1.はじめに
査定系再審査(Ex Partes Reexamination)手続においては、再審査請求を行った第三者は、特許権者がStatementをファイルした場合だけ、一回に限りReplyをファイルすることが許されています。
これに対し、当事者系再審査によれば、第三者の関与の下で再審査手続が行われます。すなわち、特許権者が応答するたびに、第三者は30日以内にwritten commentsをファイルすることができます。なお、当事者系再審査も、査定系再審査と同様に、いつでも誰でも請求することが可能です。
なお、当事者系再審査手続に関し留意すべきは、特許の有効性が最終的に確認された場合、後日、民事訴訟において同一の理由でその特許の無効を主張することができなくなることです。また、再審査請求の費用については、ケースに応じて変動しますが、通常、特許訴訟の場合100万米ドル~400万米ドルの費用を要するのに対し、再審査申請の費用は数万米ドル~10万米ドルの費用を要すると言われています。
2.当事者系の再審査手続の統計
1999年~現在までの当事者系再審査出願件数の統計がUSPTOによって発表されました* 。技術分野は、化学系が202件(18%)であり、電気系が576件(52%)であり、機械系が325件(29%)です。再審査結果が発行されるまでに必要な日数は、平均で31.7ヶ月です。なお、当事者系再審査手続したケースのうち、全体の70%にあたる787件が係争中であることが知られています。
表1から明らかなように、2011年度の第一四半期も、既に100件がファイルされており、2010年度と比べて、当事者系再審査の出願件数は上昇傾向にあります。当事者系再審査出願の件数は年々増加しています。
表2は、1999年から現在に至るまでの当事者系再特許証の発行数(221件)の内訳を示しています。表2から明らかなように、当事者系再審査請求件のうち、再審査証明書(reexamination certificate)が発行されたケースの90%がクレームの変更(43%)または全てのクレームの取り消し(47%)を余儀なくされています。
【表1 1999年から現在に至るまでの当事者系再審査手続の件数】
| 会計年度 |
当事者系再審査件数 |
| 2000年度 |
0 |
| 2001年度 |
1 |
| 2002年度 |
4 |
| 2003年度 |
21 |
| 2004年度 |
27 |
| 2005年度 |
59 |
| 2006年度 |
70 |
| 2007年度 |
126 |
| 2008年度 |
168 |
| 2009年度 |
258 |
| 2010年度 |
281 |
| 2011年度 |
100 |
【表2 1999年から現在に至るまでに発行された再審査証明書の発行数(221件)の内訳】
| 再審査証明書の発行後のクレーム形態 |
再審査証明書の発行数 |
再審査証明書の発行数の割合 |
| クレームの全てが維持されたケース |
22 |
10% |
| クレームの全てがキャンセル又は放棄されたケース |
103 |
47% |
| 特許クレームが変更されたケース |
96 |
43% |
以 上
*1 LINK: http://www.uspto.gov/patents/stats/IP_quarterly_report_Dec_2010.pdf