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US Case Brief (22) “Step of”を文言した方法クレームが§112の第6パラグラフの推定適用を受けるか否かが示された判例

特許業務法人 原謙三国際特許事務所
平成17年06月13日
(文責:新 井)

“Step of”を文言した方法クレームが§112の第6パラグラフの推定適用を受けるか否かが示された判例

(CARDIAC PACEMAKERS, INC. v. ST. JUDE MEDICAL, INC., No. 02-1532 (Fed. Cir. Aug 31, 2004))

1.簡 単 な 経 過 説 明
 Cardiac Pacemakers, Inc. (以下、CPI) は、所有するUSP4,407,288 (以下、288特許)が、St.Jude Medical, Inc. (以下、St.Jude) によって侵害されているとして、連邦地裁に提訴した。288特許のクレームは、§112の第6パラグラフの適用を受けるので、非侵害であるとした陪審員の評決が地裁で支持され、非侵害との判決が下された。CPIはこれを不服としてCAFCへ控訴した。

 本件において、争点となった点は以下のとおりである。

1. A method of heart stimulation using an implantable heart stimulator capable of detecting a plurality of arrhythmias and capable of being programmed to undergo a single or multi-mode operation to treat a detected arrhythmia, corresponding to said mode of operation the method comprising the steps of:
(a) determining a condition of the heart from among a plurality of conditions of the heart;
(b) selecting at least one mode of operation of the implantable heart stimulator which operation includes a unique sequence of events corresponding to said determined condition; and
(c) executing said at least one mode of operation of said implantable heart stimulator thereby to treat said determined heart condition.

 地裁は、上記ステップ(a)が、§112条の第6パラグラフにおけるステップ+ファンクション(step for~ing) に該当すると認定した。§112の第6パラグラフは、「組み合わせに係るクレームにおける構成要素が、具体的構造、材料、または行為を明記せず、特定の機能を果たすための手段または工程として表すことができるが、このようなクレームは、明細書に記載された構造、材料、ないし行為、またはそれらの均等物をその範囲として解釈される。」旨、規定している。

地裁は、ステップ(a)が、明細書に記載された心臓の状態を決定するための特定処理及びこの処理に技術的に均等なものだけをカバーする旨、認定した。一方、イ号方法は、上記クレームの特定処理及びこれに均等な処理を用いていないことに鑑み、非侵害である旨の認定を行った。

 ところで、方法クレームにおいて、”step for -ing” を文言すれば、§112の第6パラグラフの規定が推定適用される。たとえ、”step for -ing”以外の文言で記載した場合(本件のように、”step of -ing”で文言した場合)であっても、同規定が推定適用される場合がある。

本件では、ステップ(a)が”step of -ing”の形態で記載されているので§112の第6パラグラフの適用を受け、心臓の状態を決定するための特定処理及びこれに均等な処理だけに限定されるのか否かが争点となった。この特定処理が、「評価回路及びPDF(Probability density function)回路の出力を解析することによって、不整脈を検出・識別する。」旨、特許明細書に記載されているが、イ号方法においては、上記評価回路、上記PDF回路、及びそれらの均等物が用いられていなかった。

上記事情に鑑み、CAFCは、次の判断を示した。すなわち、”the method comprising the steps of”” と文言したからといって、それが自動的に§112条の第6パラグラフの適用を受けることを意味するものではない。クレームの形態がどうであれ、クレーム解釈は、明細書の記載、及び審査経過に基づいて行われるべきである。方法クレームは、必ず”step”を文言するものであるが、それに続く文言が、§112の第6パラグラフに規定の形態であるとの推定を引き起こすこともない。

2.結 論
CAFCは、「”step of” を文言した288特許の方法クレームが、§112条の第6パラグラフの適用を受ける」旨の認定を行った地裁の判断に誤りがあるとして地裁へ差し戻し、明細書、及び審査経過に基づいて、イ号方法が「心臓の状態を決定するステップ」を有しているか否かを地裁において決定するよう命じた。

以 上

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