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中国における、コンピュータプログラムに係る発明の保護について(特許権による保護)

2013年8月23日
特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
文責:中国弁理士 郭 蕊

1.はじめに

ご存じのとおり、コンピュータプログラムに係る発明特許出願(以下、「プログラム発明出願」とも言う)は、一般の発明特許出願とは異なる特殊性があります。

中国特許法第25条第1項第(2)号には、知的活動の規則および方法に、特許権を付与しないことが規定されています。そこで、どのようなプログラム発明出願が、上記知的活動の規則および方法に該当せず、特許権を付与され得るのでしょうか。

簡単に言えば、中国特許法第2条第2項の規定によると、特許法における発明とは、製品、方法、または、その改善に対して行われる新たな技術方案を指します。すなわち、プログラム発明出願が、技術方案に該当すれば、特許保護の対象に該当します。

そこで、どのようなプログラム発明出願が、技術方案に該当する(特許保護の対象に該当する)のでしょうか。この疑問について、以下に詳細に回答します。




2.特許保護の対象に該当するプログラムに係る発明特許出願

どのようなプログラム発明出願が特許保護の対象に該当するかを説明する前に、まず、どのようなプログラム発明出願が特許保護の対象に該当しないかについて、説明します。



(2.1)特許保護対象に該当しないプログラム発明出願

特許審査基準の規定によると、以下の状況のうち、1つにでも該当すれば、技術方案に該当せず、特許保護の対象になりません。

(1)ある請求項が、1種の計算方法或いは数学上の計算規則、若しくはコンピュータプログラム自体や媒体だけに記憶されるコンピュータプログラム、又はゲームの規則や方法などである。

(2)ある請求項が、主題の名称を除いて、これを限定するすべての内容が、上記(1)に該当するものである。



(2.2)特許保護対象に該当するプログラム発明出願

しかしながら、上記(2.1)に述べた状況を除き、ある請求項が限定するすべての内容に、知的活動の規則及び方法の内容も含まれていると同時に、技術的特徴も含まれている場合、当該請求項は全体として、特許保護の対象に該当します。

特許審査基準の規定によると、プログラム発明出願の解決方案において、(a)技術的課題を解決することがコンピュータプログラムを実行する目的であって、コンピュータでコンピュータプログラムを実行して、コンピュータ外部又は内部の対象を制御、又は処理する際に、(b)自然法則に準拠した技術的手段が反映されており、それによって(c)自然法則に合致した技術的効果を獲得する場合には、このような解決方案は、特許法第2条第2項に規定の技術方案に該当し、特許保護の対象に該当します。

逆に、上記(a)~(c)のすべてを満たさなければならず、1つでも欠如すれば、特許保護の対象にはなりません。


特許審査基準において、以下の3つの特許保護対象と認められる状況が例として挙げられています。




(1)プログラム発明出願の解決方案において、コンピュータプログラムを実行する目的は、ある工業プロセスや、測定又はテストプロセスの制御を実現することであり、コンピュータで工業プロセスの制御プログラムを実行し、自然法則に従って、当該工業プロセスの各段階で実施される一連の制御を果たすことにより、自然法則に合致した工業プロセスの制御の効果を獲得する。

〔例1〕

ゴムのプレス成形プロセスの制御方法


  • <出願内容>

  • コンピュータプログラムを利用したゴムのプレス成形プロセスの制御方法である。当該コンピュータプログラムでは、当該成形プロセスにおけるゴム加硫時間を精確かつリアルタイムに制御することができるため、従来技術のゴムプレス成形プロセスではよくある加硫超過や加硫不足といった欠陥を克服し、ゴム製品の品質を大いに高めている。


  • <請求項>

  • 温度センサーを介してゴム加硫温度のサンプリングを行うステップと、前記加硫温度に呼応して、ゴム製品の加硫過程における適正加硫時間を算出するステップと、前記適正加硫時間が所定の適正加硫時間に達しているかを判断するステップと、前記適正加硫時間が所定の適正加硫時間に達したら、直ちに加硫終了信号を発信するステップと、を含むことを特徴とするコンピュータプログラムを利用したゴムのプレス成形プロセスの制御方法。


  • <結論>

  • 当該解決方案は、コンピュータプログラムを利用したゴムのプレス成形プロセスの制御法であり、ゴムの加硫超過及び加硫不足の防止を目的としており、解決するのは技術的課題である。当該方法では、コンピュータプログラムを実行することにより、ゴムのプレス成形プロセスの処理を果たし、ゴムの加硫原理に基づいたゴム加硫時間の精確かつリアルタイムな制御を反映し、自然法則に準拠した技術的手段を利用している。加硫時間を精確かつリアルタイムに制御したため、ゴム製品の品質を大いに高めて、自然法則に合致した技術的効果を獲得することになった。ゆえに、当該発明特許出願は、コンピュータプログラムを実行することによって工業プロセスの制御を実現する解決方案であり、特許法第2条第2項に規定した技術方案に該当し、特許保護の対象に該当する。





(2)プログラム発明出願の解決方案において、コンピュータプログラムを実行する目的は、ある外部の技術的データを処理することであり、コンピュータで技術的データの処理プログラムを実行して、自然法則に従って、当該技術的データで実施される一連の技術的処理を果たすことにより、自然法則に合致した技術的データの処理の効果を獲得する。

