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依頼書の書き方

2002年4月5日
特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
文責:本山)

特許事務所に出願を依頼するにあたり、判り易い依頼書を誰にでも書くことができるよう、一般的な留意事項と共に、「(明細書作成用)依頼書の書き方」について以下に簡単に説明致します。
とりわけ、従来特許業務になじみの薄かった方々、例えば、近年における産学共同研究の成果を特許出願として依頼される研究者や学生の方々など、幅広い皆様のご参考に供して戴けましたら幸いです。

1.一般的な留意事項
依頼書に限らず、どのような文書を作成する際にも当てはまる留意事項を以下に示します。

①英語などと比較して、日常使っている日本語は、みなさんが思っている以上に曖昧な表現を含んだ言語です。従いまして、依頼書を作成するにあたっては(どのような文書でもそうですが)、一つ一つの文章に主語・述語があるかを確認することが重要です。
また、一つの文章が長くなり、修飾語が多くなればなる程、主語・述語・修飾語の関係が不明確となり、文章全体の意味を読み手が取り違え易くなります。従いまして、或る説明を行う際には、長い文章(一文)で書こうとせず、幾つかの短い文章に分けて書くように心掛けましょう。つまり、一つ一つの文章をできるだけ簡潔に、かつ短く書くように留意しましょう。
形容詞、情緒的な表現(「美しい」、「すばらしい」等)、基準が示されていない比較を用いた表現(単に「大きい」、「多い」等)は、主観的な表現に過ぎず曖昧ですので使用しないようにしましょう。

②できるだけ、辞書や文献等に記載されている(定義されている)技術用語を用いるように心掛けましょう。
研究室内や仲間内だけで通用している用語や業界用語(社内用語)を用いた場合には、技術内容が正確に伝わらない場合があります。一般的ではない用語には簡単な説明をつけると良いでしょう。
また、名詞に「〜的」,「〜性」等を付け足した用語を多用して説明すると、「判ったようで判らない」説明となり、技術内容が曖昧になり易いので注意しましょう。

③日常使っている日本語(会話等)では、表現がくどくなるので、ついつい説明を省略しがちですが、例えば、「吸湿性が向上した」と表現した場合、その他に関連する説明が無ければ、「(従来よりも)よく吸湿するようになった」のか、「(従来よりも)吸湿しないようになった」のかが判らず、読み手が意味を取り違えるおそれがあります。この場合には、「どのように(向上したか)」という説明を加える必要があります。

④能動態・受動態の表現が的確でないと、技術内容が誤解されてしまう場合があります。「AがBに○○する」のと、「AがBに(よって)○○される」のとを明確に書き分けるように心掛けましょう。

2.依頼書の具体的な書き方

(1)出願期限
学会発表や雑誌投稿などを予定している場合、予稿集や雑誌の発行日の前日までに出願を完了する必要があります(但し、特許法第30条「発明の新規性の喪失の例外」の適用を受ける場合を除く)。従いまして、出願期限のあるものについては、依頼書に期限を(理由と共に)必ず明記するようにしましょう。

(2)依頼書
「明細書」を作成するのは特許事務所の仕事ですので、みなさんは技術内容が正確に伝わるように「依頼書」を書けばよいのです。従いまして、難しく考える必要はありません。
しかしながら、明細書は以下に示す幾つかの欄から成り立っていますので、依頼書もこの形式に沿って記載すると書き易いでしょう。

〔発明の名称〕
この欄には、「○○装置」や「△△の製造方法」等、発明の名称を具体的に書いて下さい。

〔特許請求の範囲〕
この欄は、特許を受けようとする発明を記載するところです。
従いまして、この欄には、「発明の詳細な説明」の欄に記載した範囲内で、発明の目的・効果を達成するために必要と思われる必要最低限の事項を記載して下さい。

〔発明の属する技術分野〕
この欄には、この発明がどのような技術分野に属するものであるのかを簡単に説明して下さい。

〔従来の技術〕
この発明以前に、どのような物(技術)があったか(つまり、現在どのような物があるか)を、本願発明に一番近いと思われる公報等の文献(従来技術)を例に挙げて説明して下さい。この際、手元にあれば、該文献の写しを依頼書に添付して下さい。

〔発明が解決しようとする課題〕
この欄には、従来技術のどのような部分に問題点(課題)があったかを記載して下さい。このとき、その問題点が生じる理由(原因)も併せて記載すると、より判り易くなります。
また、従来技術の問題点(課題)は、本願発明が解決できるものだけを指摘して下さい。本願発明が解決できない問題点まで指摘すると、「発明が未完成である」と捉えられるおそれがあります。

