新経費支援|海外でのブランド保護と輸出力強化を後押し
令和7年度より、日本の農産物・品種を守り、輸出力強化を支援する新たな植物品種等海外流出防止緊急対策事業として、公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会(通称:JATAFF)にて「海外商標登録出願支援」および「海外侵害対策支援」の公募がスタートしました。
この事業は、日本で育成・生産された品種や農産物等が、海外で模倣・無断使用されるリスクへの対策として、知的財産権の出願および係争等にかかる経費を補助するものです。
輸出拡大に取り組む育種者・農業法人にとって、ブランド価値の維持と市場競争力確保の両面で、大きな後押しとなる支援策です。
新支援制度の概要
本制度には、目的や支援対象に応じて以下の2種類があります。
海外商標登録出願支援
目的・概要
日本産の農産物・加工品等のブランド保護と輸出促進を目的に、海外での商標・意匠、特許、地理的表示等の出願費用を補助する制度です。
補助内容
補助内容の概要については以下の通りです。詳細についてはJATAFFの支援サイト、資料をご確認ください。
- 対象となる出願:日本において生産された農産物等(水産物・食品を含む)
- 対象となる知的財産:商標、特許、意匠、地理的表示など
- 補助率:
・輸出力強化のための重要な農産物等(詳細はJATAFF資料ご参照)は定額
全額補助対象となる農産物等:
牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、牛乳乳製品、果樹(りんご、ぶどう、もも、かんきつ、かき・かき加工品)、野菜(いちご、かんしょ等・その他の野菜類)、切り花、茶、コメ・パックご飯・米粉及び米粉製品、製材、合板、ぶり、たい、ホタテ貝、真珠、錦鯉、清涼飲料水、菓子、味噌・醤油、その他我が国の輸出力強化のため重要と考えられる農産物等・それ以外は1/2以内
- ※ 清酒(日本酒)、ウイスキー、本格焼酎・泡盛等の酒類は補助対象外
- 補助対象経費:出願費用、調査費用、代理人費用、翻訳費など
※更新費や更新に係る費用は対象外 - 実施期間:交付決定日~令和8年3月31日まで
海外侵害対策支援
目的・概要
日本の育成品種や農産物等に対する海外での無断栽培・模倣行為への対策費用を支援する制度です。警告、係争、調査など侵害に関する幅広い対応が対象となります。
補助内容
補助内容の概要については以下の通りです。詳細についてはJATAFFの支援サイト、資料をご確認ください。
- 支援の対象:日本において育成された品種又は農産物等(水産物・食品を含む)
※優先的な採択基準有 - 支援対象事案:育成者権、商標権等に係る侵害・疑義・係争案件
- 補助率:定額
- 補助対象経費:弁護士・弁理士費用、鑑定・調査費、係争支援費、通訳・翻訳費など
- 実施期間:同上
制度を利用できる方
この制度は日本産農産物を輸出し、海外で農産物等のブランド保護を図りたい方や、海外で模倣品・無断使用・冒認商標などの被害を受けた経験がある方、育成品種の輸出や種苗ビジネスを展開中、または準備中の方にとっては、限りなく少ない費用負担でそれらを実現可能とするものとなっています。これまで費用面で権利化や侵害対応を諦めていた方、またこれから農産物等の保護をお考えの方にとってはご検討いただけるきっかけとなることでしょう。
利用についてはいくつか条件がありますので、制度を利用できる方の条件を以下にまとめました。当てはまる方はぜひご利用をご検討ください。
● 利用できる人(申請対象者)
- 日本で生産・育成された品種・農産物に関わる知的財産の出願・侵害対応を行う権利者等であること
- 上記知財が海外における輸出力強化につながることが見込まれること
- 出願・対応の実施期間中に経費が発生し、適切に報告・管理ができる体制を有していること
- 公募期間中(2025年4月16日~2025年5月20日)に応募先に申請書を提出すること
制度の応募先
制度を利用するためには、まず申請書を公募期間中(2025年4月16日~2025年5月20日)に応募先へ応募することが必要となります。申請書のフォーマットおよび応募先については、以下のサイトからご確認ください。
植物品種保護に関する総合案内(外部リンク)
HARAKENZOを選ぶ理由
制度を最大限に活用し、戦略的かつ確実な出願・対応を行うには、知財と農業の両方に強い弁理士法人の活用が有効です。当事務所は本制度に関し以下のような体制を築いています。
農と知財のスペシャリストが対応
農産物や育成品種に関する出願・侵害対応には、農業分野の専門知識が不可欠です。当事務所では、農業博士の学位を有する弁理士2名が在籍しており、科学的・実務的な両面から支援可能。商標や品種保護の専門性と農業現場の理解を併せ持つ“農と知財”のプロが、事業者の知財戦略を強力にバックアップします。
国内外に広がる支援ネットワーク
東京・大阪・広島・名古屋の国内拠点に加え、12か国の外国支援室を構築。現地事情や法制度に詳しい連携弁理士・代理人との連絡体制により、各国への出願・係争対応をスピーディーかつ的確に実施します。複数国同時出願・対応も一括して任せられる安心の体制です。
多数の政府系案件の実績
海外品種登録に関する国内指定代理人として多くの実績を持ち、幅広い品種でいくつもの出願を支援・代理してきました。また、日本の地域ブランドや品質表示の代表格である 「地理的表示(GI)」マークや「JAS」マークについても、当所は海外での商標登録を多数支援してきております。商標登録について多数の国ごとの制度も熟知しており、欧州・アジア・米国など各国への登録事例も豊富です。
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政府系からの受託実績を持つ「オンライン知財パトロール®」により、出願後も継続的な模倣品監視を実施可能。特にアジア市場等でのEC監視や冒認出願の早期発見に力を発揮します。海外商標出願後の「守る」対策まで一貫して提供できるのは、当事務所ならではの強みです。
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