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米国における第三者による情報提供制度
特許業務法人 原謙三国際特許事務所
平成21年04月27日
(文責:新 井)
1.はじめに
先行技術に係る情報を提供することによって、特許の無効化、または特許出願の特許性を否定するOAを発行させることが可能です。例えば、発行済の特許に対して先行技術の存在を通知する手段として、Ex Parte Reexaminations (see MPEP 2200 et seq.* ) やInter Partes Reexaminations (see MPEP 2600 et seq.) があります。これら以外に、Protests (see 37 CFR 1.291* ; MPEP 1900 et seq.) という手続もあります。
以下に、第三者による情報提供(see 37 CFR 1.99* ; MPEP 1134-1134.01* )について説明します。なお、第三者による情報提供に間する利用状況の統計は発表されていませんが、ここでは、情報提供の戦略に関する一般的な情報を説明します。
2.第三者による情報提供の戦略に関する一般的な情報
(2.1) 37 CFR 1.99下の第三者による情報提供
第三者による情報提供は、ペンディング特許出願に対して何人も可能な手続です。この手続においては、合計10個までの特許および刊行物の写しと、それらのリストおよび各文献の公開日とを通知する必要があります。プロテスト手続と異なり、特許出願の審査に関連があり有用であると考えられる他の種類の情報を提出することは認められていないと共に、提出する特許および刊行物と対象となる特許出願との間の簡潔な関連性の説明を提出することは認められていません。提出する特許および刊行物が非英語言語で記載されている場合、英語翻訳文の提出が必要となります。
MPEP 1143.01 には、第三者による情報提供の手続において提出してはいけないものとして次の事項が挙示されています。
1) More than ten (10) total references;
2) Explanations of the patents or publications;
3) Documents other than patents or publications (e.g., the submission cannot include any affidavits or declarations); or
4) Markings or highlights on the patents or publications.
(2.2) 情報提供手続に要する費用と期限
第三者による情報提供の手続に要するOfficial Feeは、$180.00 (37 CFR 1.17(p))です。
第三者による情報提供には時期的制限があります。すなわち、出願公開から2ヶ月以内(see 37 CFR 1.215(a))、またはNotice of Allowance(see 37 CFR 1.311)の郵送行前の何れか早いときまでに、この手続を行う必要があります(37 CFR 1.99(e))。なお、出願再公開は、出願公開の範疇外です。
(2.3) 情報提供の提出方法
情報提供者は、手続期間中に、USPTOから一切のcommunication を受領することはありません。所謂、一方通行の手続です。
情報提供者は、提供したい情報をUSPTOにファイルすると共に、対象となる特許出願の特許弁護士を介して出願人に提供情報を送付しなければなりません(特許弁護士がいない場合には、直接出願人に提供情報を送付する。)(37 CFR 1.248)。
(2.4) 不適切に提供された情報
第三者により情報提供が規則を遵守したものではなかった場合、情報提供者は、審査官が提供情報および出願ファイルを受領する前であれば、不適切な情報については情報提供から取り除くことが可能です。
USPTOは、提供された情報が特許または刊行物に限られているかどうかを確認し、それらの文献に係る関連説明については提供物から除去します。このような関連説明が提供情報から分離し得ない場合には、提供された情報は処分されます。
第三者による情報提供が適時に行われたかどうかの判断において、35 USC 111(a)下でファイルされた出願の公開日は、35 U.S.C. 122(b)下の出願公開日であり、35 USC 371 に基づいてPCT出願の国内段階へ移行した出願の公開日は、WIPOによる公開日となります。ただし、November 29, 2000後に国内移行していることが前提です。
(2.5) 手続期限後の情報提供
第三者による情報提供の期限が過ぎてしまっていた場合にも、情報提供は可能です。しかし、このような場合、情報提供者は、特許および刊行物がUSPTOに手続期限内に提出しようと思ってもできなかった理由を説明しなければなりません。
なお、MPEP 1134.01 によれば、出願公開後に、上記手続期間中に予想できなかったであろう程度までクレームの範囲を変更する補正がなされた場合には、本来の手続期限の経過後であっても、第三者による情報提供は正当なものとして受理されます。PCT出願が非英語言語でファイルされ且つ英語で公開されなかった場合、本来の手続期限が経過してしまっていても、第三者による情報提供が正当なものとして受理されます。
なお、本来の手続期限の経過後に行われる情報提供には、次のものを併せて提出および支払うことが必要となります。
1) 特許および刊行物をUSPTOにもっと早く提出しようと思ってもできなかった理由書
2) 37 CFR 1.17(i) に規定の所定の費用の支払
(2.6) 情報提供後の審査官の対応
第三者によって提供された情報が審査官に届くと、審査官は、直ちに、処理を開始します。審査官は、OAを発行しようとしている場合、該OAの作成の際に、提供された情報を検討することが可能です。OAの発行工程にない場合、審査官は、提供された情報を直ちに検討し、別途Office communicationを発行します。
(Link:
http://anticipatethis.wordpress.com/2009/04/20/third-party-submissions-providing-relevant-references-to-the-uspto-part-ii/#more-1060)
以 上