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中国の商標制度について

2005年7月13日
特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
中国弁理士 革斤 満堂

『中華人民共和国商標法』は1982年8月に採択され、1983年3月に施行された。その後に行なわれた1993年第一回商標法及び実施条例の改正、2001年第二回商標法及び実施条例の改正を経て、現在の中国の商標制度となっている。

一、中国商標制度の基礎
(一)中国が加入した商標関係国際条約である『パリ条約』、『マドリッド・プロトコル』等
(二)全国人民代表大会及び常務委員会により制定された法律である『商標法』、『不正競争防止法』など
(三)国務院により制定された行政法規である『商標法実施条例』、『税関による知的財産権の保護条例』等
(四)国家工商行政管理総局により制定された部門規章である『商標審判規則』、『著名商標の認定と保護に関する規定』、『商標法の行政執行における若干の問題に関する国家工商総局の意見』、『商標と企業名称における若干の問題を解決することに関する意見』、等
(五)最高裁判所により制定された司法解釈である『商標民事紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する最高裁判所解釈』、『訴訟前の登録商標専用権侵害行為の停止と証拠保全に適用する法律問題に関する最高裁判所解釈』、『商標案件の審理と法律適用範囲に関する問題の最高裁判所解釈』等

二、登録商標の概念
登録商標とは、商標局が登録査定をして登録された商標を言い、商品商標、役務商標、団体商標、及び証明商標が含まれる。

三、登録商標の構成
文字、図形、アルファベット、数字、立体的形状、色彩の組合せ、及びこれらの要素の組合せといった視覚的標章でなければならない。匂い商標や音声商標など新しい種類の商標は、中国で登録できない。

四、商標登録の意思自由主義
自然人、法人又はその他の組織が生産、製造、加工、選定若しくは販売する商品又は提供する役務について使用する商標の登録出願をするかどうかは、その者の自由判断に委ねるものとする。
しかし、中国では、商標登録は、完全な意思自由主義ではない。現行商標法第六条において、「国が登録商標を使用すべき旨を定めた商品については、商標登録出願をしなければならない。登録が未だ認められていないときは、市場で販売することができない」と規定されている。つまり、一部の商品(人間用薬品と煙草製品のみ)については、商標強制登録主義が採られていると言うことができる。

五、商標登録の先願主義
二名又はそれ以上の商標登録出願人が同一の商品又は類似の商品について同一又は類似の商標を登録出願したときは、先願商標について初歩審定をし、公告する。
但し、二名又はそれ以上の商標登録出願人が同日に、同一の商品又は類似の商品について同一又は類似の商標を登録出願をした場合、先に使用された商標について初歩審定して公告し、他方の出願を拒絶する、という先用主義を採る。

六、商標としての使用が禁止されている標章
(一)中華人民共和国の国名、国旗、国章、軍旗、勲章と同一又は類似したもの及び中央国家機関所在地の特定地名又は標章性を有する建築物の名称若しくは図形と同一のもの。
(二)外国の国名、国旗、国章、軍旗と同一又は類似したもの(但し、当該国政府の承諾を得ている場合にはこの限りではない)。
(三)各国政府よりなる国際組織の名称、旗、徽章と同一又は類似するもの(但し、同組織の承諾を得ているもの、又は公衆に誤認を生じさせない場合にはこの限りではない)。
(四)管理下での実施が明らかであり、その保証を付与する政府の標章、又は検査印と同一又は類似したもの(但し、その権利の授権を得ている場合にはこの限りではない)。
(五)「赤十字」、「赤新月」の名称、標章と同一又は類似したもの。
(六)民族差別扱いの性格を帯びたもの。
(七)誇大に宣伝しかつ欺瞞性を帯びたもの。
(八)社会主義の道徳、風習を害し、又はその他公序良俗に反するもの。
(九)中国における県クラス以上の行政区画の地名、又は公知の外国地名(但し、当該地名が別の意味を持ち、又は団体商標、証明商標の一部とする場合はこの限りではない。また、地理的表示を利用した商標として登録されている商標は、引き続き存続するものとする)

