、1994年に制定されました。そして、従来の自己評価制度(”self-assessment” patent system)から実証的付与制度("positive grant” patent system)に移行する改正特許法(Patents (Amendment) Act 2012)が、2012年に国会で成立し、2014年02月14日に施行されました。

(1)出願ルート
 シンガポールはパリ条約とPCTに加入しており、パリルートとPCTルートのいずれも利用可能です。


(2)特許性

  • ① 新規性、進歩性を有し、産業上利用できる発明は、公序良俗違反の発明、人間若しくは動物の外科手術若しくは治療診断方法の発明等を除き、特許性が認められます(特許法第13条(1)、同法第16条(2))。
  • ②所定要件下の開示から12か月の新規性喪失の例外(グレースピリオド)が認められています(特許法第14条(4))。

(3)出願書類

  • ①特許出願書類は、以下を含むことが必要です(特許法第25条(3))。
    ・特許付与を求める願書
    ・発明の説明及びクレームを含む明細書
    ・当該発明の説明及びクレームにおいて言及される図面
    ・要約
  • ②上記書類に英語以外の言語によるものが含まれている場合、英語翻訳文が必要である旨が出願人に通知され、当該通知の日付から2か月以内に英語翻訳文の提出が必要です(特許法施行規則19(10)(11))。

(4)出願公開
 出願日又は優先日から18か月経過後に出願は公開されます(特許法第27条、特許法施行規則29)。


(5)調査及び審査

  • ①旧法下では”self-assessment” patent systemが採用されており、発明に特許性に係る拒絶理由が存在していても、出願人が望めば特許を取得することができました。このため、クレーム発明が特許可能であるか否かを特許付与前に立証する責任は出願人が負っていました。

    改正特許法では、上記”self-assessment” patent systemから"positive grant” patent systemに移行されました。上記"positive grant” patent systemでは、ポジティブに実体審査(新規性、進歩性、産業上の利用可能性等の要件を充足するか否かが審査されます)を行った結果、クレーム発明が特許可能である場合に特許が付与されます。さもなければ、当該特許出願は拒絶されます。

  • ②出願人は下記のオプションA~Cのいずれかを利用して手続きを進めます(特許法第29条)。

    (a) オプションA(調査及び/または審査)
    オプションA-1:出願人が調査報告を求める請求書をファイルすると(特許法第29条(1)(a))、調査報告が作成され、所定期間内に出願人が審査報告を求める請求書をファイルすると(特許法第29条(3))、審査報告が作成されます(特許法第29条(4))。
    オプションA-2:出願人が調査及び審査報告を求める請求書をファイルすると(特許法第29条(1)(b))、調査及び審査報告が作成されます(特許法第29条(5))。

    (b) オプションB(対応出願等の調査報告等に基づく審査)
     出願人が、対応出願、対応国際出願、又は、関連国内段階出願の調査報告等の最終段階に依拠する審査報告を求める請求書をファイルすると(特許法第29条(1)(c))、当該審査報告が作成されます(特許法第29条(4))。

    (c) オプションC(対応出願の特許査定・付与、又は国際予備報告書等への依拠に基づく補充審査)
     対応出願等の調査及び実体審査、又は、国際段階の出願の調査及び実体審査の最終結果に依拠する出願人が、補充審査報告を求める請求書をファイルすると(特許法第29条(1)(d))、見解書が発行され、上記見解書に対して出願人は3か月以内に応答することができます。そして、上記見解書発行日から6か月以内に補充審査報告が作成されます(特許法第29条(6))。上記見解書の発行は1回のみです。
     なお、旧法下では、対応外国出願の実体審査結果に基づいてシンガポール特許を発行させる場合、ファーストトラックからスロートラックへ移行することにより、優先日から60か月まで、審査請求を遅らせることが可能でしたが、改正法で実施される補充審査の場合、優先日から54か月以内に補充審査を請求する必要があります。
     このため、旧法下での60か月よりも6か月早く対応外国出願の実体審査が完了している必要があります。

  • ③特許付与適格手続
    (a) 上記審査報告、上記調査及び審査報告、又は上記補充審査報告が拒絶を含まないなら、特許付与適格通知が出願人に発行されます(特許法第29A条(1))。

