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USPTO が3つの特許プロセストラックを提案
特許業務法人 原謙三国際特許事務所
平成22年06月14日
(文責:新 井)
1.はじめに
2010年6月3日、USPTOは、官報(Press Release, 10-24)において、より効率的に実体審査を行うため、審査のスピードを出願人サイドでコントロールが行えるようにするため、出願人が必要とする審査タイミングを提供するため、未審査の滞貨を削減するため、及びイノベーションの要求を充たすようにUSPTOのリソースを配備するために、3つの特許プロセストラック(案)を提示し、この導入についてパブリックコメントを募集しています(USPTOは2010年7月20日に公聴会を開催することを予定しており、上記のパブリックコメントの受付は2010年8月20日までの予定です。)。*1
今回の提案によって大きく影響を受けるのは、米国において第二国出願を行うケースです。
2.米国において第二国出願を行う場合
米国において第二国出願する場合、第一国出願が行われた国の特許庁によってFirst Office Action が発行された後に通常審査(現行の審査)が開始されます。換言すれば、出願人から第一国出願に係る特許庁がサーチレポートやFirst Office Actionとそれに対する出願人の応答書の写しがUSPTOにファイルされるまでUSPTOは審査を開始しません。
Office Actionにおいて第一国出願が許可可能状態にあると認定された場合、適切に応答するために必要であったであろう全てをUSPTOに通知することが必要となります。また、第一国出願のOffice Actionにおいて少なくとも一つの拒絶理由が通知された場合、出願人の応答において、補正を含めることはできるが、第二国出願である米国出願が上記Office Actionにおいて依拠された証拠に対して特許可能状態にあると考えられる理由に係る反論を含めることが必要となります。
なお、First Office Actionとそれに対する出願人の応答書の写しが提出されると同時または提出された後に、後述のトラックⅠの請求を行うか通常審査を行うかを選択することが可能です。
3.米国において第一国出願を行う場合の3つの特許プロセストラック
(3-1)トラックⅠ-優先順位を付けた審査(prioritized examination)
トラックⅠの請求はいつでも可能であり、所定の手数料が別途必要となります。対象出願にクレーム数の制限が付されます(独立クレーム数は最大4個、クレーム数の合計は最大30個まで。)。本トラックⅠの請求が許可された後速やかに、又は最先の出願日から18ヶ月経過後のいずれか早い方までに公開されます。本トラックⅠの審査は、他の審査促進プログラムに基づく早期審査と同列に置かれます。トラックⅠの請求が許可されてから4ヶ月以内にFirst Office Actionを発行し、査定を12ヶ月以内に完了することが目標とされています。
(3-2)トラックⅡ-現行の通常審査
出願人が特にトラックⅠもⅢも請求しない場合、現行の通常審査待ち件となります。
(3-3)トラックⅢ-最大30ヶ月まで審査の遅延可能
トラックⅢにより、最大30ヶ月まで出願人は審査を遅延させることが可能となります。具体的には、トラックⅢの請求が許可された後、出願公開が可能な状態にある出願は、審査請求及び審査手数料の納付段階に移行します(追納する場合には追加料金の支払が別途必要となります。)。30ヶ月以内に審査請求が行われなかった場合、出願は放棄されたものとして取り扱われます。なお、一定期間だけ審査を遅延させたい場合、その旨の請求を行うと共に審査請求及び審査手数料納付を早い段階で行うことも可能です。なお、審査請求後にトラックⅠの請求を行うことも可能です。また、継続性の出願については適用されません。
以 上
*1 LINK:
http://www.uspto.gov/news/pr/2010/10_24.jsp
http://edocket.access.gpo.gov/2010/pdf/2010-13244.pdf