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RCEとCPA

2001年12月12日
特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(文責:新 井)

1999年11月29日、米国特許法改正法が成立しました。この改正法において、RCE(Request for Continued Examination)という新しい手続が導入されました。このRCE手続によれば、いわゆる再出願することなく継続審査が行われます。CPA(Continued Prosecution Application )手続は、ゆくゆくは廃止され、RCE手続に一本化されます。これらの手続について以下に説明しますので、実務に役立ててください。

RCE手続

1. RCE手続の対象となる特許出願について
RCE手続は、次の各要件を満足する必要があります。
(a) 実際のUS出願日(not the effective filing date )が1995年6月8日以降である特許出願(PCT出願のUS国内段階移行分も含む。)であること。
(b) FOA又は “Notice of Allowance"(Prosecution is closed) の発行後であること。
(c) Issue Fee 支払い前であること。

2. PTA(権利期間の保証)の規定の適用について

2-1). 2000年5月29日前の特許出願の場合
実際のUS出願日が2000年5月29日前である特許出願に対してRCE手続が行われた場合、PTA(Patent Term Adjustment)の規定(35 USC §154(1)(A) 及び35 USC §154(1)(B) )は適用されません。
これは、PTAの規定が、実際のUS出願日が2000年5月29日以降の特許出願に対してのみ適用されることに基づいています。

2-2). 2000年5月29日以降の特許出願の場合
実際のUS出願日が2000年5月29日以降の特許出願に対してRCE手続が行われた場合、RCE手続によって費やされた時間は、『3年以内にUSPTO側の原因によって特許発行されなかったらPTAが適用される』という規定(35 USC §154(1)(B) )中の『3年間』には含まれません。

但し、それ以外の原因(下記の(1) 乃至(4) を参照)に基づくPTAの規定の適用を受けることは可能です。
上記『それ以外の原因』として、35 USC §154(1)(A) には、
(1) 出願日から最初のOA発行まで14ヵ月以上経過したこと、
(2) OAに対する応答から次のOAまで4ヵ月以上経過したこと、
(3) 審決もしくは判決が下されてからUSPTOでの手続に移行するまで4ヵ月以上経過したこと、及び
(4) Issue Fee の支払いから特許証発行まで4ヵ月以上経過したことが挙げられています。
RCE手続によれば、USPTO側の原因による遅延については、手続の日までに蓄積された全てのPTAを承継することが可能です。

3. RCEの利点および欠点

3-1).法的には新規出願ではないので、クレームを追加しても、先の審査過程において追加クレームに係る費用が支払われていれば、追加料金を支払う必要がありません。独立クレーム数が3個、及びトータルクレーム数が20個以内であれば、勿論、追加料金は不要です。但し、基本料金は必要。

3-2).同一発明に対してなされるものゆえ、Switching inventions に対して手続できません。CIP又はDIVは不可(Rule 53(b)のCAにより手続可。)。

3-3).Inventor Correction は、Rule 48 下でのみ可能です(エラーによる発明者の訂正のみ可能です。)。

3-4).Responsive Submission (IDS 、補正(amendment after final でも可)新規の反論、または新しい証拠)の提出が必要です。Responsive Submission が USPTOの指定する期間内にファイルされなかった場合、当該出願は放棄扱いになります。なお、先の出願に係る Final Office Actionの法定期間は有効に走っています。

3-5).手続費用(Official Fee)を後納できません。審判請求下でファイルされたRCEにおいて手続費用及び/又はResponsive Submission がファイルされなかった場合、審判は取り下げられてしまいます。その結果、許可可能クレームがなければ、出願は放棄扱いになります。少なくとも一つの許可可能クレームが存在すれば、出願は特許発行されます。拒絶クレームに従属するクレームは許可可能クレームではないことに注意してください。

3-6).103/102(e)の拒絶を取り除くことはできません。

3-7).18ヵ月公開のトリガにはなりません。

3-8).Allowance 後であっても、Issue Fee の支払い前であれば、RCEにより、IDSの提出が可能となります。この場合、Petitionのファイルなどは、不要となります。

CPA手続

1. CPA手続の対象となる出願について
CPA手続は、次の各要件を満足する必要があります。
(a) 実際のUS出願日(not the effective filing date )が2000年5月29日前である特許出願(PCT出願のUS国内段階移行分も含む。)であること。
(b) Issue Fee 支払い前であること。
つまり、実際のUS出願日が2000年5月29日以降である出願に対しては、最早、CPA手続を行うことはできません。

