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フェスト事件のその後の経緯

特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
平成17年06月27日
(文責:新 井)


 1.背景
 2002年5月、連邦最高裁は、CAFCの大法廷判決(Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co., 234 F. 3d, 558 (Fed. Cur. 2000)を破棄し、事件をCAFCへ差し戻した。
 連邦最高裁の判示によれば、特許性に関連した本質的な理由のためになされた減縮補正に対して、反証しない限り、出願経過禁反言の法理が適用される。
 Festoは、補正の時点で、『当業者が合理的に均等物を文言上包含するであろうクレームを作成したことを予測できなかったこと』を証明することによって、”complete bar”の推定に対して反証できる。
 具体的には、
① 特許権者は、均等物が補正の時点で予測不可能であったことを証明することによって”complete bar”の適用推定に対して反証できる。
② あるいは、補正の根拠は、問題の均等物とは逸れた関係を生み出すに過ぎないことを証明することによって、”complete bar”の適用推定に対して反証できる。
③ あるいは、問題の非本質的な代替物を記載したであろうことを特許権者が合理的に予測できなかったことを示す他の理由が存在することを示することによって、”complete bar”の適用推定に対して反証できる。

 2.争点
 CAFCは、事件の差し戻しに際し、次の4つの事項について返答することを関係者に求めた。
 ⑴ 放棄に係る推定の反証(予測可能性、逸れていること、または当業者の合理的な予測可能性に係る争点を含む。)が法律上の問題であるのか、あるいは事実上の問題であるのか? また、特許権者が推定に対して反証できるか否かを決定する際に陪審員がどのような役割を果たすべきか?
 ⑵ 最高裁によって示された基準によってどのファクタがその範疇に入るのか?
 ⑶ 反証の決定に事実認定が必要ならば、地裁に差し戻して、『フェストは、減縮補正が均等物を放棄したという推定に反証し得るか否か』を決定する必要があるか? 存在する記録がそのままで上記決定を行うことに充分であるのか否か?
 ⑷地裁に差し戻すことが不要であるならば、フェストは、減縮補正が均等物を放棄したという推定に対して反証できるか否か? 

 CAFCは、関係者や法廷助言者から上記事項に対するブリーフを受領し、且つ、公聴会開催後に裁決した。

 上記裁決に先立って、CAFCは次の点を再確認した。
(a) 特許性に関する本質的な理由(35 U.S.C. §112に準拠するものも含む。)によりなされた減縮補正に対して出願経過禁反言の法理が適用される。
(b) 自発的に行う減縮補正に対しても出願経過禁反言の法理が適用される。
(c) 特許権者は、出願経過記録に基づいてのみ推定(説明なしでなされた減縮補正は特許性に関する本質的な理由によりなされたとの推定)に対する反証が可能である。

 CAFCは、次のような結論に到達した。
(1) 補正の結果、補正した構成要件に対して均等論の適用はない(”complete bar”)とする推定に対して特許権者が反証したか否かは、法律問題である。陪審員が決定するのではない。
(2) 特許権者が推定に対して反証できた(『予測可能性』、『逸れていること』、または『合理的予測不可能を示す他の理由』を証明できた)か否かを決定する要因は、ケースバイケースで判断する。
『予測可能性』については、補正時に、当業者にとって何が予測可能であって、何が予測不可能であったかが客観的に審理されなければならない。例えば、補正時に存在した技術は予測可能であり、補正後に開発された技術は予測不可能であろう。専門家の証言(鑑定)や他の外的証拠を考慮して、当業者にとって何が予測可能であったかを決定することが裁判所に許される。
『逸れていること』については、問題の均等物を含む公知技術を回避するためになされた補正は『逸れていない』と言える。逸れているか否かの判断は、出願経過記録に基づいてに行われなければならない。出願経過記録を理解する当業者からの専門家の証言に基づいて上記判断をすることは許される。
『問題の非本質的な代替物を記載したであろうことを特許権者が合理的に予測できなかったことを示す他の理由が存在すること』については、出願経過記録のみに基づいてに行われなければならない。
(3) 補正時に予測可能であったか否かを決定する記録が不充分であることに基づいて、フェストによる補正時に問題の均等物が予測可能であったか否かを決定するために、本件を差し戻すことが必要である。

 3.結論
 本件は地裁へ差し戻され、フェストが、減縮補正時に、問題の均等物が当業者にとって予測不可能であったことを反証できるか否かについての判断がなされる。


 4.地裁での差し戻し判決
最高裁及びCAFCによって地裁へ差し戻された後、本件の争点は、フェストにおいて、被告SMCのイ号装置の2つの均等物が、Stoll patent (U.S. Patent No. 4,354,125) におけるクレームの減縮の時点で、当業者にとって予見不可能であったことを確立することによって、均等物の放棄の推定を反証できたかどうかであった。

マサチューセッツ地区の米国地方裁判所判事は、裁判官による公判(bench trial)において、フェストにおいて、SMCがフェスト所有の特許権を侵害したことを均等論下で証明しなかった旨の認定を行った。

より詳しくは、判事は、SMCのイ号装置における唯一のシーリング・リングと非磁性体のアルミニウム・スリーブとが1981年11月当時のクレーム減縮補正時点で当業者にとって予見可能であったであろう旨の認定を行った。フェストは、これらの均等物の放棄の推定を反証しなかったので、均等論下での特許権侵害を証明したことにならない旨、地裁は判示した。

 以上のように、2005年6月16日、地裁はSMCに有利な判決を下した。

(参考資料)
FESTO最高裁の推定(反証可能な推定)に反証するための3つの方法に関しては詳細な指針を示しませんでしたが以下のようなガイダンスを示しております:

反証手法1に関して: 

※ 「予期不能性」の判断基準はクレーム補正時において当業者にとってどうであったかが判断の基準である;
※ 後に開発された技術(真空管に対してトランジスタ等)は「予期不能性」を満たす;
※ 公知技術は予期可能性の範疇に入りやすい(然し、必ずしもそうではない)
※ 今回の事件に関して地裁において「予期不能性」を外部証拠及び専門家の証言を考慮し判断されるべきである。

反証手法2に関して:

※ 減縮補正をした理由が問題となる均等の形態に直接関連するものであったか否かを判断する;
※ 問題となる均等の形態を包括するような先行技術を回避するべく補正された場合には反証手法2は適用できない;
※ 着眼されるべきは経過書類より理解できる特許権者の補正を為した客観的な理由である;
※ 判断基準としては経過書類を参酌されるものとし、経過書類を理解するために当業者の証言が必要である場合を除いて証拠を追加することはできない;

反証手法3に関して:

※ 補正時に何故問題となる均等の形態を包括できなかったのかを示す「用語の不適切な使用」などを証明することで反証可能となる;
※ 本反証手法を実行する場合において経過書類の枠内でおこなうこと;


 以 上

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