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フランス特許・出願(フランスのイメージ)

フランス弁理士の近代化について

特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
平成22年2月5日
(文責:フランス支援室)

フランスでは、フランス弁理士の近代化を目的として弁理士と弁護士を統合する計画等が現在国会及び弁理士会と弁護士会で議論されています。背景としては、フランス政府の知的財産への今後の取り組みや法的サービス業界の変更が挙げられます。


1.フランス弁理士とは
1968年から存在していた特許代理人及び商標・意匠専門法律家を統合し、現在のフランスの弁理士(フランス語:Conseil en propriété industrielle、「産業所有権代理人」)が1992年に成立しました。
フランス弁理士は特許弁理士と商標意匠弁理士で区別されており、彼らの業務範囲は特許・商標・意匠を中心に、権利の取得(明細書作成、フランス特許庁に対する出願手続等)、権利の実行(ライセンス等)及び訴訟を含みますが、代理人として裁判所へ出廷はできません。


2.国際競争とフランス弁理士
欧州特許条約に加盟している英国の弁理士(英語:Patent Attorney)と、欧州の「知的財産リーダー」と言われるドイツの弁理士(ドイツ語:Patentanwalt)に比べると、フランス弁理士の戦力は比較的低いと言われています。

知的財産分野で世界の最強国である米国と日本の欧州特許庁に対する特許出願の2007年の総計をみると、次のような傾向が見られます。



米国特許出願の優先権を主張している欧州特許出願の半分以上は英国弁理士に依頼されていることに加えて、41%がドイツ弁理士に依頼されます。フランス弁理士の割合は僅か5%です。



日本特許出願の優先権を主張している欧州特許出願の場合は、ドイツ弁理士の割合は1/3を超え、フランス弁理士の割合は3%に過ぎないことが見られています。

米国特許出願の優先権を主張している欧州特許出願の場合、米・英国の共通言語である英語や歴史的な両国間の関係が有力な要因になると考えられます。
さらに、米国/日本特許出願の優先権を主張している欧州特許出願の場合でも、欧州特許庁がミュンヘンにあることはドイツ弁理士にとって有利なポイントとも考えられます。

フランス弁理士に焦点を当てた場合、フランス弁理士の数の少なさも原因の一つであることが考えられます。2007年の国内弁理士と欧州弁理士 の人数は次の表に示されています。

 
ドイツ
英国
フランス
国内弁理士
約2,300人
約3,200人
680人
欧州特許弁理士
2,925人
1,751人
776人
欧州商標弁理士
2,835人
1,828人
775人

さらに、ドイツ弁理士と比較すると、フランス弁理士の業務範囲は限られていると言えます。代理人として裁判所へ出廷できないことに加えて、弁護士とともに同じ事務所で業務ができないことは、国際競争下において大きな不利になると考えられます。それに対して、地方裁判所等範囲は限られていますが、代理人として裁判所へ出廷できることはドイツ弁理士のひとつになると考えられます。
また、ドイツの弁護士(ドイツ語:Rechtsanwalt)と弁理士が同時所属している事務所に出願を依頼することでワンストップという形で出願から権利の実行や訴訟まで、一貫したサービスを受けることが可能なため、この点においてもドイツ弁理士に依頼するメリットが伺えます。


3.フランス弁理士の近代化に関する議論の現状
上記の状況を鑑みて、一部のフランス弁理士を代表しているCNCPI(Compagnie Nationale des Conseils en Propriété Industrielle)という協会から弁理士と弁護士を完全に統合するべきだという声があります。
専門家からなる政府機関の提出書類によって支持されたCNCPIの提案には、弁理士と弁護士の統合に加え、フランス弁理士の名称は「産業所有権代理人」から「知的財産弁護士」に変換することや、ここ数年で、技術的な面より法知識を必要とする業務が中心になっている状況を考慮し、弁理士がより深い法的知識を得るための教育制度を実施すること等が挙げられています。
しかし、弁理士の一部から上記の計画への反対も強く、反対している弁護士も多いそうです。弁理士と弁護士を統合した場合、弁理士の特性がなくなり企業等に提供している知的財産サービスの質が落ちてしまう、裁判所における弁護士の独占権を希釈化してしまうという非難があります。また、最終的な決定力を持っているフランス政府は弁理士の近代化の必要性を認めながら、関係者の意見を求め、検討を進めていますが、2009年12月ミシェル・アリヨ=マリー法務大臣は、「弁理士と弁護士は根本的に異なっているため、統合することにはいかない。(略)しかし、共通教育等という手段で、2つの職業を接近させる方針で今後検討を続けるべき。」と述べました。
フランス弁理士の国際競争力を高めるために、弁理士と弁護士統合ではなく、どのような形で2つの職業を接近させるか、これからの話題になると考えられます。



*1 「国内弁理士」とは各国の弁理士の国家資格をもっている弁理士を指し、「欧州弁理士」とは欧州特許庁で手続代理の業務を行うための資格を持っている弁理士を指します。なお、「国内弁理士」と「欧州弁理士」の重複は可能です。


≪ 参 考 ≫ CNCPIのホームページ(www.cncpi.fr
フランス司法省のホームページ(www.justice.gouv.fr
フランス週刊誌L’Expressのホームページ(www.lexpress.fr
Rapport sur les professions du droit, Commission Darrois, 3月2009年
Projet d'unification des professions d'avocat et de conseil en propriété industrielle, CNCPI, 10月2008年
ウィキペディア・フランス語版(www.wikipedia.fr

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