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米国RCE手続回数を最小にして審査を効率よく進める方法

特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
平成21年11月16日
(文責:新 井)

1.はじめに
米国特許出願のプロセキューションにおいて、RCE(Request for Continued Examination)がよく利用されます。RCEは、Final Office Action やAdvisory Action に対して講じ得る措置の一つであり、再出願することなくfinalityを解消するために行われる手続(包袋持ち上がりで、デクラレーションの提出が不要(see 37 CFR 1.114(a)))です(see 35 U.S.C. 132(b), 37 CFR 1.114)。

このように、RCEはfinalityを解消するために行われる手続ですので、発明の主題をスイッチする分割出願や一部継続出願の代用とはなりません(see MPEP §706.07(h)VII)。なお、留意すべきは、RCEを審判請求手続後にファイルした場合には審査再開(reopen the prosecution)の請求とみなされます(see 37 CFR 1.114(d))。

2.RCE手続回数の削減と審査の効率化
RCE手続は、いわゆる再出願ではありませんが、再出願と略同額の費用の支払いが必要となり、出願人に負担を強いることになります。そこで、以下に、RCE手続回数を削減すると共に審査を効率よく進めるための措置について説明します。

(2-1) Final Rejection 受領前の対応戦略
Final Rejectionを受領すると、実体的な補正を行うことができない * 、個人面談を求めても審査官が許可してくれるとは限らない等、出願人サイドで講じ得る措置が著しく制限されてしまいます。そこで、Final Rejectionを受領する前に、適切な措置を講じることが、RCE手続回数を削減すると共に審査を効率よく進める上で重要となります。

具体的には、non-Final OAに対し、講じ得る措置を全て講じておくことが好ましく、クレーム補正を行う場合であっても、発明の主題をスイッチするような補正は行うべきではなく、ペンディングクレームの再評価を行ったり、バックアップ用のクレームを追加する補正を検討したりすることが審査を有利に進める方策と言えます。これ以外に、審査官との面談(個人面談や電話協議や電話での問い合わせ)の機会を持つことが有効な措置となることもあります。

また、PCTルートの場合には、国際段階での補正の機会を利用し、国際出願時のクレームの妥当性の検討をしたり、バックアップ用のクレームを追加したりしておくことも有効な措置と言えます。パリルートの場合でも、First OAが発行される前に、国際出願時のクレームを再評価し、必要に応じてPreliminary Amendmentをファイルし、ペンディングクレームを補正したり、バックアップ用のクレームを追加したりしておくことが有効な措置と言えます。

(2-2) Final Rejection受領後の対応戦略
Final Rejectionを受領した場合、出願人は、少なくとも以下のような措置のうち、いずれかを講ずることが可能です。

(i) Response after Finalをファイルする。
(ii) RCE手続を行う。
(iii) 発明の主題をスイッチし、継続出願または分割出願を行う。
(iv) Notice of Appealをファイルすると共に Pre-Appeal Brief Conferenceを請求し、同時にPre-Appeal Briefをファイルする。
(v) Notice of Appealをファイルする。

なお、上記の措置以外に、上記の各手続前に、担当審査官との間で(場合によっては、担当審査官の上司も交えて)個人面談または電話協議を行うことも有効な場合があります。ただし、Final Office Action 後に、個人面談または電話協議を行うか否かの決定は、審査官の裁量事項であることに留意ください(see MPEP § 713.09)。

(2-3) Finaly の妥当性の検討
Final Rejectionを受領した場合、短絡的且つ安易に処理(たとえば、許可可能なクレームに縮減する補正やRCE手続)するのではなく、Finalityの妥当性の検討を行うべきです。

米国特許出願の審査段階で、審査官は、2回目以降のOffice ActionをFinal Rejectionとすることができます(see 37 CFR 1.113(a))。ただし、Final OAが、前回までのOA において通知されるべきであった拒絶理由を含む場合は、この限りではありません。

Finaly の妥当性の判断の際、特に、留意すべき事項】 ・前回のOAにおいて出願人が行った補正により新たな拒絶理由が必要になったり、First OA後に提出したIDS(37 CFR 1.97(c) with the fee set forth in 37 CFR 1.17(p))に係る情報により新たな拒絶理由が必要になった場合、Finalityは妥当である(see MPEP § 706.07(a))。

・Final Office Action において、前回のOffice Action 時に補正されなかったクレームに対して新たに挙示された引用文献に基づく拒絶理由が示された場合、たとえ前回の出願人による補正によって新たな引用文献を挙示することが必要となったクレームが他に存在していても、本Final Office Action のFinalityは不当なものとなる。

・35 USC §112 下の記載不備(the reason of incompleteness)が、”omitted element”を追加文言する補正によって解消されるであろうことが合理的に予想できる場合、本Final Office Action のFinalityは不当なものとなる。

【Final Office Actionが発行される具体例】
 従来技術に係る拒絶理由を克服するためではなく、記載不備に係る拒絶理由(35USC §112, second paragraph下の拒絶理由)を克服するためだけに補正を行った場合であっても、そのような補正によって新たな拒絶理由が必要になったと審査官が認定すれば、Final Office Action が発行されてしまいます。以下に、具体的に例を挙げて説明します。

【具体例1】
non-Final Office Actionに対する応答の際、従来技術に係る拒絶理由に対してではなくて、記載不備に係る拒絶理由(35USC §112, second paragraph下の拒絶理由)に対してクレームを明瞭にするための補正を行った場合でも、審査官は、出願人によって行われた補正によってクレームの範囲が変更されたので、新たな拒絶理由が必要になった旨を認定することが可能です。このように認定されると、Final Office Actionが発行される。

