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US Case Brief(13) 和解及びラインセンシング契約を締結した特許権者が相手側顧客に対して
訴訟を提起することはできないことが示された判例

原謙三国際特許事務所
平成16年07月20日
(文責:新 井)

和解及びラインセンシング契約を締結した特許権者が相手側顧客に対して訴訟を提起することはできないことが示された判例
(Jacobs v. Nintendo of Am., Inc., No. 03-1297 (Fed. Cir. May 28, 2004)



1.簡単な経過説明

(a) 特許権者であるJacobs は、米国特許(USPN. 5,059,958)を所有していた。この特許は、ボタンを押すのではなくてキャラクタを傾けて移動させるビデオ・ゲーム・コントローラに係るものである。

(b) Jacobs は、当初、加速度計と呼ばれる傾斜に敏感な部品を供給している”Analog Devices, Inc.”を相手取り、侵害訴訟を地裁に提起した。その後、Jacobs は、上記訴訟を取り下げ、和解及びライセンシング契約を締結した。

(c) 上記契約には、傾斜に敏感なコントローラに使用される加速度計を販売する権利も含まれていた。

(d) Jacobs は、後に、”Nintendo of Am., Inc.” が上記特許権を侵害しているとの理由で侵害訴訟を地裁に提起した。”Nintendo of AM., Inc.”は、次のように反論した。『Jacobs と”Analog Devices, Inc.”との間で締結された和解及びライセンシング契約は、”Analog Devices, Inc.”とその顧客とを保護するものである。したがって、上記契約は、”Analog Devices, Inc.”の顧客である”Nintendo of Am., Inc.”をも保護するものである。

(e) 地裁は、”Nintendo of Am., Inc.”の言い分を認容した。地裁は、『Jacobs は、前方の扉を介してできないことを後方の扉を介して(”Analog Devices, Inc.”の顧客を相手取って訴訟を提起することによって)行うことはできない。』旨の判決を下した。

(f) これを不服とし、Jacobs は CAFC に控訴した。Jacobs は、『”Analog Devices, Inc.”のコントローラが非侵害の使用を行っていることが立証できれば、”Nintendo of Am., Inc.”は黙示許諾を有するのみである。上記契約は、”Analog Devices, Inc.”が訴えられないという権利のみを”Analog Devices, Inc.”に付与するものである。』旨、開陳した。

(g) これに対して、CAFC は、『上記契約書の文言は、Jacobs が主張する範囲よりも広いものであることを示している。”Analog Devices, Inc.”の顧客に上記加速度計を上記契約書に明示的に規定の製品に使用させないことを Jacobs に許せば、上記契約書の規定を否定することになる。』旨の見解を示した。


2.結論
CAFC は、次のように判示し、地裁の判決を支持した。
すなわち、Jacobs は、”Analog Devices, Inc.”の加速度計が組み入れられた傾斜に敏感なコントローラを”Nintendo of Am., Inc.”が製造及び販売していることに基づいて、上記特許権を侵害しているとして”Nintendo of Am., Inc.”を相手取って訴訟を提起することはできない。


以 上

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