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欧州特許庁、技術標準と特許の関連性を明らかにする調査結果を発表

5月14日、欧州特許庁(EPO)は、技術標準と特許の関連性を明らかにする調査結果を発表しました。

この調査は、3GPPなどの15の標準開発組織(SDO)の合計550万件以上の文献を含む、EPOの先行技術データベースに基づいて、欧州特許出願の審査においてSDOの文献がいかに用いられているか、また、SDOの文献を引用している欧州特許が、技術標準に必須であると宣言される頻度がいかに高いかを、これまで以上に明確に示しており、標準によって規制される技術の開発における特許の重要性を浮き彫りにしました。

本調査の結果の一例を、以下にご紹介します。

  • 2015-2024年にEPOが発行したサーチレポートにおいて、ワイヤレス・データ通信の審査ユニットでは、30%超のサーチレポートにSDOの文献の引用が含まれており、メディア圧縮(IPC:H04N19)の分野では、70%近くのサーチレポートにSDOの文献の引用が含まれていた。
  • 2010-2019年にEPOまたはWIPOから公開された特許文献のうち、SDOの文献を引用している特許は87,356件、標準必須特許(SEP)であると宣言された特許は59,620件であり、そのうち両方に該当する特許(すなわち、SDOの文献を引用しているSEP)は21,833件に上った。
  • 190,116件の特許出願を対象に調査した結果、 168,620件のSDOの文献が、合計417,951回引用されていた。

報告書の全文は、以下のURLをご参照ください。
https://link.epo.org/web/publications/studies/en-epo-study-standards-and-the-european-patent-system.pdf

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