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KSR事件の最高裁判決に係る留意事項

特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
平成19年08月06日
(文責:新 井)

1.KSR事件において問われた事項
・ 教示、示唆、又は動機付けテスト(すなわち、TSMテスト)が自明性の判断のための唯一のテストか?
・ TSMテストは、厳格に適用されるべきか?

2.CAFCの従前のポジション
CAFCは、KSR事件の最高裁判決までは、TSMテストを自明性の判断のための唯一のテストとして使用してきた。CAFCは、複数の引用文献を組み合わせる根拠が、拒絶の根拠として挙示された引用文献中に明示的に存在しなければならないという立場をとっていた。
CAFCは、また、公知技術が、特許権者において解決しようとしていた課題と同一の課題に取り組むものでなければ、上記公知技術に基づいて自明であると認定できない旨の立場をとってきた。
CAFCは、更に、「試みることは自明である」との理由付けは、35 USC §103(a) 下で自明であると認定するには不十分であると共に自明性の判断のためのテストとしては不十分であるという立場をとってきた。

3.従前のTSMテストの詳細
従前は、クレームに記載のように複数の関連教示内容を組み合わせることへ当業者を導く、公知の、証明済みの、且つ明示的な教示、示唆、又は動機付けが存在しなければ、本願発明を35 USC §103(a) 下で自明であると認定することはできなかった。

審査の過程で、TSMテストが適用された場合、出願人は、挙示された引用文献中に、審査官が認定するように従来技術を組み合わせる、又は変更することに対して、教示、示唆、又は動機付けが存在する証拠がない旨の反論を行うことが可能であった。出願人は、また、審査官に対して、動機付けの理由を提示すべきである旨を求めることが可能であったのみならず、上記動機付け及び審査官の自明性に係る認定をサポートする証拠を提示すべきである旨を求めることが可能であった。

審査官は、複数の引用文献を組み合わせるために、「試みることは自明である」旨の理由付けをすることはできなかった。審査官は、また、異なる技術分野の引用文献を挙示することができなかった。異なる技術分野の引用文献を挙示した場合、審査官は、「非類似の技術」との反論に直面することになる。

4.KSR事件における結論
US連邦最高裁は、CAFCの判決を破棄し、TSMテストが自明性判断の唯一のテストではない旨、判示した。
最高裁は、また、CAFCの自明性に係る判断基準が厳格すぎると共に制限的すぎる旨、判示した。

5.KSR事件におけるCAFC認定の誤り
(5-1) CAFC認定の第1の誤り
最高裁は、CAFCの認定には次の第1の誤りがあったことを指摘している。
・ 特許権者が解決しようとしていた課題にのみ目を向けるべきである旨の認定は誤っている。
発明の時点で目的に向かって活動する技術分野において知られたニーズや課題であれば構成要件を組み合わせる根拠になる。

(5-2) CAFC認定の第2の誤り
最高裁は、CAFCの認定に次の第2の誤りがあったことを指摘している。
・ CAFCは、課題解決を試みる当業者が、同じ課題を解決する従来技術の構成要件にのみ導かれる旨、誤った仮定をしていた。
良く知られた要素は、主目的を超えた自明な用途を有しているかもしれない。

(5-3) CAFC認定の第3の誤り
最高裁は、CAFCの判断に次の第3の誤りがあったことを指摘している。
・ CAFCは、自明性の動機付けとして後知恵による再構成に関し誤った結論を導き出していたと共に、試みることが自明であることが引用文献を組み合わせる動機付けとして不十分である旨、誤って結論していた。
テストを厳格に適用することはできないと共に、動機付けを引用文献中に「暗に」見出すことができる。動機付けは、また、試みることが明らかであるという結論に基づくことが可能。

6.KSR事件の最高裁判決を考慮に入れた業務上の留意点
・ 自明性判断のテストは、もっと非制限的で且つフレキシブルなものである。
・ 自明性の判断には、多くの異なるのテストを適用できる。
・ クレーム発明に到達するために従来技術を組み合わせたり、変更したりする根拠は、従来技術に具体的に記載されていることを必要としない。
・ 引用文献は、特許権者が取り組む課題と全く同じ課題を解決しようとするものである必要はない。
・ 自明性判断のテストとして、「試みることは自明である」を使用することが可能である。
・ 他の技術分野の従来技術における解決策に目を向け、これをクレーム発明の技術分野に適用できる。
・ 自明性の根拠として、設計上の誘因や他の市場動向に目を向けることができる。
・ クレーム発明に到達するために従来技術を組み合わせたり変更したりする根拠や理由付けは、引用文献に具体的に記載されている必要はない。
・ 自明性を認定するためには、引用文献中の相互に関連のある教示内容、当業者に知られ要望されている効果、当業者の背景知識等に目を向けることができる。
・ 当業者が使用するであろう推論や創造的なステップを考慮することができる。
・ 引用文献中に記載の詳細な教示内容のみに目を向けないこと。
・ 公知の方法に基づく良く知られた要素を組み合わせても、予測可能な結果しかもたらさない場合、自明である可能性が高い。
・ 特許出願が、従来技術において公知の構成(一つの要素を、その技術分野において知られている他の要素で置換しただけの構成)をクレームしている場合、組み合わせたものは、予測可能な範囲を超えた結果をもたらすものでなければならない。
・ クレームに記載の構成要件が、非予測で、新たな相乗効果があり、且つ、有益に協働するということは、非自明性の証拠となる。
・ クレーム発明によって解決された課題が従来知られていなかった場合、非自明性の証拠となり得る。
・ 動機付けは、引用文献中に暗に示されたものであってもよい。動機付けは明示されている必要はない。
・ 当業者であれば予想可能な変更例を実施したり、そうすることに利益があると理解したりするであろうか否かを考慮すること。
・ 公知の方法に基づいて良く知られた構成を組み合わせても、予測可能な結果しか得られない場合、自明であると認定される。
・ 複数の従来技術が相互に関連のある教示内容を示している場合、自明の根拠とされる。
・ 当業者に知られた要望に応えたものである場合、自明であると認定される。
・ 当業者の背景知識が、自明性判断において考慮される。
・ 審査官は、従来技術の組み合わせに基づき自明である旨の認定をする場合、明白な根拠を出願人に示さなければならない。

以 上

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