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US Case Brief (29) 4つの引用文献を組み合わせる動機付けと解決課題との関係が示された判例

特許業務法人 原謙三国際特許事務所
平成18年05月29日
(文責:新 井)

(In re Leonard R. Kahn, No. 04-1616 (Fed. Cir. March 22, 2006)



争点:USPTOは、4つの引用文献の組み合わせに基づいて、Kahn のクレームが非自明性の特許要件を具備していない旨、認定できるか否か。

結論:認定可能。上記引用文献を組み合わせる”motivation-suggestion-teaching” を示すことによって一応の自明性の推定を確立できる。


事実関係の簡単な説明
 本件は、クレーム発明が非自明性の特許要件を具備していない旨の審判部の認定を不服とし、Kahn によってCAFCに提訴されたケースです。上記クレーム発明は、外観上損なわれたものに使用し得る読取装置に関するものです。審判部は、上記クレーム発明を拒絶するに際し、4つの引用文献を組み合わせました。審判部は、最高裁判決(Graham v. John Deere Co, 383 US 1, (1966) )に関するガイダンスに従い、従来技術の範囲と教示内容を決定した後、従来技術とクレーム発明との差異を認定しました。審判部は、それから、当該技術分野における当業者のレベルがどのようなものであるかを示しました。審判部は、発明時に当業者にとって上記クレーム発明の主題が自明であったと認定しました。この認定を行うに際し、審判部は、引用文献を組み合わせる”motivation-suggestion-teaching”が、引用文献中の特定の記載に基づくものであると共に、解決課題がどのようなものであるかに基づくものである旨、示しています。これに対して、Kahn は、審判部が不当にも後知恵を用い、上記4つの引用文献を組み合わせて本願クレーム発明に到達している旨、反論しました。Kahn は、更に、自分の読取装置が長年待望されていたものに係り、これが一応の自明性を覆すには十分である旨、反論しました。


理由付け/結論
 CAFCは、次のように説示しています。すなわち、「クレーム発明の主題がUSC §103 下で自明であるか否かを認定するに際し、審判部は、Graham case のガイダンスに従っている。引用文献を組み合わせるために”motivation-suggestion-teaching”を示さなければならないという要件は、自明性の解析を行う際に後知恵を用いること防止するためのものである。加えて、「類似技術」のテストは、長年にわたってGraham analysis の一部であった。このテストは、引用文献が、出願人に関係のある試みの範囲内か、又は、出願人に関係のある課題に合理的に関連しているかのいずれかでなければならない。”motivation-suggestion-teaching”テストは、上記の類似技術テストが行われずにGraham analysisを行っている場合に行われる。重要なことは、自明性の解析において動機付けを判断する際、課題は、発明によって解決される特定の課題ではなくて、発明前に発明者が直面していた一般的な課題である。

 CAFCは、次のように判示しました。すなわち、「審判部は、従来技術を組み合わせる動機付けをサポートする実質的証拠を示している。Kahn は、長年待望されていたことが非自明性の証拠であることを考慮すべき旨をCAFCに要求しているが、それを示す証拠を提示していない。また、長年待望されていたことは、裁判所が通常行っている”judicial notice”の類ではない。それゆえ、CAFCは、審判部が、引用文献を組み合わせるために”motivation-suggestion-teaching”を示すという実質的な証拠によって一応の自明性を適切に確立しているのに対し、出願人は、審判部の確立した一応の自明性の推定に対して反論により覆していない。


以 上

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