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上記トレードマークの背景地図は、1991年当時の特許登録件数を陸地の大きさと形状に擬態化して、地図状に表現したものです。

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特許担当者
意匠・商標担当者
: 春日部 仁之(名古屋在籍)
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§パキスタン知的財産情報§



◆国情報◆


正式国名:パキスタン・イスラム共和国(Islamic Republic of Pakistan)

面積 79.6万平方キロメートル(日本の約2倍)
人口 2億777万人(パキスタン統計省国勢調査2017)
首都 イスラマバード
民族 パンジャブ人、シンド人、パシュトゥーン人、バローチ人
言語 ウルドゥー語(国語)、英語(公用語)※手続は英語で可能
宗教 イスラム教(国教)



◆経済情報◆

出典:(外務省HP)

主要産業 農業、繊維産業
GDP(実質) 約3,145億ドル(2018)(世界銀行)
一人当たりGNI 約1,500米ドル
(2018/2019年度パキスタン財務省経済白書)
実質経済成長率(GDP) 3.29%
(2018/2019年度パキスタン財務省経済白書)
物価上昇率 7.0%
(2018/2019年度パキスタン財務省経済白書)
失業率 5.8%
(2018/2019年度パキスタン中央銀行年次報告書)
外貨準備高 190憶ドル
(2020年2月21日時点、パキスタン中央銀行)
貿易総額 輸出 171億ドル、輸入 401憶ドル
(2018/2019年度パキスタン財務省経済白書)



◆はじめに◆

パキスタン・イスラム共和国は2000年に知財関係法令を整備し、世界に標準を合わせた知的財産法制を確立しています。

また、「パキスタン知的財産機構法(2012年)」より、商業省傘下の商標登録所、工業省傘下の特許・意匠オフィス、教育省傘下の著作権オフィスの3つの機関を統合して、パキスタン知的財産機構が設立されました。

現在、工業所有権制度には、特許、意匠及び商標の3つがあります。

なお、パキスタンは、工業所有権の保護に関するパリ条約への加入書を寄託し、2004年7月22日から当該条約に拘束されることになりました。




◆特許◆

近年の出願数及び登録数の統計

  2015年 2016年 2017年 2018年
出願件数 886 840 698 892
登録件数 131 214 169 265

【1】法制度と条約関係の情報

特許法 あり
実用新案法 なし
意匠法 あり
商標法 あり
不正競争防止法 なし
著作権法 あり
WIPO設立条約 加入
TRIPS 加入
パリ条約 加入
PCT条約 未加入
マドリッドプロトコル 2021年5月加入
商標法条約(TLT) 未加入
ベルヌ条約 加入

【2】手続言語について

出願等の手続言語として英語が使用可能です。


【3】出願人の資格について

発明者又はその譲受人若しくは利益承継人が出願できます。(特許法第11条)


【4】現地代理人の必要性について

現地に居所を有しないものは、手続を行う際に現地代理人を必要とします。


【5】出願公開制度について

出願公開制度はありませんが、完全明細書が官庁に受理された事実が官報に公告されます。

公告により、願書及び完全明細書並びに優先権書類は公衆の閲覧に供されます。(特許法第21条)


【6】審査請求制度について

出願審査請求制度は、ありませんが実体審査が行われます。(特許法第16条)


【7】出願から特許付与までの平均期間

出願から特許付与までの平均期間は約18カ月程度。


【8】特許性について

発明は新規であり、進歩性を含み、かつ産業上利用可能であることが求められています。(特許法第7条)

また、以下に該当するものは、特許性が認められません。(特許法第7条(2)(4))