2. PTAの規定の適用について
PTAの規定の適用を受けることが可能です(但し、後述する 3-4) に注意してください。)。

3. CPA手続の利点および欠点
3-1).法的には新規出願であるので、クレームを追加した場合には新規出願の料金規定に基づいて支払う(総クレーム数が20を越えるか、独立クレーム数が3を越えた場合に追加料金を支払う)ことが必要です。
3-2).同一でない発明(Switching inventions )に対しても手続できます。DIV可、CIP不可。
3-3).手続費用(Official Fee)を後納できます。
3-4).CPAに係る特許は、先の特許出願において蓄積されたPTAの規定に係る権利を承継することができません(A patent issuing on a CPA is not entitled to any PTA accumulated in any prior application.)。CPAをファイルすることによって、蓄積されたPTAはリセットされてしまいます。
3-5).CPA出願後に更なるCPA出願をすることはできません(なぜなら、更なるCPA出願は、その実際のUS出願日が(not the effective filing date )2000年5月29日以降になってしまうからです。)。
3-6).発明者の削除が可能です。
3-7).18ヵ月公開のトリガにはなります(2000年11月29日以降にファイルされたCPAは公開の対象となります。)。
3-8).103下の非自明性に係る拒絶理由を克服できます(クレーム発明がなされたときに、特許と当該出願とが commonly assigned or subject to an obligation of assignment の関係にある場合が対象)。

実務上の留意事項

1)実際のUS出願日(not the effective filing date )が2000年5月29日前である特許出願に対しては、RCE手続またはCPA手続を行うことが可能です。
この場合、現地特許弁護士は、CPA手続を提案することが多く、その際、PTAの規定が適用されることを理由として挙げています。
つまり、RCE手続を行ってもPTAの規定は適用されませんが、CPA手続を行うとCPA一代限りにおいてPTAの規定が適用されるからです(なぜなら、CPAに係る特許は、先の出願において蓄積されたPTAの規定に係る権利を承継することができないからです。)。

2)実際のUS出願日が2000年5月29日以降である特許出願に対しては、最早、CPA手続を行うことはできないので、RCE手続に一本化されます。現地特許弁護士への指示に注意してください。
この場合、RCE手続によって費やされた時間は、『3年以内にUSPTOの原因によって特許発行されなかったらPTAが適用される』という規定(35 USC §154(1)(B) )中の『3年間』には含まれません。それ以外の原因に対するPTAの規定の適用は受けられます。但し、RCEは、USPTO側の原因による遅延については、手続の日までに蓄積された全てのPTAの規定に係る権利を承継することが可能です。

3)CPA手続は、1995年6月8日前にファイルされた出願に対しても可能です(RCE手続は不可)。

4)CPA出願後に更なるCPA出願をすることはできません。

5) Final OA に対して、RCEをファイルすれば、これに要した期間は減算されます。CPAをファイルすれば、それまでに蓄積された期間はリセットされてしまいます。審判請求し、拒絶査定を覆すことができれば、審判請求から審決がでるまで期間が加算されます。このように、何れの措置を講ずるかによって、延長される期間が異なってきます。
それまでに蓄積された延長期間が長い場合、継続出願はできるだけ避け、継続出願を避け得ない場合は、重要発明を原出願に残し、延長期間を担保することが不可欠となる。

6) Final OA に対して、どのような措置を講ずるかによって、それまでに獲得した延長期間が長い場合には、継続出願はできるだけ避け、継続出願を行わざるを得ない場合は、重要発明を原出願に残して延長期間を担保することが重要となる。
なお、PTAに係る調整期間(存続期間の延長日数)のうち、審査などを通じて発生したものは、USPTOにおいて自動計算がなされ、Notice of Allowance 時に通知される。また、出願人は、上記調整期間に対して、1回のみ再考のための申請が認められる。この再考のための申請は、Notice of Allowance 後かつIssue Fee 納付前に行う必要がある。申請には、費用以外に、正確な調整期間とその根拠等を示す供述書の提出が必要である。(詳しくは、パテントの2000年10月号第53巻を参照下さい。)

以上

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