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US非自明性に係る拒絶理由を克服するためのコマーシャルサクセスの実体について示された判例

特許業務法人 原謙三国際特許事務所
平成20年11月17日
(文責:新 井)

US非自明性に係る拒絶理由を克服するためのコマーシャルサクセスの実体について示された判例
In re DBC, No. 2008-1120 (Fed. Cir. Nov. 3, 2008)



1.はじめに
KSR最高裁判決後、非自明性を克服するためのハードルは高くなりました。このような状況下で、commercial successを示すことによって、非自明性に係る拒絶理由に対応することが有効な場合があります(*)。
このような場合、提出されるべきコマーシャルサクセスは、クレーム発明の直接結果でなければならないことに留意する必要があります。
また、審判手続において、異議を唱えなかった事項については、出願人は、審判部の合議体による決定に同意したことになることにも留意する必要があります。

(*) commercial success: 商業的成功(非自明性の拒絶理由を克服するために主張されることがある)。米国の非自明性の判断において副次的に考慮(secondary considerations)される事項のひとつ、これ以外に長年望まれていたニーズ、予期せぬ結果、他者による失敗等が例示されています(Graham v. John Deere Co.で判示、MPEP 716.04:参照。)。


2.簡単な経過説明
 本件の特許発行後、本件特許に関し、第三者による査定系再審査(ex parte reexamination)の請求がUSPTOに対して行われました。
審査官は、再審査の結果、本件特許クレームを拒絶しました。この拒絶を克服するために、出願人は、本願発明の実施例のcommercial successを示すデクラレーションを提出しました。しかしながら、審査官は、本件特許クレームの拒絶を維持しました。
これを不服とし、出願人は、BPAI(Board of Patent Appeals and Interferences)に審判手続を行いました。これに対して、審判部は、審査官の拒絶処分を支持する審決を下しました。これを不服とし、出願人は、CAFCに控訴しました。


3.CAFCの判示内容
 CAFCは、BPAIの審決を支持しました。CAFCは、次のように判示しました。
① commercial successによって非自明性に係る拒絶理由を克服するためには、出願人は、特許付与された発明の主題の性質には無関係な経済的かつ商業的なファクタではなくて、販売がクレーム発明に固有の特徴から直接導出される結果であったことを示さなければならない。
② 審判手続において、出願人は、販売の証拠を提出したのみであり、クレーム発明が「それらの販売を支える原動力」であったことを示す証拠を提出しなかった。それゆえ、非自明性に係る拒絶理由がコマーシャルサクセスの証拠によって克服できなかったという審判部による審決は妥当である。
③ 審判手続において、出願人は、審判部の合議体の2人が不適切に任命されたので、審判部による審決が撤回されなければならない旨を開陳した。しかしながら、この点について、出願人が審判手続のいて提起していなかったので、審理対象としない。

リンク先:
http://www.winston.com/siteFiles/publications/FedCircSumVol1,Issue28.htm
http://www.cafc.uscourts.gov/opinions/08-1120.pdf

以 上

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