  • 1)発見、科学的理論又は数学的方法
  • 2)文学、演劇、音楽若しくは芸術の著作物又は他の何らかの純粋に美的性格の創作物
  • 3)精神的行為、ゲーム又は事業を行うための計画、規則又は方法
  • 4)情報の提示
  • 5)天然に存在する物質又はそれから単離された物質
  • 6)人、動物若しくは植物の保護又は環境への深刻な害悪の回避を含め、公序又は良俗の保護に必要と考えられる発明。
  • 7)微生物以外の植物及び動物並びに非生物学的及び微生物学的方法以外の植物又は動物を生産するための本質的に生物学的な方法
  • 8)人又は動物の処置のための診断的、治療的及び外科的方法
  • 9)既知の製品又は方法の新規又は後発的な使用
  • 10)化学製品の物理的外観の単なる変更であって、化学式又は製造方法が同一のままであるもの。ただし、特許性の基準を満たしている発明に対しては適用しません。

【9】新規性判断の基準

以下の技術水準の一部を構成しないときは、新規性があるとみなされます。(特許法第8条)


  • 1)出願日又は優先日前に、有形の方式での公開により若しくは口頭開示により、使用により又は他の何らかの方法により、世界の何れかの場所において公衆に開示されたすべての事項。
  • 2)特許法第21条に基づいて公告された完全明細書及び優先権書類の内容。
  • 3)地域社会が入手可能な又は所有している伝統的に発展した又は現存の知識。

【10】出願の審査について

特許庁長官は、出願された完全明細書等の精査を審査官に付託します。審査官は、出願された発明について、新規性、進歩性等の要件を満たしているかを審査し、審査結果を特許庁長官へ報告します。(特許法第16条第1項)

なお、審査官による特許庁長官への審査結果の報告は、出願日から18月以内に行われます。(特許法第16条第2項)

審査官による審査結果の報告が新規性、進歩性等の何れかの要件を満たしていないとする報告である場合、特許庁長官は、出願人に対して所定の期間内に新規性、進歩性等の要件を満たすための機会を少なくとも1回与えます。また、その際、必要に応じて出願を補正する機会も与えられます。なお、出願人がこれに従わないときは、特許庁長官は、当該出願を拒絶します。(特許法第16条第3項)


【11】存続期間について

出願日から20年間と定められています。(特許法第31条)

なお、特許権の存続期間の延長登録の出願制度はありません。


【12】異議申し立て制度について

何人も公告の日から4月以内に特許付与に対する異議申し立てを行うことができます。(特許法第23条)


【13】特許の取消について

利害関係人若しくは連邦政府の申立又は特許侵害訴訟における反訴により、高等裁判所は、特許付与を拒絶できる理由の何れか1又は2以上によって、特許を一部又は全部を取り消すことができます。(特許法第46条)


【14】特許発明の強制ライセンスについて

出願日から4年の期間又は特許付与日から3年の期間のうち何れか後に満了する期間の満了後に特許庁長官に対して請求があったときは、特許庁長官は、特許により与えられる権利の行使から生じるおそれがある弊害、例えば不実施を防止するために、強制ライセンスを発行することができます。(特許法第59条)


【15】侵害訴訟について

特許権者は、特許権が侵害されたとき、地方裁判所において訴訟を提起することができます。(特許法第60条)

特許権が侵害されたときとは、第3者が発明を製造し、販売し、実施し、偽造し、模倣した場合です。


【16】水際対策

特許権者は、税関に対して税関登録や登録した製品等の情報を税関に提供することが可能です。なお、当該対応には所定の費用を支払う必要があります。


【17】料金改定について

2019年3月4日より、パキスタンの商標及び特許に係る手続の公費が全面的に50%値上げされました。

ご参考までに、パキスタン特許庁に掲載されている料⾦表へのURLを掲載致します。

URL︓
http://www.ipo.gov.pk/system/files/Notification%20of%20Revision%20of%20fee-Patent%20%2804.03.2019%29.pdf




◆意匠◆
  2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
出願件数 494
外国出願:99
日本から:30
457
外国出願:126
日本から:52
558
外国出願:83
日本から:30
489
外国出願:125
日本から:59
登録件数 361
外国出願:110
日本から:16
372
外国出願:97
日本から:44
592
外国出願:90
日本から:28
309
外国出願:71
日本から:36

