PATENT
特許・実用新案
商品名、サービス名、会社のロゴマーク、キャラクターなどには、商標登録されているものが数多くあります。
公開日:2026年7月15日
商品名、サービス名、会社のロゴマーク、キャラクターなどには、商標登録されているものが数多くあります。
ただし、日常的に使われている名称やマークが、すべて登録商標であるとは限りません。また、同じ名称であっても、登録されている商品・サービスの範囲によって、商標権の内容は異なります。
本記事では、実際の登録商標の例を一覧で紹介するとともに、登録番号、権利者、指定商品・指定役務などの情報を確認する方法を解説します。登録商標を調べることは、自社のブランドを保護するだけでなく、他社の権利を侵害する問題を避けるための対策にもなります。
登録商標とは、特許庁の審査を経て、商標原簿に設定登録された商標です。
「商標」は、事業者が自社の商品・サービスを他社のものと区別するために使用する名称やマークを意味します。これに対し、「登録商標」は、商標出願を行い、登録査定後に登録料を納付して設定登録され、商標権が発生した商標を指します。
つまり、事業で使用している商品名やロゴであっても、特許庁に登録されていなければ、単に使用している商標であり、厳密には登録商標ではありません。
商標権は、登録されたマークだけを抽象的に保護するものではなく、特定の「指定商品」又は「指定役務」との組み合わせで権利範囲が定まります。そのため、登録番号だけでなく、指定商品・指定役務の内容を確認する必要があります。
商標権は知的財産権の一つです。技術を保護する特許権、物品等のデザインを保護する意匠権などとは、保護の対象や要件が異なります。
登録商標は、商品のパッケージ、店舗の看板、ウェブサイト、広告、動画やテレビCMなど、身近な場所で使用されています。
登録の対象となり得る商標には、次のような種類があります。
文字以外の商標も、商品・サービスの提供元を示す目印として機能し、識別力その他の登録要件を満たす場合には、登録を受けられる可能性があります。
有名な商品名やロゴであっても、すべての区分や商品・サービスについて一つの登録で保護されるわけではありません。企業は、事業内容やブランド戦略に応じて、複数の商標出願を行うことが多いです。
実際の登録商標には、それぞれ登録番号が付されています。代表的な実例は次のとおりです。
| 登録番号 | 権利者 | 登録例の特徴 |
|---|---|---|
| 商標登録第5893980号 | グーグル エルエルシー | 「Google」の登録商標の例 |
| 商標登録第2285793号 | 横河電機株式会社 | 「YOKOGAWA」の登録商標の例 |
| 商標登録第6231701号 | 株式会社メルカリ | 「m」ロゴの登録商標の例 |
| 商標登録第4039298号 | トヨタ自動車株式会社 | トヨタのシンボルマークからなる図形商標の例 |
| 商標登録第4170866号 | Kentucky Fried Chicken International Holdings LLC | カーネル・サンダース人形の立体商標の例 |
| 商標登録第5804299号 | 久光製薬株式会社 | 「ヒサミツ」の音商標の例 |
| 商標登録第5908592号 | 株式会社ジェーシービー | 見る角度により表示内容が変化するホログラム商標の例 |
上記は記事作成時点の公開情報をもとに確認した例です。権利者名、指定商品・指定役務、存続状況などは変わり得るため、実務ではJ-PlatPatの最新情報を確認してください。
登録例を調べるメリットは、どのような名称やデザインが登録されているかを知り、自社のネーミングや知財戦略の参考にできる点です。ただし、登録例があることだけを理由に、別の商標も登録可能であると判断することはできません。
登録商標を確認するときは、名称や登録番号だけでなく、次の情報を見ることが大切です。
標準文字による文字商標なのか、特殊な書体、色又は図形を含むロゴ商標なのかを確認します。同じ言葉であっても、文字のみの登録と、デザイン化されたロゴの登録とでは、登録されている商標の構成が異なります。
その商標権を保有している個人又は法人を確認します。会社名が変更されている場合や、商標権が他社へ移転されている場合もあるため、現在の権利者を確認する必要があります。
