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US FOAにおけるFinalityの妥当性

特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
平成20年01月28日
(文責:新 井)

1.Final OAの発行について
米国特許出願の審査段階で、審査官は、2回目以降のOffice ActionをFinal Rejectionとすることができます(37 CFR 1.113(a))。ただし、Final Office Actionが、前回までのOffice Action において通知されるべきであった拒絶理由を含む場合は、この限りではありません。

留意すべきは、前回のOffice Action において出願人が行った補正により新たな拒絶理由が必要になったり、First Office Action 後に提出したIDS(37 CFR 1.97(c) with the fee set forth in 37 CFR 1.17(p))に係る情報により新たな拒絶理由が必要になった場合、Final Rejectionとされます(MPEP § 706.07(a))。

また、新規出願において、次の(A)(B)を満足する場合にFirst Action Finalが発行されます(MPEP § 706.07(b))。
(A) 新規出願が継続出願であるか、又は”a substitute for an earlier application”(たとえば、RCE等)である場合。
(B) 新規出願の全クレームが先の出願のクレームと同じであると共に、先の出願において受理されていたら、次のOffice Actionにおいて引用済の引用文献により認定済の拒絶理由によって最終拒絶されていたであろう場合。

なお、上記のFirst Action Finalを回避するためには、preliminary amendment(37 CFR 1.115)をファイルし、これにより、新たな争点(new issue)を提起する必要があります。

2.Final Office Actionが発行される具体例
 従来技術に係る拒絶理由を克服するためではなく、記載不備に係る拒絶理由(35USC §112, second paragraph下の拒絶理由)を克服するためだけに補正を行った場合であっても、そのような補正によって新たな拒絶理由が必要になったと審査官が認定すれば、Final Office Action が発行されてしまいます。以下に、具体的に例を挙げて説明します。

【具体例1】
non-Final Office Actionに対する応答の際、従来技術に係る拒絶理由に対してではなくて、記載不備に係る拒絶理由(35USC §112, second paragraph下の拒絶理由)に対してクレームを明瞭にするための補正を行った場合でも、審査官は、出願人によって行われた補正によってクレームの範囲が変更されたので、新たな拒絶理由が必要になった旨を認定することが可能です。このように認定されると、Final Office Actionが発行されます。

【具体例2】
non-Final Office Actionにおいてクレームが先行詞欠如により不明瞭であると認定されることがあります。これに対して”the” を ”a” に補正した場合、このような補正によって新たな拒絶理由が必要になった旨、審査官は認定する可能性があります。このように認定されると、Final Office Actionが発行されます。

【具体例3】
non-Final Office Actionにおいて従来技術に係る拒絶理由等に対し、従属クレームの従属先を変更する補正を行った場合、審査官は、従属先を変更するという出願人の補正によってクレームの範囲が変更され、その結果、新たな拒絶理由が必要になった旨の認定を行うことが可能です。このように認定されると、Final Office Actionが発行されます。

【具体例4】
non-Final Office Actionにおいてクレームが不明瞭であるとの審査官の認定に対し、クレームに記載のタームが広くなるように変更する補正を行った場合、審査官は、このような補正によって新たな拒絶理由が必要となった旨の認定を行うことが可能です。このように認定されると、Final Office Actionが発行されます。

3.Final Office Action に対して講じ得る措置
上記具体例のように、補正を行う場合にFinal Office Actionが発行される可能性があることを考慮してnon-Final Office Actionに対して対応するようにしてください。実際、ケースによっては、上記具体例に示すような補正を行わざるを得ない場合も多くあります。Final Office Actionを受領した場合、以下のような措置を講ずることが可能です。

Final Office Action受領後、出願人は、少なくとも、(i) Response after Finalをファイルする、(ii) RCE手続を行う、(iii) 継続出願を行う、(iv) Notice of Appealをファイルすると共に Pre-Appeal Brief Conferenceを請求し、同時にPre-Appeal Briefをファイルする、又は(v) Notice of Appealをファイルするの何れかの措置を講ずることが可能です。これらの措置以外に、上記の各手続前に、担当審査官との間で個人面談または電話協議を行うことも有効な場合があります。ただし、Final Office Action 後に、個人面談または電話協議を行うか否かは、審査官の裁量事項であることに留意ください(MPEP § 713.09)。

なお、Final Office Action受領後に、上記(i) のResponse after Finalをファイルする場合、出願人は、new issueを提起しない場合に限って、反論を行うことが可能です。ただし、出願人は、権利として補正できる(37 CFR 1.116(d))のではなく、審査官が認めなければ補正することができません。また、補正をする場合であっても、以下のように制限が課せられています(37 CFR 1.116)。

・ 新規事項(new matter)を追加する補正は認められない(35 U.S.C. 132, 37 CFR 1.121(f))ことに加えて、new issueを提起する補正も認められません(37 CFR 1.116(c))。
・ 審査官が特許可能な状態にすると認めた補正は認められます。例えば、拒絶されたクレームを削除するような補正や、許可可能な状態にある従属クレームをその独立クレームに組み入れるような補正は認められます(37 CFR 1.116(b))。
・ 審判のためにより良い形式にする補正(たとえば、審判における争点を明確にする補正等)は認められる可能性があります(37 CFR 1.116(b))。


以 上

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