【具体例2】
non-Final Office Actionにおいてクレームが先行詞欠如により不明瞭であると認定されることがあります。これに対して”the” を ”a” に補正した場合、このような補正によって新たな拒絶理由が必要になった旨、審査官は認定する可能性がある。このように認定されると、Final Office Actionが発行される。

【具体例3】
non-Final Office Actionにおいて従来技術に係る拒絶理由等に対し、従属クレームの従属先を変更する補正を行った場合、審査官は、従属先を変更するという出願人の補正によってクレームの範囲が変更され、その結果、新たな拒絶理由が必要になった旨の認定を行うことが可能である。このように認定されると、Final Office Actionが発行される。

【具体例4】
non-Final Office Actionにおいてクレームが不明瞭であるとの審査官の認定に対し、クレームに記載のタームが広くなるように変更する補正を行った場合、審査官は、このような補正によって新たな拒絶理由が必要となった旨の認定を行うことが可能である。このように認定されると、Final Office Actionが発行される。

 妥当性判断の検討の結果、Finalityが妥当ではないとの結論に達した場合、少なくとも次の措置を講ずることが可能です。

(i) Finalityが妥当ではないので、新たなnon-Final OA又はNotice of Allowanceの発行を求める“petition”をファイルする。

(ii) Final OA に対する応答の際に、Finalityが妥当ではない旨を開陳すると共に、本OAがnon-Final OAという前提でResponse after Finalをファイルする。     この際、バックアップ用のクレームを新たに追加することを検討する。      たとえば、既存のクレームと同じ文言を使用せずに発明を規定したり、更に縮減したクレームを新たに作成したり、不要な限定を削除したクレームを作成したりすることが好ましい。
なお、独立クレーム及び主要な従属クレームの特許性について反論しておくことが好ましい場合もある。

(iii) “petition”をファイルする代わりに、可能な限り早期に担当審査官にコンタクトをとり、上記 (i) の内容を説明する。

ただし、上記 (i) の場合、たとえFinalityが不当であっても、既に発行されたFinal OAは有効であるとの推定のもとに処理が進むので、応答期限を徒過すると、特許出願は放棄扱いされてしまいます。

また、上記 (iii) の場合、審査官が出願人サイドからのコンタクトを拒む、あるいは、直ぐにはコンタクトに応じない可能性が非常に高くなります。

加えて、Finalityの取り下げは、特許出願がペンディング中に行われる必要があります(なお、Finalityは審判の理由にはなりません。)。

これらの事情に鑑み、上記(ii) の措置を講ずることが好ましいと考えます。

(2-4) Pre-Appeal Brief Conference手続の活用
拒絶理由が不当な場合に講じ得る他の措置として、”Pre-Appeal Brief Conference”を請求することが挙げられます。この手続は、少なくとも次のような場合に効果的です。

・ 審査官が、実体的に本願クレーム発明を誤解している。
・ 審査官が、法律を誤って適用している。
・ 審査官が、前回に行った出願人の反論等に応答していない。
・ 審査官の認定が、合理的な理由、合理的な根拠、若しくは合理的なサポートに基づくものではない。
・ 審査官が、従来技術を誤解している。

なお、この手続に係るDecisionは、通常、請求後45日以内に発行されます。上記Decisionの結果、Finality が取り下げられてnon-Final OAが発行された場合、審査を有利に進めるための上述の措置を講ずることが可能となります。また、”Pre-Appeal Brief Conference”を請求した場合に、出願人にとって好ましいDecisionが発行される割合は、最近では50%を超えると言われています。

この手続は、具体的には、Appeal Brief をファイルする前に、拒絶理由の法的根拠および事実上の根拠をa panel of Examiners(担当審査官、その上司、及び経験豊かな第3の審査官の合議体) に再検討してもらう機会を出願人に付与するためのものです。この機会を利用することにより、a panel of Examiners が審判手続不要と判断した場合、Appeal Brief を作成するための時間と費用を節減することが可能となります。

Pre-appeal brief conferences を請求するためには、”a Request for Pre-Appeal Brief Conference” を審判請求と同時にファイルすることが必要です。

”a Request for Pre-Appeal Brief Conference” においては、簡明で、簡潔で、論点の絞られた再検討の請求理由(特に、拒絶理由やprima facie rejection の確立に必要な必須要素の欠落等における審査官の明白な過失を特定すること。)をA4で5頁以内で開陳することが求められています。ただし、上記請求理由は、”a Request for Pre-Appeal Brief Conference” の一部であり、同時にファイルすることが必要です。

上記手続の請求後、Pre-appeal brief conferences が実施されると、本件出願のステータスに関する決定についてUSPTOから郵送による通知を受領します。

 具体的には、次の (1) ~ (4) のいずれかが通知されます。

(1) 審判手続をする少なくとも一つの実効的な争点が存在するので、本審判手続を続行する。
(2) 本件のプロセキューションを再開する(追って、Official Communication が送達される。場合によっては、補正案が添付され、これに出願人が同意すれば、Notice of Allowance が送達される。)。
(3) 出願が許可可能状態にあるので、プロセキューションを終了する。
(4) 要件を満足していないので、本審判請求を却下する。


以 上


*1
・新規事項(new matter)を追加する補正は認められない(35 U.S.C. 132, 37 CFR 1.121(f))ことに加えて、new issueを提起する補正も認められません(37 CFR 1.116(c))。
・審査官が特許可能な状態にすると認めた補正は認められます。例えば、拒絶されたクレームを削除するような補正や、許可可能な状態にある従属クレームをその独立クレームに組み入れるような補正は認められます(37 CFR 1.116(b))。
・審判のためにより良い形式にする補正(たとえば、審判における争点を明確にする補正等)は認められる可能性があります(37 CFR 1.116(b))。

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