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US Case Brief(14) USPTOによる特許無効の認定に基づいてなされた裁判所における棄却が勝訴当事者に弁護士費用を回収せしめるかどうかが示された判例
原謙三国際特許事務所
平成16年07月26日
(文責:新 井)
USPTOによる特許無効の認定に基づいてなされた裁判所における棄却が勝訴当事者に弁護士費用を回収せしめるかどうかが示された判例
(Marc S. Weiner, Esq., James T. Eller, Jr., D. Richard Anderson, Esq., and MaryAnne Armstrong, Ph. D, Esq. (Vol. 2, No. 31 – 16 July 2004)
1.簡単な経過説明
(a) Inland Steel は、USX Corporation とLTV Steel とを特許権侵害で地裁に提訴した。
地裁は、USX がInland Steel の特許権を侵害している旨の認定を行った。これを受けて、USX は、上記特許について、USPTOに再審査手続を行った。USPTOは、再審査の結果、上記特許が無効である旨の認定を行った。
(b) これを受けて、
地裁は、上記侵害訴訟の審理を再開した。この際、地裁は、USPTOの上記無効の認定については議論の余地があるとの理由で、上記特許の無効の判断を示さなかった。
地裁は、弁護士費用(35 U.S.C. sec. 285)についても USX の言い分を認めなかった。なぜなら、USX は、USPTOにおける”prevailing party”ではあるが、地裁における勝訴当事者(”prevailing party”)ではないからである。
(c) これを不服とし、USX は、上記弁護士費用について CAFC に控訴した。
(d) Inland Steel は、USX が勝訴当事者に該当しない旨、反論した。これは、地裁において、上記特許の無効性についての訴訟は提起されていないことに基づくものである。
(e) これに対して、USX は、次のように開陳した。すなわち、確かに地裁においは上記特許の無効性についての訴訟は提起されていないが、
USX は勝訴当事者である。なぜなら、特許の取り消しにより、侵害に関してUSXに有利な判決が下されることになるからである。
(f) CAFCは、次の見解を示した。すなわち、
35 U.S.C. sec. 285によれば、勝訴当事者は、弁護士費用を回収できる。勝訴当事者の意味については新たな争点を提起するものである。
勝訴当事者か否かを決定する際、当事者間の法的関係を変えるものが少なくとも必要とされる。地裁は、USPTOの上記無効の認定については議論の余地があるとの理由でUSXの反訴を却下したが、
地裁は、侵害についてはUSXに有利な判断を行ったので、地裁は、当事者間の法的関係を変えるものを受領したことになる。したがって、USXが無効に関して勝訴当事者であるとは言いながら、USXは地裁においても勝訴当事者である。
2.結論
CAFC は、次のように判示した。
すなわち、USXの勝訴当事者としてのステータスに係る地裁の判決を破棄し、地裁に差し戻し、本件が『例外的な場合』に相当し、これによりUSXが弁護士費用を回収できる勝訴当事者であるか否かを決定すること。
(参考)
35 U.S.C. sec. 285:裁判所は、例外的な場合に、勝訴当事者のために合理的な弁護士費用を裁定することができる。
上記『例外的な場合』には、典型的なパターンが二つある。無効または非侵害が明白であるにもかかわらず無用の訴訟を提起した原告(特に、フロードにより特許を得た権利者)、及び特許の有効性、侵害が明白であるにもかかわらず、侵害行為を中止せずに訴訟を招いた被告(悪意の侵害者)である。
以 上