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US Case Brief (30) 新規性に係る引用文献と35 USC §112第1パラグラフとの関係が示された判例
特許業務法人 原謙三国際特許事務所
平成18年06月12日
(文責:新 井)
(Rasmusson v. SmithKline Beecham Corp., No. 04-1191, -1192, 75 USPQ2d 1297 (Fed. Cir. June 27, 2005)
争点:実施可能に記載されていない引用文献は、特許クレームに対して従来技術となり得るか否か。
結論:従来技術となり得る。35 USC §112 の第1パラグラフの記載を必ずしも満たす必要はない。
事実関係の簡単な説明
Appellant のRasmusson は、Cross-Appellant のSmithKline の特許出願のクレーム発明が、引用文献EPA 285383 に対して新規性の特許要件を具備していない旨、反論しました。審判部(BPAI)は、SmithKline の特許出願のクレーム発明が、引用文献EPA 285383 には開示されていない旨、認定しています。これは、引用文献EPA 285383が、35 USC §112 の第1パラグラフの規定を満たしていなかったことに基づいていました。
SmithKlineは、活性成分(finasteride)が前立腺癌の治療に有効であるということを示していないので、上記引用文献EPA 285383は実施可能に記載されていない旨、反論しました。具体的には、従来技術として挙示された引用文献の開示が実施可能に記載されていなければ、その従来技術に基づいてSmithKlineのクレーム発明が新規性を有していないと認定することは不当である(Elan Pharm., Inc. v. Mayo Found. For Med. Educ. & Research, 346 F. 3d 1051, 1054 (Fed. Cir. 2003)旨、反論しました。
Rasmusson は、上記認定を不服とし、CAFCに提訴しました。§102下で挙示される従来技術文献の実施可能の基準と、§112下での実施可能の基準とは異なっています。CAFCは、Bristol-Myers Squibb Co. v. Ben Venue Laboratories, Inc., 246F. 3d 1386 (Fed. Cir. 2001) の判決を支持しました。これによれば、従来技術文献は、係争特許と同じ投薬方法を開示していますが、係争特許は薬が患者の治療にポジティブな結果を有していることを示しているのに対し、従来技術文献はネガティブな結果を示していました。CAFCは、公知のプロセスに関して新たに発見した結果であって同じ目的に係るものである場合、そのような結果が上記プロセスに固有のものであるので特許性は認められないということに鑑み、従来技術文献においてネガティブな結果が報告されていても、この従来技術文献に基づいて係争特許クレームの新規性を否定し得る旨、判示しました。このように、引用文献EPA 285383は、実施可能に記載されていないかも知れないが、係争特許の新規性を否定し得る。
以 上