〔例2〕

画像ノイズの除去方法


  • <出願内容>

  • 従来技術では、通常は平均値フィルタ法を用いて、画像のノイズを除去している。しかし、それでは、隣接画素間のグレースケールの差を縮め、画像ぶれが起きることになる。この発明特許出願で提供する画像ノイズの除去方法は、確率統計論における3σ原理を利用して、グレースケール値が平均値の分散の上下3倍以外にあたるピクセルをノイズと見なして除去し、グレースケール値が平均値の分散の上下3倍以内にあたるピクセルについては、そのグレースケール値を補正しないということにより、画像ノイズを効果的に除去するとともに、画像ノイズの除去処理で起きる画像ぶれを低減させるものである。


  • <請求項>

  • コンピュータに入力する処理待ち対象画像の各画素データを取得するステップと、

    当該画像の全画素のグレースケール値を用いて、当該画像のグレースケールの平均値及びそのグレースケールの分散値を算出するステップと、

    当該画像の全画素のグレースケール値を読み取り、各画素のグレースケール値が平均値の分散の上下3倍以内にあたるかを個々に判断し、そうである場合には、当該画素のグレースケール値を補正しないが、そうでなければ、当該画素がノイズとなり、当該画素のグレースケール値を補正することにより、ノイズを除去するステップと、を含むことを特徴とする画像ノイズの除去方法。


  • <結論>

  • 当該解決方案は、画像データの処理方法である。解決しようとする課題は、どうやって効果的に画像ノイズを除去すると同時に、画像ノイズの除去処理で起きる画像ぶれを低減させるかということであり、解決するのは技術的課題である。当該方法では、コンピュータプログラムを実行することにより、画像データのノイズ除去の処理を実現し、技術的な意味を持つ画素データのグレースケールの平均値及びグレースケールの分散値に応じて画像ノイズを除去することを反映し、自然法則に準拠した技術的手段を利用している。そして、画像ノイズを効果的に除去すると同時に、画像ノイズの除去処理で起きる画像ぶれを低減させる効果を得ている。また、代えられるピクセルがかなり減少されたため、システムにおける演算の量を減らし、画像処理速度と画質の向上につながる。ゆえに、自然法則に合致した技術的な効果が得られた。従って、当該発明特許出願は、コンピュータプログラムを実行することにより外部の技術的データを処理する解決方案であり、特許法第2条第2項に規定した技術方案に該当しており、特許保護の対象に該当する。





(3)プログラム発明出願の解決方案において、コンピュータプログラムを実行する目的は、コンピュータシステム内部の性能を改良することであり、コンピュータでシステム内部の性能改良プログラムを実行して、自然法則に従って、当該コンピュータシステムの各構成部で実施される一連の設定や調整を果たすことにより、自然法則に合致したコンピュータシステム内部の性能改良の効果を獲得する。

〔例3〕

モバイルコンピューティング装置の記憶容量の拡大方法


  • <出願内容>

  • 従来のモバイルコンピューティング装置は、体積や携帯性を考慮し、通常は、小記憶容量のフラッシュメモリを記憶メディアとしている。そのため、モバイルコンピューティング装置には、大記憶容量が必要なマルチメディア技術の応用が実現されにくい。仮想装置ドキュメントシステムを利用したモバイルコンピューティング装置の記憶容量拡大方法を提供するこの発明特許出願において、モバイルコンピューティング装置がサーバー上の大容量記憶スペースをローカル運用に利用できるようにしている。


  • <請求項>

  • モバイルコンピューティング装置において、仮想装置ドキュメントシステムモジュールを構築し、モバイル装置のオペレーティングシステムにセットするステップと、

    仮想装置ドキュメントシステムモジュールを通じて、モバイルコンピューティング装置でのアプリケーションのために仮想記憶スペースを提供するとともに、この仮想記憶スペースへの読取り・書込み要請を、ネットワークを介してリモートサーバーへと発信するステップと、

    リモートサーバーにおいて、モバイルコンピューティング装置から送信される読取り・書込み要請をサーバー上のローカル記憶装置への読取り・書込み要請に転化して、読取り・書込み結果を、ネットワークを介してモバイルコンピューティング装置まで返送するステップと、を含むことを特徴とする仮想装置ドキュメントシステムを利用したモバイルコンピューティング装置の記憶容量拡大方法。


  • <結論>

  • 当該解決方案は、モバイルコンピューティング装置の記憶容量の改良方法で、モバイルコンピューティング装置の有効な記憶容量を如何に増加させるかという技術的課題を解決している。この方法では、コンピュータプログラムを実行することにより、モバイルコンピューティング装置の内部の運転性能の改良を実現しており、仮想装置ドキュメントシステムモジュールを利用したローカルコンピュータにおける仮想記憶スペースの構築により、ローカル記憶装置に対するアクセスを、サーバー上の記憶装置に対するアクセスへと転換することを反映し、自然法則に準拠した技術的手段を利用している。そして、モバイルコンピューティング装置におけるデータ記憶がそれ自体の記憶容量に制限されないとの自然法則に合致した技術的効果を得ている。ゆえに、当該発明特許出願は、コンピュータプログラムを実行することによりコンピュータシステム内部の性能改良を実現した解決方案であり、特許法第2条第2項に規定した技術方案に該当しており、特許保護の対象に該当する。





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