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商標の図形はどう登録・検索する?3つの種類やメリット、J-PlatPatの調査手順を解説

図形商標は「図形のみ」「文字との結合」「文字の図案化」という3つの種類に分かれ、それぞれにメリット・デメリットがあります。

ブランドの顔となるロゴやキャラクターを商標登録したいけれど、図形商標と文字商標の違いがよくわからない。また、既に登録されている似た商標がないか調べたいものの、図形は文字のようにそのまま検索できず、何をすべきか迷っている──こうした悩みを持つ経営者や起業家は多いのではないでしょうか。

図形商標は、企業のブランド価値を長期的に守る重要な資産です。しかし、登録方法の選択や先行商標の調査方法を誤ると、拒絶されたり、後々のビジネス展開で支障が出たりする可能性があります。

図形商標は「図形のみ」「文字との結合」「文字の図案化」という3つの種類に分かれており、それぞれメリットとデメリットがあります。また、特許庁のJ-PlatPatを活用することで、図形等分類コードと類似群コードを組み合わせた効率的な先行商標調査が可能になります。本記事では、図形商標の3つの分類と選択基準、さらにJ-PlatPatを用いた実践的な検索手順までを、専門的かつ分かりやすく解説します。登録戦略から調査方法まで、図形商標に関する全体像を把握することで、あなたのブランド保護の成功率を大幅に高めることができるでしょう。

図形商標とは

商標とは、企業や商品・サービスを識別するための標識です。その中で「図形商標」は、文字ではなく図画や記号、あるいはそれらの組み合わせで構成される商標を指します。ロゴマークやキャラクター、シンボルマークなど、視覚的なデザインによってブランドを表現するものが該当します。図形商標が必要とされるのは、文字だけでは表現しきれない「ブランドの世界観」を保護するためです。

図形商標の3つの分類

図形商標には大きく3つの分類があります。

第1は「図形のみの商標」で、文字を含まない純粋なイラスト、マーク、キャラクターなどです。この場合、保護される範囲は「図形の外観」が中心となります。見た目が酷似している他者の商標を排除できる強みがある反面、文字がないため「呼び名(称呼)」や「意味(観念)」の保護範囲はやや曖昧になる傾向があります。プロダクトやアパレル、SNSのアイコンなど、マーク単体を表示・刻印する場合や、世界展開を視野に入れて言語に依存しないブランドシンボルを確立したい場合に適しています。

第2は「文字との結合商標」で、シンボルマークとブランド名を1つに組み合わせたものです。マークと文字が「一体のもの」として保護される利点があります。しかし重要な落とし穴があります。文字部分だけ、またはマーク部分だけを他人に真似された場合、即座に権利侵害を主張しにくいケースが生じます。全体としては非類似と判断されるリスクがあるのです。さらに、登録後に「マークだけ」「文字だけ」を切り離して使用すると、不使用取消審判の対象になり得ます。予算を抑えて一括保護したいスタートアップなら向きますが、実際のビジネスでマークと文字を分離して使う予定があれば不向きです。

第3は「文字の図案化」で、社名やブランド名に独特の書体やデザインを施したロゴタイプです。保護される範囲は「デザインされた文字の外観」であり、文字の「呼び名」に加えてその特徴的な「デザイン」が保護されます。普通の文字商標では審査に通らないような一般的な言葉でも、高度に図案化することで登録できる可能性が高まります。文字デザイン自体をブランドの顔にしたい、あるいは一般的な言葉をロゴデザインの力で登録させたい場合に有効です。

図形商標と文字商標の違い

図形商標と文字商標の最大の違いは、類似性の判断基準にあります。文字商標の類似判断では「呼び名」が重視されやすいのに対し、図形商標では「見た目(外観)」が最優先されます。つまり、デザインが似ていれば、音や意味が全く異なっていても拒絶される可能性があるということです。

選択基準と登録戦略

選択の基準は「実際の使用実態に合わせること」と「成長フェーズに応じて決めること」の2点です。最初は予算を抑えるため結合商標で出願しておき、ブランドが成長した段階で「図形のみ」「文字のみ」を別々に取り直すというステップアップ戦略も有効です。自社のブランド戦略がどのような展開を想定しているのか、専門の事務所に相談することで、最適な登録方法が見えてきます。

図形等分類とは

図形商標の登録を検討する際、最も重要なステップが「先行商標の調査」です。既に他社が登録している図形と類似していないか確認することで、拒絶リスクを大幅に軽減できます。この調査に用いられるのが、特許庁が提供する特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」です。

文字商標とは異なり、図形商標は文字入力での検索ができません。代わりに「図形等分類」という国際的な分類コードを用いて検索を行います。これはウィーン協定に基づく分類体系で、動物、植物、幾何学図形など、様々なモチーフが階層的に整理されています。

図形等分類を特定するコツ|構成要素の分解

図形等分類を特定する際のコツは、図形の構成要素を「分解」して捉えることです。例えば、ライオンのロゴであれば、単に「動物」ではなく「ネコ科」「四足歩行」といった具体的な特徴を意識します。抽象的なデザインであれば、「幾何学的形状」に置き換えて考えることが有効です。円形、三角形、波線など、基本的な図形要素から該当するコードを探るのです。

J-PlatPatでの図形等分類表の検索方法

J-PlatPatのサイトにアクセスしたら、まず「図形等分類表」のキーワード検索機能を活用してください。目的のモチーフを入力することで、候補となるコードが一覧表示されます。大分類・中分類・小分類のツリー構造から、最も適切なコードを特定していきます。この段階で複数の候補が浮かぶ場合もありますが、見逃しを防ぐため、あえて曖昧に検索し、関連する上位概念のコードも確認しておくことをお勧めします。

図形コード検索における類似群コードの活用

コードを特定したら、検索画面に入力して検索を実行します。ここで重要なのは「類似群コード」による絞り込みです。類似群コードは商品やサービスの分類を示すもので、これを組み合わせることで、自社の業界に限定した検索が可能になります。AND検索で「図形コード+類似群コード」を指定することで、膨大なヒット件数を効率的に絞り込めるのです。

しかし注意が必要です。自社の事業が複数の類似群コードにまたがる場合、メインのコードだけでなく「関連するコード」も調査対象に含めるべきです。例えばカフェでの食品販売であれば、飲食サービスと食品の両方のコードで検索する必要があります。現在の事業だけでなく、3年以内に展開予定の商品・サービスのコードも事前に確認しておくと、将来的なトラブルを防げます。

称呼検索による検索精度の向上

特に重要なのが「称呼検索」の併用です。図形商標の場合、見た目だけでなく、ロゴが表す「読み方(音)」でも検索を行うべきです。外観が似ていなくても、音が同じであれば拒絶されるリスクがあります。例えば図案化文字の場合、デザインは独特でも、読み方が一般的な言葉と重なれば問題となり得るのです。

調査完了後の確認

調査完了後のセルフチェック

調査完了後は、セルフチェックを行いましょう。ターゲットの図形だけでなく、似たジャンルや上位概念の図形コードも検索したか。現在の事業だけでなく、将来の展開を見据えた類似群コードを網羅したか。ロゴの見た目だけでなく、読み方でも称呼検索を行ったか。この3点を確認できれば、精度の高い自力調査が実現します。

専門家への相談のすすめ

もし調査結果の解釈に不安が残る場合は、特許事務所の弁理士に相談することをお勧めします。プロの視点から、登録可能性の判断や出願戦略のアドバイスを受けることで、商標権取得の成功率を大きく高められるでしょう。

弁
この記事の監修者
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
弁理士 森山 浩

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