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Mayo v. Prometheus事件に関する米国連邦最高裁判所におけるOral Arguments

特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
2011年12月12日
(文責:新 井)

1. はじめに

米国連邦最高裁判所は、ビルスキ事件において、"machine or transformation test"(特定の機械または装置と結びついているか、または特定の対象物を異なる状態もしくは物に変化させるものであるか否か)は唯一の判断基準ではなく、米国特許法第273条(b)(1)を根拠にビジネス方法自体の特許性が否定されるわけではなく、他の基準に基づいて判断することができると判示しました。

ビジネス方法発明以外にも、プロセス発明が米国特許法第101条の規定を充足する発明法定主題に該当するか否かが法廷で争われており、その代表的な一つがMayo v. Prometheus事件です。




2.Mayo v. Prometheus事件の治療方法における「変化」の認定基準と同事件の経緯

特許権者(Prometheus Labs.)は、USPN. 6355623とUSPN. 6680302を所有しており、これらの特許は「治療効果を最適化する最適投薬方法(薬剤を胃腸疾患の患者に投与し、患者の体内の6-チオグアニンのレベルを測定し、測定結果に基づいて次回の投与量を調整する方法)に係るものです。問題のクレーム1は、次のように規定されています。



  • 1. A method of optimizing therapeutic efficacy for treatment of an immune-mediated gastrointestinal disorder, comprising: (薬剤を胃腸疾患を持つ患者に投与し、患者の体内の6-チオグアニンのレベルを測定し、測定結果に基づいて次回の投与量を調整する方法であって、)

    (a) administering a drug providing 6-thioguanine to a subject having said immune-mediated gastrointestinal disorder; and (上記の免疫介在性胃腸疾患を持つ患者に6-チオグアニンを提供する薬剤を投与し、)
    (b) determining the level of 6-thioguanine in said subject having said immune-mediated gastrointestinal disorder, (上記の免疫介在性胃腸疾患を持つ患者の6-チオグアニンのレベルを測定し、)

    wherein the level of 6-thioguanine less than about 230 pmol per 8x108 red blood cells indicates a need to increase the amount of said drug subsequently administered to said subject and wherein the level of  6-thioguanine greater than about 400 pmol per 8x108 red blood cells indicates a need to decrease the amount of said drug subsequently administered to said subject. (8x108の赤血球細胞に対する6-チオグアニンのレベルが約230pmol未満の場合は、免疫介在性胃腸疾患を持つ患者に投与する当該薬剤の量を増加させる必要性を示すと共に、8x108の赤血球細胞に対する6-チオグアニンのレベルが約400pmol以上の場合は、免疫介在性胃腸障害を持つ患者に投与する上記薬剤の量を減少させる必要性を示す方法)

2004年6月15日にPrometheus Labs.は、上記特許クレームを侵害するとの理由により南部地区カリフォルニア連邦地方裁判所に侵害訴訟を提起しました。これに対し、 2007年1月29日に被告(Mayo Clinic)は、上記特許が発明法定主題に係る米国特許法第101条の規定を充足していない旨の確認を求める確認訴訟を申し立てました。連邦地方裁判所は、審理の結果、上記特許クレームが米国特許法第101条の規定充足していない旨を認定しました。

これを不服とし、特許権者はCAFCに控訴しました(Prometheus L abs., Inc. v. Mayo Collaborative Servs., No. 2008-1403 (Fed. Cir. Sept. 16, 2009)* )。CAFCは、2009年に連邦地方裁判所の判決を破棄し、以下の判断を示しました。*


  • 特許発明は薬剤投与により望ましくない状態を改善する事実上治療方法の発明であり、常にtransformativeなものである。
  • 前記クレーム1のステップ(a)において薬物が投与されて測定可能な代謝物となる過程では種々の物理的及び化学的変化が生じており、machine-or-transformation test の基準を満たしている。また、ステップ (a)は、治療方法の中心となるものであり単なるデータ収集工程ではない。
  • 前記クレーム1のステップ(b)について、単なる観察では代謝物レベルを決定することはできず、HPLC 等の操作を必要とするのでtransformation を伴うものである。ステップ(b)は治療方法の中心となるものであり単なるデータ収集工程ではない。
  • wherein clauseには、mental step が記載されており、このステップのみでは発明法定主題に該当しないが、本件特許クレーム発明は単なるmental step ではなく、また、先行するステップ(a)及びステップ(b)のtransformative な性質を否定するものではなく、したがって、方法全体としての特許性を損なうものではない。



3.Oral Arguments heard by Supreme Court

本件において提起されていた「血液検査と患者の健康との間の相関関係を規定する特許クレームが米国特許法第101条下の法定発明主題に該当するか否か」という問題に対し、米国連邦最高裁判所でOral Argumentsが行われることになっていました。

このたび、2011年12月7日に、米国連邦最高裁判所において、Bilski最高裁判決後初めて米国特許法第101条に係る法定発明主題に関する上記問題について議論が行われました。

議論の内容としては次の7つのトピックがありました* * 。すなわち、(i) The preemption question、(ii) The 'creep' of novelty and obviousness、(iii) The impact (or lack thereof) of LabCorp、(iv) The innovation question、(v) The scope of Prometheus's patent、(vi) Prior decisions: are they helpful?、(vii) The transformation questionについて議論が行われました。

AIPLA が発行したpress releaseには、米国連邦最高裁判所は、法定発明主題に関し、CAFCの理解に近づいているようであるとコメントしています。なお、本件の最終決定は来年の春以降になりそうです。以下は、Oral Argumentsにおける上記7つのトピックの抜粋です。



以 上



*1 LINK: http://www.genomicslawreport.com/wp-content/uploads/2010/06/Prometheus-v-Mayo-Opinion.pdf
*2 バイオ関連・医薬発明の特許性についての国際的な比較に基づく問題点の調査・研究(パテント2010、Vol. 63 No. 9)
*3 LINK: http://www.scribd.com/doc/45848067/Prometheus-Fed-Cir-Dec-17-2010-Slip-Op
*4 LINK: http://www.patentlyo.com/patent/2011/12/summary-of-mayo-v-prometheus-oral-argument.html
*5 LINK: http://www.supremecourt.gov/oral_arguments/argument_transcripts/10-1150.pdf


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