七、商標として登録できない標章
(一)指定商品の普通名称、図形、記号であるもの。
(二)指定商品の品質、主要原材料、効能、用途、重量、数量及びその他の特徴を直接表示したにすぎないもの。
(三)顕著性欠如のもの
(四)立体標章をもって商標出願する場合、単にその商品自体の性質により生じた形状、技術的効果を得るために必然な形状、又はその商品に本質的な価値を備えさせるための形状であるもの。
(五)中国で登録されていない他人の著名商標を複製、模倣又は翻訳したものであって、同一又は類似する商品について使用されると、同著名商標と混同を生じやすいもの。
(六)中国で登録されている他人の著名商標を複製、模倣又は翻訳したものであって、それが使用されると、公衆を誤認させ、同著名商標権者の利益に損害を与え得るもの。
(七)授権されていない代理人又は代表者が自らの名義により被代理人又は被代表者の商標について登録出願を行い、被代理人又は被代表者が異議を申し立てたもの。
(八)地理的表示を含むものであるが、その商品が同表示に示された地域によるものではなく、公衆を誤認させるもの。

八、新規商標登録出願から権利化まで
(一)商標登録出願に必要な書類:
(1)願書
(イ)一商標一出願一区分の原則
(ロ)指定商品・役務の包括的表示は認めない。『類似商品役務区分表』に例示されていない場合、新しい指定商品・役務を説明する必要がある。
(ハ)指定商品・役務の数が10を超えた場合に、超えた1商品・役務ごとに登録料を加算する。
(2)商標見本
(イ)立体商標を登録出願する場合、立体的形状を確定することができる見本を提出しなければならない
(ロ)色彩の組合せからなる商標を登録出願する場合、文字による説明が必要である。
(ハ)商標が外国語のものであり又は外国語を含む場合、その意味に関する説明が必要である。
(3)出願人身分証明書
(4)委任状
(二)優先権主張
(1)出願人が本願商標を外国で初めて登録出願した日から6ヶ月以内に中国で同一商品について同一の商標登録出願をする場合に、本国と中国が締結した協定又は共同で加盟している国際条約、若しくは相互に優先権を認めるという原則に基づき、優先権を享有することができる。
出願人が中国政府の主催又は承認した国際展示会に出展した商品に最初に本願商標を使用し、同商品が出展された日から6ヶ月以内である場合、優先権を享受することができる。
(2)前項優先権を主張する場合、商標登録を出願するときに書面で主張し、また三ヶ月以内に前記優先権に関係する証拠書類を提出しなければならない。書面による主張がなく、又は期間内に関係書類が提出されていない場合、優先権が主張されていないものとみなす。
(三)出願日:商標局が出願書類を受領した日とする(到達主義)
(四)商標登録の異議申立
(1)商標局は商標法の関係規定を満たす出願商標に対して初歩的査定を行いその旨を公告する。
(2)初歩的査定且つ公告された商標は、公告日から3ヵ月以内に、何人もそれに対して異議を申し立てることができる。
(3)初歩的査定し公告された商標に対して異議申立があった場合に、商標局は異議申立人及び被異議申立人より事実及び理由陳述を聴取し、調査をして事実を明らかにした後、決定を下さなければならない。
(4)商標局の決定に不服があるときは、当事者は通知を受領した日から15日以内に、商標評審委員会に再審を請求することができる。商標評審委員会は裁定を下し、異議申立人及び被異議申立人に書面で通知する。
(5)商標評審委員会の裁定に不服がある場合、当事者は通知を受領した日から30日以内に、当委員会を相手取って人民法院に訴えることができる。
(五)登録商標専用権の付与:
(1)公告日から三ヶ月間が経過しても、異議申立がなかった出願商標に対して、商標局は登録査定を行い、出願人に商標登録証を交付し、その旨を公告する。
(2)裁定により異議が成立しないと決定された場合、登録査定を行ない、商標登録証を発行し、それを公告する。

