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中国の特許制度について

2005年7月14日
特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
中国弁理士 革斤 満堂

1984年3月12日に、中国史上最初の『特許法』が頒布され、中国の特許制度の誕生を示したものとなった。その後に行なわれた1992年第一回特許法及び施行規則の改正、2000年第二回特許法及び施行規則の改正を経て、中国の特許制度は更に改善された。無論、現行の特許法はさまざまな問題点が存すると言わざるを得ない。第三回の特許法訂正も検討されている次第である。

一、中国特許制度の基礎
(一)中国が加入した特許関係国際条約である『パリ条約』、『特許協力条約』等
(二)全国人民代表大会及び常務委員会により制定された法律である『特許法』
(三)国務院により制定された行政法規である『特許法実施細則』、『税関による知的財産権の保護条例』等
(四)国家知識産権局により制定された部門規章である『特許審査指南』、『特許権の強制実施権に関する弁法』等
(五)最高裁判所により制定された司法解釈である『訴訟前に特許権侵害行為差し止めの法律適用問題に関する若干規定』、『特許紛争事件審理の法律適用問題に関する若干規定』等

二、特許権の概念
特許権とは、自然人、法人若しくは他の組織が特許法により発明、実用新案、外観考案について一定の期間内に享有する独占的な実施権である。
発明特許権(日本の特許権に相当する)、実用新案特許権(日本の実用新案に相当する)、外観考案特許権(日本の意匠に相当する)と、三種類が含まれる。

三、特許権付与の要件
(一)発明特許権若しくは実用新案特許権付与の要件
(1)新規性
(2)進歩性
(3)実用性
(二)外観考案特許権付与の要件
(1)新規性
(2)実用性

四、新規性喪失の例外に関する特許法規定の適用(特許法第26条)
(一)適用する事由
(1)中国政府が主催する又は認める国際展示会で初めて展示された場合
(2)規定の学術会議或いは技術会議上で初めて発表された場合
(3)他人が出願人の同意を得ずに、その内容を漏らした場合
(二)出願提出の期限:前記事由があった日から6ヶ月以内に出願すべきである

五、特許権付与できない事由
(一)国家の法律、社会の公徳に違反し、若しくは公共利益を害する発明創造
   例えば、賭博用の設備や道具
(二)科学的発見。
   例えば、ニュートンの万有引力の法則の発見
(三)知的活動規則及び方法。
   例えば、交通規則、コンピュータプログラム自体
(四)病気の診断及び治療方法
    例えば、脈を取る方法
(五)動物及び植物の品種(但し、その生産方法は特許権を付与できるものとする)
(六)原子核変換の方法により取得した物質

六、出願人となることができる者
(一)発明者又は考案者
(二)発明者または考案者所属の単位
(三)譲受人
(1)譲渡契約により出願権を取得する組織又は個人
(2)相続により出願権を取得する組織又は個人
(四)外国人(外国の国籍を有する自然人、法人又はその他の組織)
(1)中国に常駐住所又は営業場所を持つ外国人である場合、国民待遇を享有する
(2)中国に常駐住所又は営業場所を持たない外国人である場合、その所属国と中
国の間で締結した協議又は共に加盟している国際条約に基づき、又は互恵の原則に従う

七、職務発明制度
(一)職務発明の定義
(1)所属の単位における職務を遂行することにより完成された発明創造
又は、
(2)主に所属の単位の物質的技術条件を利用して完成された発明創造
(二)権利の帰属:原則として、出願権は所属の単位に帰属する。但し、前記(2)
に記載の発明創造である場合は、発明者又は考案者とその所属の単位との間で 契約を締結して約定することができる
(三)補償金支払義務
(1)特許権を付与された単位は、職務発明創造の発明者又は考案者に対し奨励金を与えなければならない
(2)特許権が実施された後、その普及・応用の範囲及び取得した経済効果に基づ き、発明者又は考案者に合理的な報酬を与える。

八、特許出願から権利化まで
(一)特許出願に必要な書類
(1)発明特許出願、実用新案特許出願に必要な書類:委任状、願書、要約書、特許請求の範囲、明細書、図面
(2)外観設計特許出願に必要な書類:願書、外観設計の図面又は写真、使用製品 及びその類別に関する説明
(3)パリ条約に基く優先権を主張する際に必要な書類:優先権証明書、譲渡証(優先権証明書に記載の出願人と中国出願人が不一致の場合にのみ)
(二)方式審査
特許出願後、まず、方式審査が行なわれ、形式上の不備があれば、補正が出される。指定した期限以内に補正がなければ、若しくは補正があるが関係規定を満たさなければ、出願が取り下げられる。
(三)発明特許出願の公開
(1)特許出願は出願日から満18ヶ月後に公開する。
(2)出願者の請求に応じ、特許出願は早期公開することができる。
(四)発明特許出願の自発的補正(自発的補正は二回しかできない)
(1)第一回:出願人は実体審査を請求するときに自発的補正ができる
(2)第二回:出願人は国務院特許行政部門が発行する発明特許出願が実体審査段階に入る旨の
通知書を受領した日より起算して三ヶ月以内に自発的補正ができる。
(五)発明特許出願実体審査
(1)出願人は発明特許出願提出時に、又は出願日から三年以内に実体審査を提出することができる。
(2)出願人に正当な理由がなく、三年の期限を過ぎても実体審査を請求していない場合は、当該出願は取り下げられたものと見なされる。
(3)実体審査は出願人による審査請求に基づき行うものとする。但し、国務院特許行政部門は職務によって自ら発明特許出願に対し実体審査を行うことができる。
(4)実体審査請求に必要な材料:出願日前における当該発明に関係する参考資料
外国で出願が提出されている場合、当該国がその出願を審査するため検索した 資料又は審査結果の資料(正当な理由なく期限を過ぎても提出しない場合、当 該出願は取り下げられたものと見なされる)
(六)拒絶査定不服審判
(1)出願人は国務院特許行政部門の拒絶査定に不服があるときは、拒絶査定の通知を受けた日 より三ヶ月以内に特許審判委員会に審判を請求することができる。
(2)出願人は特許審判委員会の審決に不服があるときは、審決の通知を受けた日より三ヶ月以内に裁判所(北京市第一中級人民法院)に訴えることができる。
(七)特許権の存続期間
(1)発明特許権:20年(出願日より起算する)
(2)実用新案特許権、外観設計特許権:10年(出願日より起算する)