    (b) 上記審査報告、上記調査及び審査報告、又は上記補充審査報告が拒絶を含むならば、出願を拒絶する意図の通知が出願人に発行されます(特許法第29A条(3))。

    (c) 出願人は、書面、補正書を提出してレビューを請求することができます(特許法第29A条(3)、同法第29B条(1)(2))。

    (d) レビューが完了すると、審査官は審査レビュー報告を作成します(特許法第29B条(3))。

    (e) 審査レビュー報告で拒絶が解消したと認められると、特許付与適格通知が出願人に通知されます(特許法第29B条(5)(b)(i))。

    (f) 審査レビュー報告で拒絶が存在すると認められると、出願の拒絶通知が発行されます(特許法第29B条(5)(b)(ii))。当該拒絶通知に対しては高等裁判所に不服申し立てをすることができます。

(6)特許付与
 以下の条件が満たされていれば特許が付与されます(特許法第30条)。

  • ①方式要件がすべて満たされること
  • ②特許法第29A条(1)又は同法第29B条(5)(b)(i)の特許付与適格通知を出願人が受け取ること
  • ③特許付与のための所定の書面がファイルされること


(7)存続期間

  • ①特許は特許証の交付日に効力を生じ、存続期間は出願日から20年で終了します(特許法第36条(1))。
  • ②上記存続期間は、次の理由のいずれかに基づいて延長することが可能です(特許法第36A条)。
    (a) シンガポール特許庁において、特許付与にあたり登録官による不当な遅延があったこと

    (b) 対応出願の査定又は付与、若しくは、関連国内段階移行出願のサーチ結果及び審査結果を根拠に特許付与がなされており、対応特許、又は、関連国内段階移行特許の交付に不当な遅延があり、対応特許、又は、関連国内段階移行特許が当該遅延を根拠にその特許期間が延長されたこと

    (c) 特許対象に薬品の有効成分にあたる物質が含まれており、
    ・有効成分にあたる当該物質を用いた最初の薬品であったため、販売承認までの過程において時間を要したため、特許活用の機会が不当に短縮された。
    ・上記理由によって、以前に特許期間が延長されたことがない。

(8)異議申立制度
 シンガポールでは、特許に関する異議申立制度はありません。


(9)無効審判制度
 申請に基づいて、限定列挙された理由により、特許が命令で取り消されます(特許法第80条(1))。


(10)実用新案
 シンガポールでは、実用新案を保護する法律上の制度はありません。





■3.意匠

(1)出願ルート
 シンガポールはパリ条約に加入しており、パリルートを利用することができます。


(2)登録の基準

  • ①新規な意匠は登録することができます(シンガポール意匠法(以下、「意匠法」といいます)第5条)。
  • ②意匠の保護対象が下記のものにまで拡大された。
    a)バーチャルキーボード等の非物理的製品
    b)意匠の特徴としての色彩
    c)手作りジュエリーなどの手作り物品の意匠
  • ③公序良俗に反する意匠、コンピュータ・プログラム、集積回路の配置デザイン等は意匠登録することができません(意匠法第6条、同法第7条)。

(3)出願書類

  • 願書(意匠法第11条、意匠規則13)
  • 多意匠一出願制度(同一の分類に限る、50意匠まで)
  • 意匠の表示として提出することができる意匠の異なる図(意匠規則14)
  • 出願人が新規であると認める意匠の特徴を説明する陳述(意匠規則15)

(4)審査
 方式要件のみが審査され、意匠が登録されます(意匠法第16条~第20条)。


(5)権利保護期間
 意匠の最初の権利保護期間は登録日から5年です。その後、5年ごとに更新することができ、最長15年間保護を受けることができます(意匠法第21条(1)(2))。


(6)無効審判制度
 利害関係人は、登録官又は裁判所に対し、所定理由により意匠の登録の取消を申請することができます(意匠法第27条)。


4.商標

(1)出願ルート
シンガポールは、パリ条約とマドリッド協定に加入しており、パリルートを利用でき、又は、マドリッド協定による国際商標登録による保護を求めることができます。



(2)商標登録の基準
①登録される商標は、

  • 文字、単語、名称、署名、数字、図形、ブランド、標題、ラベル、チケット、形状、色、包装の外観又はこれらの組み合わせを含み、
  • 図形表示することができ、
  • 権利者の商品、サービスと他者の商品、サービスとを区別することができることが必要です(シンガポール商標法(以下「商標法」といいます)第2条(1))。

