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EP分割出願に係る拡大審判部の決定
特許業務法人 原謙三国際特許事務所
平成19年07月23日
(文責:新 井)
1.はじめに
拡大審判部に付託されていた2件の分割出願の有効性に係るケースについて、2007年6月28日に、拡大審判部は、以下に示す決定を行いました。
2.Decision G1/05 (分割出願後の補正によりEPC 76(1) を満たすようになった分割出願の有効性)
拡大審判部に付託されて問題点は次のとおりです。
(1) 分割出願が,その現実の出願日において、先の特許出願の開示範囲を超える発明の主題を含んでおりEPC 76(1) * の要件を満たしていない場合,当該分割出願後にEPC 76(1) の要件を満たすように補正して有効な分割出願とすることは可能か?
(2) 上記(1) の回答がyes の場合、先の特許出願がペンディング状態にない場合であっても,有効な分割出願として扱われるのか?
(3) 上記(2) の回答がyes の場合、EPC 76(1) 及びEPC123(2) に規定の要件以外に,更に実体的な制限が付されるのか? 特に,先の特許出願には開示されているが,分割出願には開示されていない特徴を補正後の分割出願の発明の主題とすることは可能か?
上記疑問に対して、拡大審判部は、「EPC 76(1) に関する限り、実際の出願日に先の特許出願の開示内容を超える発明の主題を含んでいた分割出願に対して、その後、発明の主題が先の特許出願の開示内容を超えないように補正できる。このような補正は、補正時に先の特許出願が係属していない場合であっても可能である。」旨の決定を行いました。拡大審判部は、また、上記決定は、通常の特許出願(分割出願以外の特許出願)についても適用される旨、付言しています。
3.Decision G1/06 (root (originating) applications 及び複数の分割出願を含む一連の分割出願の有効性)
拡大審判部に付託されていた問題点は次のとおりです。
(1) root (originating) applications 及びそれから派生する複数の分割出願を含む一連の分割出願を含む一連の出願の場合、これら一連の分割出願がEPC 76(1) を満たすことが必要かつ十分条件か?
(2) 上記(1) の条件が十分でない場合、次のいずれかの条件を更に満たさなければならないか? すなわち、分割出願のクレーム発明の主題は、先の特許出願のクレーム発明の主題中に存在していなければならないのか、あるいは、先の特許出願の全てがEPC 76(1) を満たせばよいのか?
上記疑問に対して、拡大審判部は、「一連の各分割出願が満たすべき必要かつ十分条件は、EPC 76(1) を満たすことである。」旨の決定を行いました。
* EPC 76(1) には、分割出願中の開示内容は、先の特許出願の出願当初に開示された内容から直接かつ明らかに導き出せるものでなければならない旨が規定されています。