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米国特許出願手数料の改定に伴う請求項の見直し

2005年2月27日
特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
外国専門部長 新井 孝政

ご承知のように、2004年12月8日付で、米国特許商標庁(USPTO)に対する特許出願手続の手数料(official fee)が改定されました。
今回の手数料改定は、特許審査の質向上やスピードアップを図るための措置として2002年にUSPTOが発行した「21世紀戦略プラン」に基づくもので、当面、2005年度と2006年度の2年間(2004年12月8日〜2006年9月30日まで)に限って適用されます。なお、2006年10月1日以降の手数料体系につきましては、現在のところ発表されておりません。

今回の手数料には、審査手数料 (200ドル)、調査手数料(500ドル)という新たな手数料が加えられています。出願基本手数料 (300ドル) を加えると、特許出願手続のofficial fee として少なくとも1000ドルを支払うことが必要になります。また、明細書および図面の合計が100枚を超える場合、250ドル/50枚の追加手数料を支払うことが必要となります。

今回の料金値上げにおいて特に注目すべきは、次の点にあります。すなわち、請求項に関する値上げ率が他のものに比べて高い点です。具体的には、 独立請求項数が3を超える場合、4個目の独立請求項から1独立請求項当たり200ドル(従前は88ドル)の追加手数料の支払いが必要 となります。また、 全ての請求項数の合計が20個を超える場合、21個目の請求項から1請求項当たり50ドル(従前は18ドル)の追加手数料の支払いが必要 となります。更に、 多項従属請求項(multiple dependent claims)が1個でも含まれている場合、360ドル(従前は300ドル)の追加手数料の支払いが必要 となります。

ここで、具体例を挙げて説明します。

サンプル1
 請求項1〜8(独立請求項)
 請求項9 (請求項1〜8のいずれか1項を引用する従属請求項)
 請求項10(請求項1〜8のいずれか1項を引用する従属請求項)
 請求項11(請求項1〜8のいずれか1項を引用する従属請求項)
 請求項12(請求項1〜8のいずれか1項を引用する従属請求項)

上記サンプル1の場合、独立請求項数は8個になると共に、全ての請求項数の合計は40個になります。上記サンプル1の場合、新手数料体系下における請求項数に係る追加手数料を計算すると、以下のようになります。

① 独立請求項に係る追加手数料:(8−3)×200 = 1000 ドル
② トータル請求項数に係る追加手数料:(40−20)×50 = 1000 ドル
③ 多項従属請求項(multiple dependent claims)に係る追加手数料:360ドル

上記サンプル1の場合、特許出願手数料の合計は、 3360ドル (=①+②+③+出願基本手数料1000ドル)になります。この合計額は、3個の特許出願手続(各特許出願の請求項数の合計が3個以内、全ての請求項数の合計が20個以内、multiple dependent claimsが0個)に要する費用3000ドル(=1000ドル×3)と同程度の額*1です(但し、オフィシャルフィー以外の費用を除く。)。

*1 もちろん、3個の特許出願手続を行った場合、特許出願手数料(当事務所および現地事務所手数料)、発行後の年金等が3倍になるため、一概に合計手数料が割安になるというわけではありません。しかしながら、発明の単一性に疑問のある場合、発明の限定要求により分割出願を出願しなければならない可能性があることを考慮に入れると、複数の発明を1特許出願で出願するよりも、最初から2個以上の特許出願で出願することの方が、結果として、トータルコストが安くなる場合もあります。

サンプル2
サンプル2は、上記サンプル1において、独立請求項数を8個から3個に減らし、請求項4〜8が1個の独立請求項をそれぞれ引用するようにし、請求項9〜12の各引用先を請求項1、2、及び3に減らしたものです。
この場合、独立請求項数は3個になると共に、従属請求項は17個(=5+(3×4))になるので、全ての請求項数の合計は20個(=3+17)となります。新手数料体系下における請求項数に係る追加手数料を計算すると、以下のようになります。

① 独立請求項に係る追加手数料:(3−3)×200 = 0 ドル
② トータル請求項数に係る追加手数料:(20−20)×50 = 0 ドル
③ 多項従属請求項(multiple dependent claims)に係る追加手数料:0ドル

上記のように、サンプル2の場合、特許出願手数料の合計は、 1000ドル (=①+②+③+出願基本手数料1000ドル=0+0+0+1000ドル)になります(但し、オフィシャルフィー以外の費用を除く)

サンプル3
サンプル3は、上記サンプル1において、独立請求項数を8個から5個に減らし、請求項6〜8が1個の独立請求項をそれぞれ引用するようにし、請求項9〜12の各引用先を請求項1、2、3、6、7、及び8に減らしたものです。
この場合、独立請求項数は5個になると共に、従属請求項は27個(=3+(6×4))になるので、全ての請求項数の合計は32個(=5+27)となります。新手数料体系下における請求項数に係る追加手数料を計算すると、以下のようになります。

① 独立請求項に係る追加手数料:(5−3)×200 = 400 ドル
② トータル請求項数に係る追加手数料:(32−20)×50 = 600 ドル
③ 多項従属請求項(multiple dependent claims)に係る追加手数料:0ドル

上記のようにサンプル2の場合、特許出願手数料の合計は、 2000ドル (=①+②+③+出願基本手数料1000ドル=400+600+0+1000)になります(但し、オフィシャルフィー以外の費用を除く)
上記サンプル1〜3から明らかなように、請求項の形態に応じて特許出願手数料は大きく変わります*2。したがって、米国出願に際し、請求項の形態、及び請求項数を再検討することが望ましいと思料致します。

*2 ただし、追加手数料を意識し過ぎるあまり、本来クレームアップすべき請求項を作成しなったり、本来残しておくべき請求項を削除したりすることのないように留意しなければなりません。

参考文献: USPTO発行,「21世紀戦略プラン」"108TH CONGRESS 2D SESSION H.R. 5299"

以 上

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