②以下に該当する商標は登録されません。
  • その出願が悪意でなされたもの(商標法第7条(6))
  • 公序良俗又は道徳に反するもの(商標法第7条(4)(a))
  • 商品、サービスの性質、品質若しくは原産地に関して公衆を欺瞞するような性質のもの(商標法第7条(4)(b))
  • その使用がシンガポールにおいて成文法又は法の支配により禁じられるもの(商標法第7条(5))
  • 単に記述的なもの(商標法第7条(1)(c))
  • 商品、サービスの取引慣行において慣例となった標章又は表示で専ら構成される商標(商標法第7条(1)(d))
  • 既存登録商標又は未登録商標と同一又は類似であり、当該商標の商品、サービスと同一又は類似しており、公衆の側に混同を生じさせるもの(商標法第8条(1)(2))
  • 周知商標と同一又は類似のもの(商標法第8条(4)(5))


(3)出願書類
出願には、

  • ①商標の登録出願を含め、
  • ②出願人の名称及び住所を記載し、
  • ③商標の明瞭な表示を含め、
  • ④登録しようとする商標に関連する商品又はサービスを列挙し、
  • ⑤(i) 商標が業として出願人により又はその同意を得て商品又はサービスについて使用されていること、又は
      (ii)出願人が、商標がそのように使用されるという善意の意思を有することを記載します(商標法第5条(2))。


(4)出願審査

  • ①登録官は、商標登録出願を審査し、登録要件が満たされていない場合は、出願人に通知し、意見陳述、補正の機会を与えます(商標法第12条(1)(2))。
  • ②出願人が所定期間内に応答したが、登録要件が満たされなかった場合、登録官は出願を拒絶することができます(商標法第12条(4))。
  • ③登録要件を満たしていると認める場合は、登録官は出願を認容します(商標法第12条(5))。


(5)公告及び異議申立手続

  • ①出願が認容されると、登録官は出願を公告します(商標法第13条(1))。
  • ②何人も、出願公告日から2か月以内に登録官に異議を申し立てることができます(商標法第13条(2)、商標規則29)。


(6)登録
 出願が認容された場合、異議申立が所定期間内に行われない場合、若しくは、全ての異議申立手続が棄却され又は出願人に有利に決定された場合は、登録官は商標を登録します(商標法第15条(1))。



(7)登録商標の有効期間

  • ①商標の登録は登録日から10年間有効です(商標法第18条(1))。
  • ②登録は、所定要件下で、さらに10年間ずつ更新することができます(商標法第18条(2))。


(8)無効審判制度
 商標登録は、所定の理由により、無効が宣言されます(商標法第23条)。



5.参考資料


(1)シンガポール特許庁 ホームページ:IP Legislation (Patents Act, Registered Designs Act, Trade Marks Act)
 http://www.ipos.gov.sg/AboutIP/IPLegislation.aspx

(2)日本国特許庁 ホームページ:外国産業財産権制度情報(シンガポール法令和訳(特許法、意匠法、商標法))
 http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/mokuji.htm

(3)日本国外務省 ホームページ:シンガポール共和国 基礎データ
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/singapore/data.html

(4)「模倣対策マニュアル シンガポール編 2012年3月 日本貿易振興機構(ジェトロ)」
 http://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/manual/pdf/singapore2012_1.pdf



担当弁理士


弁理士/特定侵害訴訟代理人
スペシャリスト
野山 孝 (のやま たかし)
1955年生まれ 機械工学専攻
研究経験:民生用VTR、電子部品実装機
専門分野:電子、通信、コンピュータ(IT)、物理、機械

電気、機械分野の発明の付加価値を高めた高品質な知的サービスを迅速に提供してまいります。
企業での研究経験も生かしつつ、常にお客様の立場に立って誠実に対応することを心がけております。



弁理士
五位野 修一 (ごいの しゅういち)
法学部出身
特許庁商標課で調査員として3年間、業務に従事。

特許庁で培った経験を糧に、日々自己研鑽に励み、お客様の多種多様なビジネス
のお役に立てるよう、精一杯努力してまいります。



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