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$ユーラシア特許庁(EAPO)$



1. ユーラシア特許条約(EAPC)の概要

EAPCは、すべての締約国の領域で共通の特許に基づく保護を得るためのユーラシア特許制度を設立することを目的として、1995年8月12日に発行された条約であり、2014年1月現在の締約国は、ロシア、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、モルドバ、タジキスタン、及びトルクメニスタンの9ヶ国である。

ユーラシア特許制度に基づいて付与されたユーラシア特許は、その公告の日から9ヶ国のすべての締約国の領域において効力を有するため、9ヶ国で効果を有する特許権を1つの出願で取得することができる。

図1に示すように、ユーラシア特許出願の件数は増加傾向にある。

EPACはパリ条約の特別取極であるため、パリ条約加盟国の国民及び居住者は、ユーラシア特許出願の出願人適格を有する。また、EAPCは、PCT条約第45条(1)の広域特許条約であるため、PCT出願の受理官庁としてユーラシア特許庁(EAPO)を指定することができ、また、PCT出願の国内移行国としてEAPOを指定することができる。

そのため、例えばロシアで発明の保護を受けようとする場合、PCT出願をロシア国内段階に移行してロシア特許を取得する方法(PCT-ロシアルート)の他、PCT出願をユーラシア段階に移行してユーラシア特許を取得する方法(PCT-ユーラシアルート)が考えられる。

なお、ユーラシアルートの注意点としては、(a) ユーラシア特許出願の拒絶査定が確定すると、全EAPO批准国で特許権の取得ができなくなり、(b) ユーラシア特許権に基づく選択国の特許権の無効審決が確定すると、全選択国の特許権が消滅する、点に注意が必要である。



2. 特許制度の概要

(1) 保護対象

  • ユーラシア特許は、新規性及び進歩性を有し、産業上利用可能な発明に対して付与される。ただし、発見、科学の理論及び数学的方法、情報の提示、経済的組織化及び経営の方法、記号、計画、規則、精神的な行為を行う方法、アルゴリズム及びコンピュータ・プログラム、集積回路の回路配置、構造物及び建築物並びに土地開発の企画及び計画、工業製品の外見のみに関する美的要件を満たすことを目的とした解決方法、植物の品種及び動物の品種、集積回路の回路配置、公の秩序又は善良の風俗を保護する目的で又は環境に重大な損害が生じることを防止するために商業利用を阻止することが不可欠な発明、は保護対象とならない。


(2) 代理人の選任

  • 締約国の領域に居所又は主たる営業所を有していない者がユーラシア特許出願をする場合、ユーラシア特許庁に登録された者を特許代理人として選任しなければならない。


(3) 出願から特許付与・消滅までの流れ


(3-1) 出願

  • ユーラシア特許出願の願書は、ロシア語で作成されたものを提出する。出願に係る他の書類は、ロシア語又は他の言語によることができる。ロシア語以外の言語で提出された場合は、出願から2ヶ月以内にロシア語による翻訳文を添付しなければならない。
    また、出願時には、ユーラシア特許庁に、単一手数料(出願手数料、調査手数料、及び公開手数料)を支払う。1件の出願に掛かる単一手数料は、クレーム数が5以下の場合には25,500ロシアルーブルであり、5を超えるクレーム1つあたり3,200ロシアルーブルが追加手数料として加算される。


(3-2) 方式審査及び特許調査

  • 出願番号が付与された全てのユーラシア特許出願に対して、方式審査及び特許調査が行われる。特許調査は、関連する先行技術を発見することを目的とする調査であり、調査の結果は調査報告書として出願人に送付される。
    また、調査において、発明の単一性の要件が満たされていないことが判明した場合は、その旨が出願人に通知され、通知を受けた日から3月以内に、調査を実施する対象である発明を選択しなければならない。


(3-3) 出願公開

  • 優先日から18ヶ月満了後、出願書類、及び上記(2)の調査報告書が公開される。また、出願人の請求があった場合、優先日から18ヶ月満了前に早期公開される。


(3-4) 審査請求

  • 出願公開の日から6ヶ月満了前に、審査請求料を支払うとともに実体審査の請求をする。
    審査請求料は、25,500ロシアルーブルであり、2群の発明を含む場合、19,000ロシアルーブルが加算され、3群以上の発明を含む場合、1群あたり9,500ロシアルーブルが加算される。なお、国際調査機関が作成したサーチレポートを提出することによって、審査請求料は25%減額される。


(3-5) 実体審査

  • 実体審査は、3名の審査管合議体によって行われる。実体審査では、クレームされた発明が、新規性、進歩性、産業上の利用可能性を有しているか否かを審査される。クレームされた発明が特許要件を満たしていない場合、審査官は、クレームの補正を求めることができる。
    審査の結果、クレームされた発明が特許要件を満たさない場合、または補正によってもクレームされた発明が特許要件を満たさない場合、出願は拒絶される。
    出願を拒絶する旨の決定に対しては、拒絶の通知の受領日から3月以内に、審判請求をすることができる。


(3-6) 特許付与・消滅

  • ユーラシア特許を付与する旨のユーラシア特許庁からの通知受け取った日から3月以内にユーラシア特許庁に16,000ロシアルーブルの登録手数料を支払うことによって、ユーラシア特許が付与される。ユーラシア特許はその公告の日からすべての締約国の領域において効力を有する。
    存続期間は、出願日から20年間である。ユーラシア特許の付与後は、特許保護を受けたい締約国のそれぞれにつき、年金を支払うことによってこれを維持しなければならない。
    ユーラシア特許の侵害に対しては、国内特許の場合と同じ民法上の保護を受けることができる。締約国において、ユーラシア特許の効力又は侵害から生じた紛争は、その国の国内裁判所又は他の管轄機関により解決される。


3. その他
  •  (1) 分割出願
    以下の条件の下、原出願に記載された発明について、分割出願をすることができる。
    (a) 原出願が取り下げられておらず、又は取り下げられたものとみなされていないこと
    (b) 原出願の登録日の前、又は原出願について特許を付与しない旨の決定が行われた場合は審判請求を行う可能性が消滅する前であること
  •  (2) 出願変更
     ユーラシア特許出願に対する拒絶理由通知又は拒絶審決を受け取った日から6月満了前に、国内手続に従い国内特許を得たい締約国を指定して、当該締約国の通常の国内出願に変更することができる。変更された国内出願は、ユーラシア特許出願の出願日(優先日)を有する。



参考




担当弁理士


弁理士
リサーチャー
樋口 智夫 (ひぐち ともお)
法学部卒

現在の関心は、渉外事件における知的財産と属地主義の修正です。
微力ではありますが、お客様のご要望に迅速に対応できるよう日々研鑽して参る所存です。



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