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US重要判決の仮訳(分子病理学協会他 対 ミリアド・ジェネティクス社他)

特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
2013年07月23日
(文責:鈴 木)


米国連邦最高裁判所

要旨

分子病理学協会他

ミリアド・ジェネティクス社他

連邦巡回控訴裁判所へ裁量上訴

No. 12-398
弁論 2013年4月15日
判決 2013年6月13日


ヒト遺伝子は、二重らせん構造をなすデオキシリボ核酸(DNA)としてコード化されている。この二重らせんにおける「横棒」は、それぞれ、化学的に結合された2つのヌクレオチドからなる。DNAヌクレオチド配列は、体内のタンパク質を形作るアミノ酸の列を形成するのに必要な情報を含むものである。アミノ酸をコードするヌクレオチドは「エキソン」と呼ばれ、アミノ酸をコードしないヌクレオチドは「イントロン」と呼ばれる。科学者らは、研究をするという目的の為、細胞からDNAを抽出して、特定の断片を単離することができる。また、科学者らは、相補的なDNA(cDNA)として知られる、エキソンのみからなるヌクレオチド配列を、人工的に生成することができる。cDNAには、DNA中に存在するエキソンのみが含まれており、イントロンは介在していない。

被告のミリアド・ジェネティクス社(以下、ミリアド)は、変異すると乳がん及び卵巣がんのリスクを劇的に増加させる遺伝子BRCA1及びBRCA2の正確な位置と配列とを発見して、複数の特許を取得した。この知見により、ミリアドは前記遺伝子の典型的なヌクレオチド配列を解明することができた。これにより、ミリアドはさらに、個々の患者の発がんリスクを評価するために、その患者の前記遺伝子における変異を検出するのに有用な医療検査を開発することができた。取得した特許を有効とする場合、ミリアドは患者の遺伝子BRCA1及びBRCA2を単離する排他的権利を手にし、BRCAのcDNAを人工的に生成する排他的権利を手にすることになる。上訴人は、ミリアドの取得した特許は米国特許法第101条により無効であるとの判決を求める訴訟を起した。これに関連して、米国連邦地方裁判所は、上訴人に対して、ミリアドの請求項は自然の生成物をその範疇に含むため無効であるとする略式判決を下した。連邦巡回裁判所は当初、この判決を覆したが、後にMayo Collaborative Services v. Prometheus Laboratories, Inc., 566 U.S. ___を考慮して本件が差し戻されると、連邦巡回裁判所は、単離されたDNAとcDNAとの両方について、その特許適格性を認めた。





2 分子病理学会 対 ミリアド・ジェネティクス社

要旨


判決:自然に存在するDNA断片は自然の生成物であり、単離しただけでは特許適格性を有しないが、cDNAは自然には存在しないため、特許適格性を有する。10~18頁を参照のこと。

(a)特許法は、「新規かつ有用な方法,機械,製造物若しくは組成物…した者」(第101条)に対して特許を発行することを認めているが、「自然法則、自然現象、及び抽象的概念」は、「『科学的・技術的研究の基本的ツール』であり、特許により保護される範囲の外にあるものである」(前記Mayo、___)。しかしながら、自然に存在するものを対象とする特許を認めない規定には制限がある。特許保護制度では「創作、発明及び発見を促す励み」を作り出すことと、「発明することを可能にする、または、発明することを促進するものである情報の流れを妨げること」(同上、___)との微妙なバランスが取られている。この基準に基づき、ミリアドの取得した特許が「新規かつ有用な方法,機械,製造物若しくは組成物」(第101条)を請求項に記載したものなのか、または自然に存在する現象を請求項に記載したものなのかを判定する。10~11頁を参照のこと。

(b)ミリアドによるDNAの請求項は、自然法則に係る例外に該当する。遺伝子BRCA1及びBRCA2の正確な位置と遺伝子配列とを発見したことが、ミリアドによる主な貢献であった。そのような行為が「自然に存在するいかなる特徴とも顕著に異なる特徴を有する」(同上、310)新規な行為であるかどうか、という特許適格性の有無をDiamond v. Chakrabarty, 447 U.S. 303を主に参照して審理する。ミリアドは、遺伝子BRCA1及びBRCA2においてコード化された遺伝情報の生成も変更もしておらず、前記DNAの遺伝子構造の生成も変更もしていない。ミリアドは確かに重要かつ有用な遺伝子を発見したが、先駆的な発見、革新的な発見、または目覚ましい発見であっても、それだけでは第101条の要件を満足するものではない。Funk Brothers Seed Co. v. Kalo Inoculant Co., 333 U.S. 127を参照のこと。遺伝子BRCA1及びBRCA2の位置を特定しても、それら遺伝子は、特許適格性を有する「新規…組成物」(第101条)とはならない。ミリアドの取得した特許の記載を見れば、ミリアドの請求項における問題点が見て取れる。すなわち、それらの請求項には大変な発見過程が詳細に詳述されているが、大変な努力をしたというだけでは、第101条の要件を満足するには不十分である。ミリアドの請求項は、遺伝子の分子を互いに結合する化学結合を切断することによってヒトゲノムからDNAを単離するという事実によってその有効性を認められることはない。ミリアドの請求項は、化学組成によっては表現されておらず、また、特定のDNA断片を単離することによる化学変化に依拠するものでもない。その代わりに、ミリアドの請求項は、遺伝子BRCA1及びBRCA2において記されている遺伝情報に着目している。また、ミリアドは、米国議会がその後の法制化によって米国特許商標庁の慣行を是認したケースであるJ. E. M. Ag Supply, Inc. v. Pioneer Hi-Bred Int'l, Inc., 534 U.S. 124を引用して、遺伝子特許を付与するという米国特許商標庁による過去の慣行は尊重されるべきであると主張している。そのような是認はされておらず、アメリカ合衆国は、連邦巡回裁判所と本法廷とにおいて、単離されたDNAは、第101条により特許適格性を有しないと主張した。12~16頁を参照のこと。





3 569 U. S. ____(2013)として引用

要旨


(c)cDNAは「自然の生成物」ではなく、したがって第101条により特許適格性を有する。自然に存在し、単離されたDNA断片については、その特許性に対する障害が存在するが、cDNAについては、それと同一の障害が存在するものではない。cDNAを生成すると、エキソンのみからなる分子を生じるが、エキソンのみからなる分子は自然には存在しないものである。前記分子におけるエキソンの順序は、自然が作用したものかもしれないが、DNA配列からイントロンを除去してcDNAを生成するという行為は、実験技術者が新規な何かを創作する行為となることに疑いの余地はない。16~17頁を参照のこと。

(d)ただし、本件は、方法クレーム、遺伝子BRCA1及びBRCA2についての知見の新規な適用法に対する特許、自然に存在するヌクレオチドの順序を変えたDNAの特許性、のいずれとも関係しない点に留意されたい。17~18頁を参照のこと。689 F. 3d 1303、一部認容、一部破棄。



以 上




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