<アメリカ>
(1) 保護の方法
独立した意匠法は存在せず、特許法で保護されています。
(2) 審査
方式審査及び実体審査が行われ、意匠として保護を受けるためには、①新規性、②独創性、③装飾性が必要となります。
なお、全体意匠だけでなく、部分についても意匠登録を受けることができます。
(3) 保護期間
登録日から14年です。
(4) 出願に必要な書類
① 明細書及び図面又は写真
② クレーム
③ 宣誓書
④ 図面の説明
⑤ 優先権を主張する場合には、優先権証明書
<中国>
(1) 保護の方法
独立した意匠法は存在せず、特許法で保護されています。
(2) 審査
無審査登録制度を採用しており、形式的要件を満たしていると認められた場合には、権利が付与されます(但し、登録意匠が新規性を有しない場合には、無効理由となります)。
なお、部分意匠制度は認められていません。
(3) 保護期間
出願日から10年です。
(4) 出願に必要な書類
① 意匠の図面又は写真
② 類別の指定(意匠を使用する製品およびその類別を明記)
③ 委任状
④ 優先権を主張する場合には、優先権証明書
<欧州共同体>
(1) 概要
ⅰ)一つの出願をすることにより、EU加盟国全域に効力が及びます。
EU加盟国(2007年1月1日現在)
ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、フランス、イタリア、ドイツ、イギリス、アイルランド、デンマーク、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、オーストリア、フィンランド、スウェーデン、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロベニア、エストニア、ラトビア、リトアニア、キプロス、マルタ、ルーマニア、ブルガリア (計27カ国)
ⅱ)「登録共同体意匠」と「無登録共同体意匠」の2つの制度があります。
(2)登録共同体意匠制度(Registered Community Design System)
欧州意匠商標庁(OHIM)へ所定の言語で、一つの出願をすることにより、EU加盟国全体をカバーする意匠権を取得できる制度です。
1.審査
保護要件として、①新規性、②独自性が必要です。
2.保護期間
登録共同体意匠の保護期間は出願日から5年ですが、5年毎に更新することにより、最大出願日から25年まで延長可能です。
3.出願に必要な書類
① 願書
② 物品の図面又は写真
③ 優先権を主張する場合には、優先権証明書
4.多意匠出願(Multiple Designs)
共同体意匠制度では、一出願に複数の意匠を含めることが認められています。但し、ロカルノ分類が同一であることが必要です。
5.登録共同体意匠制度のメリット・デメリット
<メリット>
① 一つの出願によりすべてのEU加盟国において権利が及びます。
② 手続きが一元化でき、経済的に有利です。
<デメリット>
① 登録の移転は国ごとにはできず、全てのEU加盟国について移転することが必要です(但し、ライセンスの許諾は国ごとにも可能です)。
② 登録の取消の効力は、EU加盟国全体に及びます。
(3)無登録共同体意匠制度(Unregistered Community Design System)
意匠が公衆に利用可能な状態になっていることを条件として、出願手続及び方式的要件等とは関係なく一定の要件を満たすことにより保護される制度(日本の不正競争防止法による保護と同様の制度)です。
1.保護要件
保護要件として、①新規性、②独自性、③EU内における開示が必要です。
2.保護期間
意匠がEU加盟国のいずれかの国で最初に公衆に利用可能になった日から3年です。