九、特許無効宣告請求審判
(一)国務院特許行政部門が特許権付与する旨の公告をした日からは、何人も当該特許権の付与が本
法の関係規定に適合していないと認めた場合に、特許審判委員会に無効審判を請 求することができる。
(二)被請求人である特許権者は、当該特許権に係る特許請求の範囲を訂正することが できる。しかし、特許請求の範囲に対する訂正は元の特許請求の範囲を超えては ならない。また、明細書及び図面に対する訂正は認められない。
(三)特許審判委員会が指定した期限は、延期申請することができないものとする。
(四)当事者は特許審判委員会の審決に不服があるときは、この審決通知を受けた日よ り起算して三ヶ月以内に、裁判所(北京市第一中級人民法院)にそれを相手取って訴えることができる。
(五)特許無効宣告審判の審決は、特許無効宣告前に人民法院が下して執行した特許侵 害判決及び裁定、すでに履行し若しくは強制執行された特許侵害紛争の処理決定、 すでに履行された特許実施許諾契約又は特許譲渡契約に対しては、遡及力を有し ない。但し、特許権者の悪意により他人に損失をもたらした場合は、その損失を 賠償しなければならない。(特許法第47条第2項)
(六)特許権者又は特許譲渡人が特許法第47条第2項の規定に従い、特許実施の許諾 を受けた人又は特許権受譲者に特許使用料又は特許権譲渡料を返還しなければ、 明らかに公平の原則に違反するときは、特許使用料又は特許権譲渡料の全額又は」その一部が特許権者又は特許権譲渡人に返還されなければならない(特許法第47条第3項)。

十、特許出願権及び特許権の譲渡(特許法第10条)
(一)特許出願権及び特許権は譲渡することができる。
(二)中国の単位又は個人が外国人に特許出願権又は特許権を譲渡する場合、必ず国務 院の関係主管部門の認可を経なければならない。
(三)特許出願権又は特許権を譲渡する場合、当事者は書面での契約書を締結し、かつ国務院特許行政部門に登記しなければならない。国務院特許行政部門がそれを公告する。
(四)特許出願権又は特許権の譲渡は登記日から有効となる。

十一、特許権の強制的実施許諾
(一)強制的実施許諾を与える事由
(1)実施条件を有する単位が、合理的な条件で発明又は実用新案の特許権者に、 その特許の実施許諾を請求したが合理的な期間内にこれらの許諾が受けられなか った時には、国務院特許行政部門が当該単位の申請に基づき、当該発明特許又は 実用新案の実施に強制許諾を与えることができる。
(2)国に緊急事態又は非常事態が発生した場合、又は公共の利益を目的とする場 合、国務院特許行政部門は発明特許又は実用新案の実施に強制許諾を与えること ができる。
(3)特許権を取得した発明又は実用新案がその前に特許権を取得済みの発明又は 実用新案と比べ、経済的意義が顕著で重大な技術的進歩性を有し、その実施が前 の発明又は実用新案の実施に依存している場合、国務院特許行政部門は、後の特 許権者の申請に基づき、前の発明又は実用新案の実施に強制許諾を与えることが できる。また、国務院特許行政部門は、前の特許権者の申請に基づき、後の発明 又は実用新案の実施にも強制許諾を与えることができる。
(二)強制実施許諾を申請する単位又は個人は、合理的条件で特許権者と実施許諾契約 を締結できなかった証明を提出しなければならない。
(三)国務院特許行政部門の強制実施許諾に関する決定に不服がある場合は、その通知 を受け取った日から3ヶ月以内に人民裁判所(北京市第一中級人民法院)に訴え を提起することができる。

十二、特許権侵害の救済
(一)特許権が侵害された時に、特許権者又は利害関係者は裁判所に訴えを提起するこ とができ、また特許事務を管理する部門に処理を求めることもできる。
(二)特許事務を管理する部門は、特許権侵害事件を処理する時、権利侵害行為が成立 すると認められた場合、権利侵害者に即時権利侵害行為を停止するよう命ずるこ とができるとともに、当事者の請求に基づき、特許権侵害の賠償金額について調 停を行うことができる。
(三)特許権者又は利害関係者は、他人が権利侵害行為を行っている又はまさに行おう としており、即座に制止しなければ、その合法的権益が補填不能な損害を被る恐 れがあることを証明する証拠を有する場合、訴えを提起する前に、裁判所に関係 行為の停止と財産の保全措置命令を採るよう要請することができる。

以 上

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