【1】条約関係等の情報

パリ条約、WTO協定に加盟しています。

なお、ハーグ協定、ロカルノ協定には未加盟です。


【2】出願人の資格について

創作者又はその承継人が出願できます。


【3】現地代理人の必要性について

現地に居所を有しないものは、手続を行う際に現地代理人を必要とします。


【4】審査制度について

実体審査が行われます。


【5】新規性判断の基準

国内及び外国の公知、国内及び外国の刊行物を基準として判断されます(意匠法3条)。


【6】存続期間について(意匠法7条)

出願日から5年と定められています。

なお、意匠権の存続期間の延長制度があり、10年を延長期間として2度延長することができます。


【7】異議申し立て制度について

ありません。


【8】無効審判の制度について

無効審判制度又はこれに類する制度があります。

具体的には、利害関係を有する者は登録から2年以内に限り、登録の取消を求める事ができる。

なお、日本での無効審判の請求先は特許庁ですが、パキスタンの場合、その請求先は最高裁判所とされている点で大きく異なります(意匠法10条)。


【9】侵害訴訟について(意匠法8条、9条)

意匠権者は、自己の権利が侵害された場合、損害賠償請求、差止請求を行う事ができます。




◆商標◆
  2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
出願件数 25,267 28,056 36,126 38,425 37,981
対前年比:‐1.2%
(増加率)
登録件数 9,183 9,628 12,649 12,112 25,498
対前年比:110.5%
(増加率)

※1出願1区分制を採用

※2017年から2018年度にかけて、出願件数は微減しているものの、登録件数が大きく上昇している。


<自国と他国の出願件数と他国比率の推移>

出典:令和元年度 商標出願動向調査報告書(概要)

※内国民による出願の比重が高く、海外からの出願の比率は大きくない(2016年に大きく上昇に転じたものの、以降は2年連続で20%程度にとどまっている)。


【1】条約関係等の情報

パリ条約、WTO協定、マドリッド協定議定書に加盟しています。

なお、TLT(商標法条約)、ニース協定には未加盟です。


  • ※マドプロに関する情報
    2021年5月24日に108番目のマドプロ加盟国となりました。従って、パキスタンをマドプロ出願において指定することが可能となりました。
    ただし、パキスタンの国内法においてマドプロ加盟に伴う規定が整備されたという情報は2021年10月時点で確認できておりません。現段階では、マドプロにおいてパキスタンを指定国とすることには慎重であるべきという現地代理人の意見もあるようです(手続がどのように進むのか、権利行使はスムーズにできるのかと言った観点から懸念が示されています)。


【2】現地代理人の必要性について

現地に居所を有しないものは、手続を行う際に現地代理人を必要とします。

※公証を受けた委任状の提出が必要です。ただし、委任状の事後提出が可能です。


【3】審査制度について

実体審査が行われます。具体的には、出願後3ヶ月以内に審査官から審査報告がなされ、申請内容に問題がなければ、その内容が商標ジャーナルに掲載されます。

商標ジャーナルへの掲載日以後、2ヶ月以内に商標登録異議申し立てがなければ、商標申請書は適法であると認められます。


  • ※登録料の納付について
    パキスタン商標法によると、一定期間内に登録料を納付しなければ、出願が取り下げられるという規定があります(第33条第2項)。現に、登録料の納付につき、パキスタンの庁からは通知受領から1ケ月以内に支払うべきという連絡がなされます(Demand Note)。

【4】権利付与の原則について

パキスタンは、先願主義を採用しています。


【5】団体商標制度について

パキスタンでも団体商標制度があります(商標法82条)。


【6】出願の基礎について

出願時に、①パキスタンにおいて出願商標を既に使用しているか、または明確な使用の予定がある場合は、商標の使用開始日を、②使用の意思に基づく出願の場合は、その旨を特定する必要があります。

