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CS関連発明の明細書とCPUの動作

2013年6月6日
特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
文責:弁理士 塩川 信和
原田 和幸

1.はじめに

コンピュータ・ソフトウエア(CS)関連発明は、その発明の実施にソフトウエアを必要とする発明であり、汎用的なCPUにプログラム(ソフトウエア)を実行させることによって実施されるものが多い。

ここで、CS関連発明を特許出願する際には、発明を説明するために通常、ブロック図が用いられることが多いが、CPUの動作を正しく理解せずに記載された明細書および図面を目にすることも多い。

そこで、本稿では、CPUの動作およびCS関連発明に適した図面について概説する。




2.CPUの動作

図1は、ノイマン型のCPUの構成を示している。図示のように、CPUは、プログラムカウンタ(PC:Program Counter)、命令レジスタ(IR:Instruction Register)、デコーダ、ALU(Arithmetic Logical Unit)、およびアキュームレータを備え、CPU外部のメモリ(RAM:Random Access Memory)を参照しながら動作する。

プログラムカウンタは、メモリに配置された命令のうち、参照するべき命令のアドレスを示すものであり、命令レジスタは、実行中の命令を格納するものである。また、デコーダは、命令レジスタに格納された命令を解釈(デコード)して、実行すべき演算の種類(例えば、加算命令)を確定させる。そして、ALUは、演算処理を行う演算装置であり、アキュームレータは、ALUの演算結果を一時的に保持するものである。

図1:CPU(ノイマン型)の構成


図1において、コンピュータ・プログラムは、CPUが理解できる既存の命令の集合(命令セット)に分解(コンパイル)され、予めメモリ上に配置されている。これらの命令は、CPUが実行する演算の種類を規定している。CPUはメモリから命令を1つずつ順次読み出し、読み出した命令に対応する演算をメモリ上のデータに対して適用することによってプログラムを実行する。処理の具体的な手順は下記の通りである。

(1)フェッチ:CPUは、プログラムカウンタによって指定されるメモリ上のアドレスを参照し(S1)、当該アドレスに格納されている命令を1つ読み出して(フェッチ)命令レジスタに保持する(S2)。

(2)デコード:デコーダは、読み出した命令をデコードし、実行すべき演算の種類を確定させる(S3)。また、デコーダは、当該演算を適用する対象となるデータが格納されているメモリ上の位置を示すアドレス(あるいは、レジスタの番号)を取得する。

(3)実行:ALUは、メモリ(あるいは、レジスタ)から読み出したデータに対して、アキュームレータを用いて演算を実行する(S4)。

(4)ライトバック:演算の結果を、メモリ(あるいは、レジスタ)に書き込む(S5)。

(5)メモリの参照先のアドレスを1つ進めるために、プログラムカウンタをインクリメント(+1)し(S6)、(1)に戻る。




3.ブロック図

ここで、気温に応じてデスクトップの背景色を自動的に変更する処理を行うPC(ノイマン型パーソナルコンピュータ)を発明し、この発明の出願用明細書を作成するという事例を考えてみる。

この発明は、その特徴点を実現するための処理にプログラムというソフトウエアを使用する発明であり、CS関連発明である。

このPCのハードウエア構成は、例えば図2のようなブロック図で表すことができる。図2では、PCを構成するハードウエアであるCPU、メモリ、補助記憶装置(HDD:Hard Disk Drive)、第1インターフェース、および第2インターフェースが、バスで接続された状態を示している。また、第1インターフェースを介して表示装置がPCに外付けされ、第2インターフェースを介して温度センサがPCに外付けされている状態を示している。なお、厳密には、CPUが動作するための周辺回路等も存在するが、ここでは図示を省略している。

図2:ハードウエア構成を示すブロック図


プログラムは、補助記憶装置に格納されている。そして、図1に基づいて説明したように、プログラムは、CPUが実行可能な形態でメモリ上に展開され、プログラムに含まれる各命令をCPUが実行することにより、発明の特徴点である処理(機能)が実現される。

このように、ハードウエアのブロック図では、PC内部におけるハードウエア(CPUやメモリ等)間の繋がり、およびPC外部のハードウエア(温度センサおよび表示装置)との繋がりを表すことができる。

よって、特徴点がハードウエア構成にある発明であれば、それを説明するための図面として、図2のようなハードウエアのブロック図が適している。

しかしながら、ハードウエアのブロック図では、ソフトウエアによって実現される処理(機能)が表現されず、ハードウエア構成に特徴のないCS関連発明をハードウエアのブロック図で表した場合、一般的なPCの構成と同様の記載となってしまうため、このような図面のみに基づいてCS関連発明を説明することは難しい。

これに対し、発明の特徴点を実現するための各機能をそれぞれブロックとして表した機能ブロック図であれば、CS関連発明の特徴点を的確に表現することができる。CS関連発明は、複数の機能と、機能間のデータの流れとによって明確に表現することができるからである。

特許明細書においては、CPUの動作の正しい理解を前提に、発明の特徴点が的確に示された図面を用いて技術的に誤りのない説明をする必要がある。




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