2023年11月、イギリス高等裁判所が、人工ニューラルネットワーク(ANN)自体がコンピュータプログラムではないため、「コンピュータプログラム」に係る特許不適格事由の対象外となると判示しました([2023] EWHC 2948 (Ch))。
この判決を受けて、コンピュータプログラム関連発明の適格性について、イギリスでは、EPOアプローチの一般的傾向とは異なる審査結果が期待されていました。
ところが、事情が一変し、2024年7月19日、ANNは例外なくコンピュータのプログラムに相当し、コンピュータのプログラム自体はイギリスにおいて特許適格性から除外されるとの趣旨の判決が、英国控訴院から出されました([2024] EWCA Civ 825)。
本件判決に対し、イギリス最高裁への上告が予定されています。今後の動向として、ANNの特許適格性に関して再判断される可能性もありますが、現時点でUKIPOが現行審査ガイダンスを修正または撤回するか、注目が集まっています。