九、登録商標の存続期間
登録商標の存続期間は10年とし、当該商標の登録日から起算する。

十、登録商標の更新
(1)登録商標の存続期間が満了し、継続して使用する必要があるときは、期間満了前6ヵ月以内に登録更新の申請をしなければならない。この期間に更新申請できないときは、6ヵ月の延長期間を与えることができる。
(2)登録更新申請は審査を経て許可された後、公告される。

十一、登録商標の移転
(1)登録商標を譲渡するときは、譲渡人と譲受人は譲渡契約を締結し、共同して商標局に申請し、「登録商標譲渡申請書」を提出しなければならない。
(2)登録商標譲渡申請の手続きは譲受人により行う。
(3)登録商標を譲渡する場合、同一又は類似した商品について登録した同一又は類似した商標を一括して譲渡しなければならない。
(4)誤認、混同又はその他の悪影響をもたらすおそれがある登録商標譲渡申請は認可しないものとする。
(3)登録商標の譲渡は、審査を経て許可された後公告される。譲受人はその公告日より登録商標専用権を享有する。

十二、登録商標使用許諾
(1)登録商標権者は商標使用許諾契約を締結することで他人にその登録商標を使用することを許諾することができる。
(2)商標使用許諾契約は商標局に届出なければならない。
(3)商標使用許諾者は被許諾者がその登録商標を使用する商品の品質を監督しなければならない。被許諾者はその登録商標を使用する商品の品質を保証しなければならない。
(4)被許諾者はその登録商標が使用された商品に被許諾者の名称及び商品の原産地を明記しなければならない。

十三、登録商標の取消審判
(1)登録商標が商標法第十条、第十一条、第十二条の規定に違反し、又は欺瞞的な手段又はその他の不正な手段で登録を得た場合、事業単位又は個人は、商標評審委員会に取消審判を請求することができる。
(2)登録商標が商標法第十三条、第十五条、第十六条、第三十一条の規定に違反する場合、商標権者又は利害関係者は、当商標登録日から5年以内に、それに対して、商標評審委員会に取消審判を請求することができる。ただし、悪意により登録を受けた登録商標の場合は、著名商標の所有者はこの5年の期間制限を受けない。

十四、三年不使用の取消
(1)三年間持続して不使用となった登録商標は商標局がこれを取り消すことができる。
(2)三年間持続して不使用となった登録商標に対して、何人も商標局にそれを報告し、当該登録商標の取消しを求めることができる。

十五、著名商標の認定
(1)認定機関:商標局、商標評審委員会、裁判所
(2)認定する際に考慮すべき要因:
(A)関連公衆の当該商標に対する認知度
(B)当該商標の持続的な使用期間
(C)当該商標のあらゆる宣伝の持続期間、程度及び地理的範囲
(D)当該商標の著名商標としての保護記録
(E)当該商標の著名であることのその他の要因

十六、登録商標専用権侵害の救済
(1)登録商標専用権が侵害された時に、商標権者又は利害関係者は裁判所に訴えを提起することができ、また工商行政管理局に処理を求めることもできる。
(2)工商行政管理局は、商標権侵害事件を処理する時、権利侵害行為が成立すると認められた場合、権利侵害者に即時権利侵害行為を停止するよう命ずることができるとともに、当事者の請求に基づき、侵害の賠償金額について調停を行うことができる。
(3)商標権者又は利害関係者は、他人が権利侵害行為を行っている又はまさに行おうとしており、即座に制止しなければ、その合法的権益が補填不能な損害を被る恐れがあることを証明する証拠を有する場合、訴えを提起する前に、裁判所に関係行為の停止と財産の保全措置命令を採るよう要請することができる。

以 上

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