なお、本国登録要件(外国人が自国以外の国へ出願する場合に、自国において事前に商標登録がなされていることを要求されること)は、パキスタンにおいては不要です。


【7】存続期間について

出願日から10年と定められています。

なお、商標権の更新制度があり、期間は同じく10年です。


【8】不使用取消について

パキスタンにおいても、日本と同様、登録商標が不使用の場合は、取り消されます。

不使用の期間は日本とは異なり5年です。


【9】移転について

日本と同様、自己の営業とは無関係に商標権のみ移転する事ができます。


【10】異議申し立て制度について(商標法28条、29条)

出願から3ヶ月以内に審査報告がなされ、申請内容に問題がなければ、商標ジャーナルに掲載される。上記商標ジャーナル発行後、2ヶ月以内に商標登録異議申し立てを行う事ができます。

異議申し立ての理由は所定の事項に限られます(商標法29条)。


【11】無効審判の制度について

無効審判制度又はこれに類する制度があります。

また、日本と同様、原則として請求期間に制限はありません。


【12】分類について

日本と同様、商品分類は34、サービス分類は11です。

また、標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定に基づく国際分類を採用しています。


【13】商標権の侵害について(商標法40)

我が国と同様に、権原なき第三者が同一又は類似の商品又はサービスについて登録商標またはこれと類似する商標を使用する行為が商標権を侵害する行為となります。

なお、商標権の侵害とはならない所定の行為(例えば善意の使用や人名等の使用)についても規定されています(商標法42条)。


【14】侵害訴訟について(商標法46条)

商標権者は、自己の権利が侵害された場合、損害賠償請求、差止請求を行う事ができます。




◆模倣品輸入の水際対策◆

【1】はじめに

ジェトロと在カラチ日本総領事館は、2017年10月19日、カラチ市内で知的財産権保護セミナーを共催しました。同セミナーでは、2017年4月に発足した連邦歳入庁知的財産権執行局(DGIPRE)の担当官が知的財産権保護について講演し、参加した日系企業参加者からは期待の声が上がりました。

特に今回のセミナーでは、DGIPREと日系企業との連携強化を目的に開かれており、DGIPREから日系企業に対し、新製品と模倣品との見分け方について積極的な情報提供を求めていました。


【2】水際対策の流れ

企業が自社の知的財産権を侵害された場合、DGIPREに申立

 ↓ ※ただし、申立を行うまでに商標等の知的財産権の登録が完了している必要がある

DGIPREは、同申立に基づき、知的財産の管理を行うパキスタン知的財産機構(IPO-Pakistan)と連携して、調査を開始



《出典・参考文献・リンクなど》

http://www.jetro.go.jp/world/asia/pk/invest_08/

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/pakistan/data.html

http://www.ipo.gov.pk/

APPI vol. 46 №5

PatentsOrdinance2000

DesignsOrdinance2000

Trademark Ordinance

https://www.jpo.go.jp/index.html

各国産業財産権法概要一覧表(出典:JPO)

JETRO 世界のビジネスニュース(通商弘報)


担当弁理士


弁理士
春日部 仁之 (かすかべ ひとゆき)
1971年生まれ
専門分野 電子工学

企業の知的財産関連の業務は、企業の研究開発成果を守っていくうえで重要です。
しかし、近年は事業を展開していくうえで、知的財産関連業務の複雑化および多様化が顕在化しております。
このような問題を解決できるように日々研鑽を重ね、お客様の期待に応えられることができれば幸いです。



大阪法務戦略部商標室長
弁理士/特定侵害訴訟代理人
リサーチャー
武田 憲学 (たけだ かずのり)
法律専攻
取扱分野:意匠、商標、著作権、コンピュータプログラム登録、半導体回路配置登録

弁理士として、多くの顧客の皆様の大切な知的財産の権利化及びその保護の十全化を図るという責任の重さを感じております。
日々、自己研鑽に励み、皆様のお役に立てるよう精進して参ります。



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