登録商標が、どの商品又はサービスについて登録されているかを確認します。例えば、同じ名称が登録されていても、一方は「被服」、もう一方は「飲食物の提供」について登録されていることがあります。
商品・役務は、第1類から第45類までの区分に分類されています。ただし、区分は手続上の分類であり、同じ区分であれば必ず類似し、異なる区分であれば必ず非類似になるわけではありません。商品・役務の類似を調査するときは、類似群コードも手掛かりとなります。
登録されたことがある商標でも、更新されずに権利が消滅している場合や、取消し・無効の手続を受けている場合があります。出願、審査、登録後の経過情報を確認し、現在有効な権利であるかを管理することが重要です。
登録商標の情報は、INPITが運営する無料の検索サイト「J-PlatPat」で調べることができます。基本的な検索の流れは次のとおりです。
文字の表記が異なると、検索結果も異なります。ひらがな、カタカナ、アルファベットなど、複数の表記で検索することが大切です。
また、名称が完全に一致する商標だけを確認しても、十分な先行商標調査にはなりません。外観、称呼、観念が類似する商標や、関連する商品・サービスも含めて検討する必要があります。
J-PlatPatによる検索は有用ですが、その結果だけで登録可能性や商標権侵害の有無を確定することはできません。重要な商標出願、使用開始又は他社への請求を検討する場合には、弁理士や特許事務所に調査・判断を依頼することも有効です。
商品パッケージやウェブサイトでは、「®」や「TM」などのマークを見かけることがあります。
「®」はRegistered Trademarkを意味しますが、日本の商標法で定められた商標登録表示そのものではありません。「TM」も日本法上の登録を示す表示ではなく、未登録又は出願中の商標に付けられることがあります。
日本における商標登録表示の例は、次のとおりです。
登録商標第1234567号
商標法第73条では、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が登録商標を使用するときは、商標登録表示を付するよう努めるものとされています。
一方、登録商標以外の商標に登録番号や「®」を付けるなど、登録商標であると誤認させる表示には注意が必要です。表示する場合は、対象となる商標と登録番号の対応を確認してください。
登録商標の例を自社のビジネスに置き換えると、次のような名称やマークが商標登録の候補になります。
商標登録を取得する主なメリットは、指定商品・指定役務について登録商標を使用する権利を確保し、一定の範囲で他人の使用を排除できることです。模倣への対策、ライセンス、フランチャイズ、事業承継などの活動にも活用できます。
もっとも、会社名や商品名であれば必ず登録できるわけではありません。商品の普通名称、品質、産地などを一般的な方法で表示したにすぎない商標や、他人の先行商標と紛らわしい商標は、登録を受けられない可能性があります。
商標登録を検討するときは、まず、保護したい名称やロゴと、それを使用する商品・サービスを整理します。その後、先行商標を調査し、商標登録願などの必要書類を作成して特許庁へ出願します。
出願後は特許庁による審査が行われます。登録査定を受けた後、期限内に登録料を納付すると設定登録され、商標権が発生します。出願料、登録料及び代理人費用など、必要となる費用も事前に確認すると安心です。
日本では原則として、先に使用した者ではなく、先に出願した者が登録を受ける先願主義が採用されています。そのため、ネーミングを決定した後は、販売や広告を大きく展開する前に調査と出願を進めることが重要です。
もっとも、登録商標が存在するだけで、あらゆる使用が直ちに侵害となるわけではありません。商標の類否、商品・役務の類否、商標的使用に該当するかなど、具体的な使用態様を踏まえて判断します。個別案件では、弁理士によるサポートを受けることを検討してください。
登録商標とは、特許庁の審査を経て商標原簿に設定登録された商標です。
実際の登録例を見ると、商品名やサービス名だけでなく、会社のロゴ、キャラクター、立体的形状、動き商標、ホログラム商標、位置商標、色彩のみからなる商標、音商標など、さまざまなものが登録されています。
登録商標を調べる際は、名称や登録番号だけでなく、権利者、指定商品・指定役務、区分、存続状況まで確認することが大切です。このような確認を行い、自社のブランド保護と他社権利への対応を一体的に進めることが、知財管理の基本となります。