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CAFCがコンピュータ関連発明の法定主題について大法廷再審理を決定

特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
2012年10月15日
(文責:新 井)

1. はじめに

(i) プロセス(process)、(ii) 機械(machine)、(iii) 生産物(manufacture)、(iv) 組成物(composition of matter)、(v) これらの改良のいずれかに属する場合に、米国特許法第101条に規定の発明法定主題と認定されます。これに対し、芸術、自然現象、抽象的概念、自然法則等は発明法定主題ではないとされています。

コンピュータ関連発明に係るプロセスが発明法定主題と認定されるためには、当該プロセスがコンピュータの外部において物理的変形を生じさせるものであるか、あるいは当該プロセスが単なる抽象的な概念ではなく技術上のpractical application(実用的な応用または実用的な用途)に限定されている必要があります。なお、物理的変形を生じさせる工程は、コンピュータ内の処理に続く工程に起因する物理的動作であってもよく、また、コンピュータの外部において計測された物理的対象や活動をコンピュータデータに変換する工程であってもよいとされています。


USPTOが公表したコンピュータ関連発明の審査基準によれば、コンピュータ関連発明に係るクレームが記述物(descriptive material)のみによって規定されている場合、米国特許法第101条に規定の要件を充足しないと認定されます。

上記の記述物には、機能的なものと非機能的なものとがあります。このうち、機能的な記述物は、コンピュータ読み取り可能な媒体に記録されたときに機能を果たすようなデータ構造コンピュータプログラムとに分類されます。機能的な記述物は、コンピュータ読み取り可能な媒体に記録されている場合、媒体との間に構造的且つ機能的な相互関係を有するという理由により、通常は、発明法定主題と認定されます。

これに対して、非機能的な記述物は、コンピュータ読み取り可能な媒体に記録されていたとしても、媒体との間に構造的且つ機能的な相互関係を有するものではなく、単にその媒体によって持ち運ばれているに過ぎないという理由で、発明法定主題とは認定されません。

practical applicationに関するいかなる限定も含まない、単なる抽象概念の操作のみから構成されるプロセスは、発明法定主題ではないと認定されます。クレーム発明が、抽象概念のpractical applicationに関する限定を含むかどうかを決定するためには、出願当初明細書の記載に基づいて、クレーム全体として解析されなければならないとされています。この際、用途または使用分野を示す記述、データ収集動作、後続動作等が評価されなければならず、ある技術分野におけるpractical applicationに関する限定の記載をクレーム発明が欠いている場合に限って、米国特許法第101条を充足していないと認定されます。

このたび、コンピュータ関連発明の法定主題性について、CAFCの大法廷で再審理が行われることになりました。*1



2. 本件の簡単な経過説明

2007年5月、コロンビア地区の連邦地方裁判所において、CLS BANK INTERNATIONALおよびCLS SERVICES LTD.(以下、CLS BANKらという)は、Alice Corporationの特許が無効であるとの理由でdeclaratory judgmentを提起したのに対し、Alice CorporationはCLS BANKがAlice Corporationの特許権を侵害していると反訴していました。


Alice Corporationは、4件の米国特許(U.S. Patent Nos. 5,970,479, 6,912,510, 7,149,720, and 7,725,375)を所有しており、これらの特許は、債務の交換のための商取引コンピュータシステムに係り、信頼できる第三者機関が、両当事者の債務を交換するか、あるいは、両当事者の債務を交換しないことによって当事者間の債務を決済し、一方の当事者のみが債務を履行すという決済リスクを除去することを規定しています。


2009年3月、CLS BANKらは、Alice Corporationの特許が米国特許法第101条に規定の要件を充足していない旨のsummary judgmentを請求し、これに対し、Alice Corporationは反訴しましたが、In re Bilski, 545 F.3d 943 (Fed. Cir. 2008) (en banc)が審理中であったという理由により、連邦地方裁判所によって却下されました。
Bilski事件の最高裁判決後、両当事者はsummary judgmentを再度請求し、2010年5月、Alice CorporationのU.S. Patent No. 7,725,375が特許発行されたのを機に、2010年8月にCLS BANKらがAlice Corporationの全てのクレーム発明を侵害している旨を改めて主張しました。CLS BANKらは、U.S. Patent No. 7,725,375が米国特許法第101条に規定の要件を充足していないので無効であると改めて主張しました。


以上を受けて、連邦地方裁判所は、CLS BANKらのsummary judgmentの請求を認めたのに対し、Alice Corporationのcross-motionを却下し、Alice Corporationの上記4件の特許のいずれのクレーム発明も、米国特許法第101条に規定の発明法定主題の要件を充足していないので無効である旨の判決を下しました(CLS Bank Int’l v. Alice Corp., 768 F. Supp. 2d 221 (D.D.C. 2011))。この判決に際し、連邦地方裁判所は、上記特許の方法クレーム発明に対し、”machine-or-transformation test”、および”the abstract idea exception”に基づいて解析し、次のように認定しました。すなわち、”machine-or-transformation test”に関しては、方法クレームにおいて名ばかりで汎用コンピュータを文言しても、それは特定のmachine or apparatusに結び付けるものではないので、米国特許法第101条に規定の発明法定主題ではないと共に、”the abstract idea exception”に関しては、方法クレームは、fundamental ideaに係るものであるので、米国特許法第101条に規定の発明法定主題を規定するものではない


それから、連邦地方裁判所は、上記特許のコンピュータシステム・クレーム発明および媒体クレーム発明について解析し、”[t]he system claims . . . represent merely the incarnation of this abstract idea on a computer, without any further exposition or meaningful limitation”及び”the product claims, the court concluded that they “are also directed to the same abstract concept, despite the fact they nominally recite a different category of invention under § 101 than the other claims”と認定しました。


連邦地方裁判所の上記の判決を不服とし、Alice Corporationは、CAFCに控訴しました。
2012年7月9日に、CAFCは、Alice Corporationの特許に記載の方法クレーム発明、システムクレーム発明、及びプロダクトクレーム発明は、米国特許法第101条に規定の発明法定事項に係るものであるという理由により、連邦地方裁判所の上記判決を破棄しました。


本件特許クレーム発明は、特定の方法でビジネス概念を実用的に応用するものであり、”use of a machine”よりも”industrial uses”の方がより本質的である又はより限定的であるのに加えて、本件特許クレーム発明には種々の限定事項が記載されているので、クレーム発明が明々白々に米国特許法第101条に規定の発明法定事項ではないとは認定できない旨、CAFCは判示しました。



3. 大法廷再審理

2012年10月9日に、CAFCは、本件に係る先の判決に対して大法廷で再審理することを決定しました。*2 大法廷においては、次の2つの事項について再審理される予定です。


  • (A) What test should the court adopt to determine whether a computer-implemented invention is a patent ineligible “abstract idea”; and when, if ever, does the presence of a computer in a claim lend patent eligibility to an otherwise patent-ineligible idea?
  • (B) In assessing patent eligibility under 35 U.S.C. § 101 of a computer-implemented invention, should it matter whether the invention is claimed as a method, system, or storage medium; and should such claims at times be considered equivalent for § 101 purposes?


*1 LINK: http://inventivestep.files.wordpress.com/2012/10/2011-1301-order.pdf
*2 LINK: http://inventivestep.files.wordpress.com/2012/10/2011-1301-order.pdf

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