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US Case Brief(1) 新規性と実施可能性との関係が示された判例

原謙三国際特許事務所
平成15年12月12日
(文責:新 井)

新規性と実施可能性について
 Elan Pharms., Inc. v. Mayo Found. For Med. Educ. & Research, No.00-1467 (Fed. Cir. Oct. 2, 2003) において、新規性と実施可能性との関係が判示された。
 すなわち、

引用文献に基づいてクレーム発明が新規性を具備していないとするには、この引用文献が上記クレーム発明の要旨(subject matter)を実施可能とする記載を有していなければならない。単に、所望の要旨を記載したり、挙示したりするだけでは不十分であり、実施するために必要以上の実験を強いるような引用文献に基づいて新規性なしとすることはできない。


 上記ケースの経過説明
 E社(Elan Pharms., Inc)とA社(Athena Newrosciences, Inc.)は、2社がそれぞれ所有する2つの特許をM社 (Mayo Found. For Med. Educ. & Research) が侵害しているとの理由により、地裁(District Court for the Northern District of California)に提訴した。
 これに対して、M社は、E社とA社が所有する2つの特許が、審査過程で挙示された引用文献に基づいて新規性の特許要件を具備しておらず、したがって無効であることを求める略式判決を求めた。
 下級裁は、M社の訴えを認容する略式判決を下した。これに対して、E社はCAFCに控訴した。
 E社は、上記引用文献が特許発明の全ての限定事項を示しておらず、E社の特許発明を実施可能とするものではない旨、反論した。E社は、また、上記引用文献の記載からE社の特許発明である ”transgenic animal” を製造することは困難であること、及び公知方法のうちどれを用いれば ”transgenic animal” を製造できるかについて教示も示唆もしていない等を主張した。
 これに対して、M社は、E社が上記引用文献に記載の方法の一つを用いて、実際に特許発明に到達できた旨を反論した。
 CAFCは、『争点となっている特許が引用文献に開示されているので無効である』との先の略式判決を破棄し、差し戻す旨の決定を行った。今後、『必要以上の実験を強いることなく上記引用文献に基づいて上記特許発明を実施できるか否か』が審理される。

以 上

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