知財情報

2025年EUIPOガイドライン

欧州連合における意匠の審査に関するガイドラインの最新版が、2025年5月1日付で発効しました。

変更された主な項目の概要は以下の通りです。

・国内官庁を経由した意匠出願ができなくなりました。
今後は、すべてのEU意匠出願について、EUIPOへ直接提出する必要があります。

・図面の代替として見本を提出することができなくなりました。

・単一性要件が撤廃され、複数の出願に異なるクラスの意匠(上限50個)を含めることができるようになります。

・放棄または失効した意匠について、請求する側が「正当な利益」を示せば、決定がなされる可能性があります。
※無効の宣言の内容に関する決定がなぜ必要なのか、また、争われている意匠の明け渡し又は失効がなぜ無効出願人の利益を満たすのに十分でないのかを示す理由および証拠を、無効出願人が提出した場合にのみ認められます。

・同一の主題および請求原因に関連し、同一の当事者が関与する出願または反訴が、既に国内官庁により決定されるか、またはEU意匠裁判所により判決が確定している場合、国内官庁に無効審判を請求することはできず、登録されたEU意匠の無効宣言を求める反訴を提起することもできません。

・登録されたEU意匠の優先権の対象が拡大されました。
EU意匠が先行意匠と抵触する場合(EUDR第25条1項d)だけでなく、特徴的な標識が後続意匠に使用される場合(EUDR第25条1項e)、および意匠が加盟国の著作権法で保護される著作物の無許諾使用を構成する場合(EUDR第25条1項f)にも優先権が有効となり、その優先日は出願日としてカウントされることになりました。

・EU意匠の更新基礎期間について、EU商標の更新基礎期間と同様に計算されることとなりました。
基本更新期間は、(保護が終了した月の末日ではなく)登録の満了日に終了する6ヶ月間となり、(割増料金が適用される場合の)猶予更新期間は、満了日の翌日から6ヶ月後に終了します。また、更新料に関しても改正され、初回の更新では150ユーロ、2回目の更新では250ユーロ、3回目の更新では400ユーロ、4回目の更新では700ユーロが課せられます。

詳細につきましては、以下のURLをご参照ください。

改定内容の詳細:https://www.euipo.europa.eu/en/news/the-2025-euipo-guidelines

ガイドライン:https://www.euipo.europa.eu/en/guidelines

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