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US Case Brief(8) Co-Pending Appln.においてなされた他の審査官による不利な決定が開示すべき重要情報であることが示された判例

原謙三国際特許事務所
平成16年05月17日
(文責:新 井)

Co-Pending Appln.においてなされた他の審査官による不利な決定が開示すべき重要情報であることが示された判例
(Dayco Products Inc. v. Total Containment, Inc., No. 02-1497 (Fed. Cir. May 23, 2003))


1.簡単な経過説明

(a) Dayco Products Inc.は、2件の出願ファミリ(USSN.408,161を優先権主張の基礎とする複数の特許出願(以下、”161”ファミリと称す。)と、USSN.993,196を優先権主張の基礎とする複数の特許出願(以下、”196”ファミリと称す。))の譲受人である。

(b) ”196”ファミリに係る複数の出願と、係争特許に係る複数の出願(”161”ファミリの出願を優先権主張の基礎としている)とは、特許庁に同時係属していた。この際、両出願は別々の審査官がそれぞれ担当していた。”196”ファミリに係る出願の担当審査官は、係争特許に係る出願の存在を知っていた。

(c) ”196”ファミリに係る出願のクレーム(係争特許に係る出願のクレームと実質的に同様のものであった)は、公知技術に基づき非自明性の特許要件を具備していないとの理由で担当審査官によって拒絶された。このことを”161”ファミリの出願の担当審査官は誰からも知らされなかった。

(d) Dayco Products Inc.は、自社の特許権をTotal Containment, Inc.が侵害しているとの理由で地裁に提訴した。これに対して、Total Containment, Inc.は、「Dayco Products Inc.は、Co-pending “196”出願に係る上記拒絶に係る重要情報を審査官に通知しなかった。これは不公正行為に該当する。それゆえ、当該特許は無効である」旨、主張した。

(e) 地裁は、Total Containment, Inc.の主張を認める略式判決を下した。これに対して、Dayco Products Inc.は、CAFCに控訴した。

(f) CAFCは、「特許の開示はしばしば非常に複雑であり、異なる技術経歴の審査官がこれらの書類に目を通すが、開示内容の解釈能力は審査官によって異なる。審査官は、他の審査官の解釈に縛られることはないが、他の審査官による潜在的に異なる解釈は、明らかに、審査官が出願を審査する際に重要と考え得る情報である。また、実質的に同様のクレームに係る先の拒絶は、当該クレームの特許性に異議を唱えたものである。このように他の審査官によってなされた不利な(逆の)決定は、Rule 56 の規定を満たす重要な情報である。Co-pending “196”出願に係る先の拒絶の情報を通知しなかったことは重大事項ではあるが、地裁は、他の審査官によってなされた不利な決定を開示しなかったことに関して何ら対処しなかった。したがって、本ケースは、差し戻され、上記不利な決定を特許権者が意図的に開示しなかったか否かについて審理されるべきである。」旨、判示した。

2.結論
Co-pending出願において他の審査官によってなされた実質的に同様のクレームに対する不利な決定は、情報開示義務に規定の”material”に該当する。

 以 上

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