〔課題を解決するための手段〕
上記の問題点を解決するために、どのような手段を採用したかを記載して下さい。尚、この欄に記載される事項は、基本的には「特許請求の範囲」の欄と同じになります。

〔発明の実施の形態〕
この欄には、「課題を解決するための手段」に使用した文章を利用して、各部材(或いは化合物等)の名称を具体的な名称に変え、発明の内容を具体的に詳しく説明して下さい。

(ア)「装置(物)」の場合には、各部材の説明と共に、部材同士の関連(つながりや位置関係等)や、動作の説明も書いて下さい。また、複雑な制御動作に関する説明を行うときは、できるだけフローチャートやタイミングチャートを用いてより判り易く説明するようにして下さい。
また、発明が「化合物(物)」や「化合物の製法(方法)」の場合には、その用途や使用法を示して下さい。
さらに、本発明を、どの程度、周辺技術に応用することができるのかの検討、および、代替技術の検討も併せて行うとよいでしょう。

(イ)図面を添付して説明する場合には、各部材に、図中の符号(1,2,3,…)と同じ符号を付記して下さい。

(ウ)技術内容を説明するにあたって、「〜%」,「〜倍」等の数値を記載する場合には、基準や単位を明確にして下さい。また、単位は、SI単位を使用して下さい。
例えば、単に「Aを1%」と記載しても、単位が無ければ「1重量%」,「1容量%」,「1モル%」等の何れであるのかが不明です。また、何に対してAが1%であるのか基準(何を100%としているのか)を明確にしておかないと、「1%」という表現自体が意味を成さなくなってしまいます。
そして、好ましい数値を記載する場合には、「点」ではなく、「範囲」で示すよう留意しましょう。つまり、「○%が好ましい。」ではなく、できるだけ「○%〜○%の範囲内が好ましい。」或いは「下限値は○%が好ましく、上限値は○%が好ましい。」等の表現ができないか検討しましょう。さらに、「範囲」は「より好ましい範囲」,「さらに好ましい範囲」,「特に好ましい範囲」等、幾つかの段階で示すことができないか検討しましょう。
また、何故そのような数値範囲が好ましいのか、上限値・下限値についての簡単な理由(臨界的意義)を必ず記載して下さい。

〔実施例〕
化学系の明細書の場合には、この欄に、各種化合物を用いて行った「実験例」を具体的に記載して下さい。また、必要に応じて、発明の効果を際立たせるために、特許請求の範囲から外れた条件で実験した「比較例」や、文献に記載された条件で実験した「従来例」を記載して下さい。
化学系以外でも、「実験例」を記載することができる場合(例えば「生物系」等)には、同様の記載をして下さい。
機械系、電気・電子系等の明細書の場合には、この欄の記載を省略しても構いません。
実施例には、第三者(当業者)が追試を行える程度に、実験条件(反応条件)や測定条件(分析方法)、評価方法等を詳しく記載して下さい。また、測定条件や評価方法は、できるだけJISやASTMに記載されている方法が望ましいので、普段の実験時から、これら条件や方法を使用することを心掛けましょう。
そして、〔発明の実施の形態〕の欄,〔実施例〕の欄には、できるだけ多くの(バリエーションに富んだ)実施態様を記載すると共に、できればベストモード(最良と考えている実施態様)も記載するようにしましょう(米国出願する予定がある場合には、必ずベストモードを記載しなければなりません)。

〔発明の効果〕
この欄には、従来技術の問題点を解決するために採用した手段(構成)によって奏する効果、例えば、上記手段によってどのような動作や機能が得られるのかを説明して下さい。つまり、従来の物(装置、化合物等)や方法と比較して、どのような利点や優れた点があるのかを記載して下さい。

〔図面の簡単な説明〕
各図面に記載されているものが、発明の一実施形態のものか、別の実施形態のものか、従来のものかを明らかにして下さい。また、その図面に記載されているものが何か(例えば、正面図、斜視図、断面図等)を記載して下さい。
〔符号の説明〕
図中の符号を簡単に説明して下さい(主要なものだけでよい)。

〔図面〕
図面は上記説明とは別に(別紙に)書いて下さい。また、複数の図面がある場合は、同一の部材に同一の符号を付記して下さい。
図面を添付する場合には、設計図のような精密な図面よりもむしろ、説明に必要な箇所がデフォルメされた簡単な図面の方が、技術内容がより伝わり易くなります。

〔要約書〕
記載を省略して戴いて結構です。
…… 以上の点を参考にして作成すれば、判り易い依頼書ができあがります。

以 上

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